小松菜の育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

コマツナ

 1.小松菜栽培のキモとコツ

小松菜(コマツナ)とは

小松菜(コマツナ)は、アブラナ科の野菜で、冬菜(フユナ)とか、鶯菜(ウグイスナ)と呼ばれている野菜と、ほぼ同じものです。ただ、地域によって、様々な冬菜が存在するので、一概には同じ種類とも言えないのが、苦しいところ(汗)。旬は冬とされていますが、品種改良のおかげか、寒冷地での真冬以外は、ほぼ年間を通じて栽培が可能です。暑さ寒さに強いうえ、半日陰でもよく育ち、連作障害もほとんど受けないので、プランターでも簡単に栽培できます。そのうえ、味噌汁の具やあえ物、おひたしなど、料理の用途も多彩で、とても重宝する野菜です。

カブから分化したとされ、江戸時代の初期の頃には、江戸の小松川村の辺りで栽培が始まったと言われています。その後、当地の特産として献上品にもなったことから、「小松菜」と呼ばれるようになったのが、名の由来。

【品種】
一般的には在来固定種の栽培が主ですが、栽培期間の短い早生品種や、抽苔が遅い晩生種、青くささやえぐみ、スジが少なくサラダなどの生食でも食べやすい品種、逆に味の濃い縮み葉系の品種など、様々あります。
数多くの品種の中から、味や食感の好みで選ぶのがおすすめですが、春まき用には生育の早い早生品種を、夏まき用には耐暑性・耐病性に富む品種が作りやすいです。秋から冬にかけては、早く収穫できるものから、塔立ちが遅い晩生種まで、時期に応じて選ぶと、より長い期間食べられます。雪の降る地域だと、極寒気の越冬はさすがに葉が痛むので、翌春の菜花採り用として栽培します。
ホームセンターでよく見かけるのは、「楽天」。生育の早いF1種で、耐暑・耐寒・耐病にすぐれ、栽培しやすいのが特徴。より葉形や草姿の市場性を高めたのが「極楽天」。最近は、青くさみが少ない品種が、若い人を中心に好まれ、新交配種の「べんり菜」といった、新ジャンルの野菜も登場しています。ただ、小松菜を主に味噌汁の具材に使う我が家では、あまり柔らかい葉の品種は合いません。昔ながらの、つけ菜ならしい味の小松菜が好みです(笑)。特に最近のおすすめは、秋から冬にかけて栽培している、「ちぢみ小松菜」。縮んだ葉の食感がよく、甘みのある味の濃い品種です。葉が縮むせいか、害虫の被害にも合い難く、作りやすいのも助かります。
【連作障害】
連作障害を受けにくい野菜ですが、前作でアブラナ科以外の野菜を育てた場所で育てるようにしましょう。
【病害虫】
排水性や連作などにより、まれに萎黄病やべと病などが発生しますが、比較的病気には強い野菜です。一方、害虫に対してはめっきり弱く、他のアブラナ科の野菜同様に、アオムシやコナガ、ヨトウムシなどチョウ目(鱗翅目)の幼虫が多く付きます。種まきをしたら、芽が出る前に直ぐに防虫網のトンネルで覆いましょう(汗)。

 2.種まきと防虫

冬が旬とされる小松菜ですが、耐寒性にも耐暑性にも優れ、春から冬まで時間差で種まきを続けると、長い期間収穫できる、スグレモノの野菜です。生育も早く、温暖な時期には、種まきから3週間ほどで収穫できる品種もあります。アオムシに負けずに、ぜひ年間を通じた収穫を目指してください!(笑)。

【気象環境】
発芽温度は5~30度と、とても幅があり、驚くほど!。生育適温は10~25度で、冷涼を好みますが、暑さ寒さにも強く、半日陰でもよく育ちます。
【播種の適期】
多くの地域で、春先から晩秋まで種まきが可能で、成長した状態で越冬できれば、ほぼ周年収穫が可能となります。雪の降る長野あたりだと、晩秋に撒いた種で、年内に収穫を迎えられなかったとしても、幼苗の状態で越冬させることで、翌春には菜花として収穫して、美味しく頂くことができます(笑)。
種まきと収穫時期
【土壌・施肥】
あまり条件を選びませんが、生育が早く肥料好きの野菜なので、肥えた土地での栽培が適しています。
播種の1~2週間前に、石灰と多めの堆肥で畝作りをします。生育期間が短いので、追肥はあまり意味がありません(汗)。
【種まき