完成フライ・フライタイイングツール、売れ筋ランキング

Let's enjoy fly fishing together.

 1.フライとは

フライとは、英語で“fly”もしくは“Artificial(模造の) fly”と記される、魚が捕獲しようとする虫や小魚などをイミテートした(模倣した)、「疑似餌」のことです。フライフィッシングは、この疑似餌(フライ)を使った釣りのスタイル(釣り方)のことを指します。日本で古来から使われてきた「毛鉤」(毛針、毛ばり)と、概念と目的は同じです。疑似餌を使った釣りには、他にルアー・フィッシング等もあります。

フライを使った釣りの歴史は古く、西暦200年頃の書物に、マケドニア(現ギリシャ北部~マケドニア共和国周辺)のフライについての記述が発見されています。今では、スポーツにも分類されるようになったフライフィッシングですが、現代の様なラインを飛ばすフィッシングスタイルが確立されたのは、1500年頃の英国(イギリス)であることから、フライフィッシングの発祥は英国とされています。

フライは、釣りの対象魚となる魚が好んで捕獲する、虫や小魚などをイミテートして、鳥の羽や動物の毛、化学繊維などを使って作られています。実物の虫や小魚を使わないのは、丈夫で何回も使い回しできることと、針を付けて遠くに投げられる軽さと強度を有しているからです。

では、『フライは、虫や小魚にどれくらい似ている必要があるのか?』と言うと、経験的には、瓜二つである必要は全く無く、『ぼやーっと似ている程度で十分』というのが、実際のところです。
「魚の視力は“0.13”前後で、魚種によっては色が識別できる」とする研究結果がありますが、それなら、ちょうど私の視力と一緒ぐらいです。私は裸眼だと、数メートル先の人の顔もぼやけてしまいますが、知った人であれば、顔形や体型、仕草などから、総合的に判別できます。数十センチ先の毛鉤も、だいたい似たような感じです。色は、輪郭はぼやけてしまいますが、存在する色の種類と数くらいは、ほぼ判断できます。つまり、魚もこんな見え方をしているのでしょう。だから、おおよその“姿形”と、だいたいの“大きさ”と、ぼんやり“色合い”が似ていれば、十分です。
それより、視力が弱い私が知人を識別するうえで一番重要な情報が、その人の所作であることと同様に、その似たフライを、いかに実際の虫や小魚のように振る舞わせられるか、水や川の流れに乗せることができるかが、より重要な要素となります。

フライを分類すると、まず、水面に浮かせて使う「ドライフライ」と、水に沈めて使う「ウェットフライ」の、大きく2種類に分けられます。

ドライフライは、主に水生昆虫の成虫を模したフライで、軽くて水をはじきやすい素材(マテリアル)を使って作ります。形も、水面に浮きやすいよう工夫されています。夏場のイワナは雑食で、木から落ちてくるカメムシやアリなども捕食するので、そうした「テレストリアル」(陸生昆虫)のフライもあります。

一方ウェットフライの中でも、水中を這ったり、羽化するために水面に浮かびあがろうとしている水生昆虫の幼虫を模したフライは、「ニンフ」と言います。また、小魚を模して泳がせるウェットフライは、「ストリーマー」と言います。特に、エサになる小魚に似せるというより、派手な色と動きで攻撃的な魚の好奇心を煽り食いつかせることを目的としたフライは、「アトラクターフライ」とも呼びます。

なお、フライを製作すること、並びにその方法を、「フライ・タイイング」(fly tying)と言います。

 2.ドライフライの種類と、良く釣れる定番フライ

先に、フライには「ドライフライ」と「ウェットフライ」があり、ウェットフライにも様々の種類があると書きましたが、ここでは、私が主に使っている、「ドライフライ」に限定して記します。

なぜ私がドライフライを好んで使うかですが、釣果そのものを問うのであれば、朝マヅメ・夕マヅメの時間帯での「マッチザハッチ」など特別なシーンを除くと、圧倒的にウェットフライを使った方が、魚は釣れます。ただ、ウェットフライを使った釣りは、水面下での魚との駆け引きになるので、そのファイトシーンを直接目にすることはできません。その代わり、想像力(イマジネーション)と、ラインやロッドに伝わる微妙な感覚を、より大切にすることが出来る釣りで、そこを重要視しているフライフィッシャーは多いと思います。ですが私は、想像しながらの釣りより、実際のライズを見てフライを合わせることの方にフライフィッシングの醍醐味を感じ、特にドライフライめがけて水面から大きくジャンプしたトラウトの姿が見たくて、好んでドライフライを使っています。

ドライフライは、水生昆虫が羽化した成虫をイミテートしたものが主流ですが、夏場の食欲旺盛な雑食のイワナを狙う場合などは、陸生昆虫をイミテートしたフライを使う場合もあります。

フライで使われる主な水生昆虫は、「メイフライ」(カゲロウ)、「カディス」(トビケラ)、「ストーンフライ」(カワゲラ)、「ミッジ」(ユスリカ)などです。それぞれに、さらに沢山の種類の昆虫がいて、年間を通じて羽化(ハッチ)する時期が異なります。その時々で、羽化がピークを迎え、対象魚が好んで捕獲している水生昆虫を特定し、そのフライを使って魚を釣ることを、「マッチザハッチ」(match the hatch)と言います。

一方、陸生昆虫では、「ホッパー」(バッタ)、「ビートル」(甲虫)、「アント」(アリ)などのフライが、主に使用されます。

個人的に、一番使用頻度が高いフライは、「エルクヘアカディス」です。その理由は、もちろん良く釣れるからという理由もありますが、一番の理由は、『丈夫で、浮力が長持ちする』からです。フライの巻き方も、比較的容易(簡単)です。
フライは、結構な消耗品なので、既製品を買ってばかり居られません。そうすると、自分でフライを巻く(フライタイイングをする)ことになりますが、一本を巻くのに、簡単なフライでも5分から、手間のかかるフライは15分位かかります。さらに、様々な種類のフライ毎に、サイズ違いや色違いのフライを複数用意しておく必要があります。そうなると、一回の釣行に、数日かかりでフライを巻かなければなりません。もちろん、余ったフライはストックして、次に回すことができるので、徐々にその手間は省かれていきますが。

次に使用頻度が多いのは、「アダムス」や「ブラウン・パラシュート」、「ライト・ケイヒル」などです。これらも、比較的簡単に巻けるフライなので、総じて出番が多くなります。特にアダムスは、ビミョーで曖昧な色合いが、魚に様々なイミテーションを生じさせることが出来るのか、マッチザハッチを意識することなく、年間を通じて何時でも使えるという、オールマイティさがあります。ただし、浮力の持続力、長持ちするという面では、エルクヘアカディスの方が上です。

通常、アダムスも、ライト・ケイヒルと同じようにボディのハックルをフックの周りを縦に巻きますが、これがフライを作る上で結構手間がかかると同時に、フライの寿命も短くなります。そこで、アダムスカラーで、パラシュート状にすると、作り方も簡単になり、丈夫になると同時に、水面で安定しやすいので視認性も高まります。本来のハックル形状のアダムスとアダムスパラシュートで、釣果に差があると感じたことは、一度もありません。その程度の腕前なのかもしれませんが・・・(^_^;)。

あと、特に管理釣り場など静水面であれば、食いが悪い時には、ミッジ系の極小フックで作った「グリフィス・ナット」や「ピューパ・フライ」を使用します。こうした小さいフライは、流れのある川面では、すぐに波にもまれて消えて見えなくなってしまうので、滅多に使いませんが、ライズのあるプール(流れが緩やかなトロ場や淵のこと)があれば、川でも使うこともあります。

 3.完成フライ、売れ筋ランキング

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 4.フライタイイングとは

フライ(毛ばり)を巻くことを、フライタイイング(fly tying)と言います。

フライタイイングでは、1cm前後の小さなフック(針)に、スレッド(糸)を使って、鳥の羽や獣の毛などのマテリアル(フライの材料)や、化学繊維等でできたダビング材などを止めていきます。接着剤は、スレッドを止める際などには使いますが、マテリアルそのものを固定するのには使いません。

フライタイイングで必要となる、主な道具とマテリアルは、以下のような物です。

フック

釣針のこと。標準的な形をしたスタンダード・フック以外にも、ドライ用、ニンフ用、ウェット用など、それぞれの用途に応じた形状のフックがあります。

フックのサイズは、#10とか#12のように、フライラインと同じく、番手を示す数字で表示されます。ただし、フライラインの場合は、番手が大きくなればラインは太くなりますが、フックの場合は逆に、数字が大きくなるとフックサイズは小さくなります。リーダーやティペットも、やはりラインとは逆に、数字が大きくなるほど細くなります。
私が渓流魚を対象にしたドライフライでは、#12~#16が、一番よく使うサイズです。例外的に、湖沼で遠投が必要な場合には、#8~#10の大きなサイズのフライや、春先のシビアな釣りでは#18~#20の極小ミッジ系のフライを使う場合もあります。フックのサイズが小さくなればなるほど、当然、フライタイイングも難しくなります。しかし、大きければ楽かというとそうでも無く、それなりのコツが必要で、ドライフライばかり巻いていると、意外と#12前後が一番巻きやすいかもしれません。

また、釣針には通常、針先に「カエシ」(バーブ)が付いていて、いったんハリ掛かりした魚が外れて逃げられ難い構造になっていますが、このカエシが無い、「バーブレスフック」というフックもあります。釣った魚をリリースするために、できるだけ魚を傷つけないようにするための配慮で、管理釣り場などで、バーブレスフックの使用が義務付けられている場所もあります。

フライタイイングでは、様々な形状のフックと、何種類ものサイズを準備しておく必要があり、さらにバーブドフックとバーブレスフックとを揃えるとなると、半端ない数になってしまいます。そのため私は、管理釣り場やリリースを前提とした釣りでは、フライをセットした際に、フォーセップでバーブを挟んで、カエシを潰して使うようにしています。ただし、全魚リリースを前提としている人には、最初からバーブレスフックの購入をお勧めします。

マテリアル

フライで、昆虫などの羽根や足をイミテートするための材料を、マテリアルと言います。

丈夫で水をはじきやすい、水鳥の羽毛や、細い獣毛などが主に使われています。ただ、形よくフライを巻くには、細くしなやかな羽毛や獣毛が必要で、品質の良いマテリアルを揃えるとなると、結構なコストがかかります。そのため、最近は高価な自然素材ではなく、安価で丈夫な化学素材で作られたマテリアルを使う場面も増えました。

まずは、ちょっと高めでも品質の良い、グリズリー ブルーダンの「ハックル」、ウィングに使う「エルクヘア 」か「ディアヘア」(ナチュラル)、テイルに使う「フェザントテイル 」を揃えて、代表的なパターンのフライを幾つか巻いてみることをお勧めします。

フライタイイング・ツール

フライタイイングでは、小さなフックを固定して、細いスレッドをフックに強く巻き付けながら、マテリアルを固定していく、細かい作業が必要で、そのためには専用のツール(道具)が必要です。

一般には全く馴染みのない、独特なツールを幾つも使い、日用品で代用することも難しいです。そのため、一つ一つ揃えると、結構な値段になってしまうので、まったくゼロから始めるなら、タイイングツール・セットとして売られている一式で買って揃えてしまうのも、一つの手段かと思います。足りないものや、サイズ違いが欲しい場合は、別途買い足せば済みます。

バイス ボビンホルダー スレッダー ハックルプライヤー ヘアスタッカー

フライタイイングの代表的なツールは、上記のようなものです。この他にも、フライタイイング専用の「シザース」(はさみ)、「ダビングニードル」、「ウィップフィニッシャー」などがあると、便利です。

ただし、シザースは似たような大きさのはさみがあれば代用できますし、ダビングニードルも、似たような針先の工具で代用できそうです。また、ウィップフィニッシャーは、タイイングの最後にスレッドを結びつけるための道具ですが、慣れて来れば、ダビングニードルでスレッドを押さえながらボビンホルダーを回してフックにスレッドを結びつけることも可能です。

 5.Fly Fisshingの部屋 コーナー目次

 

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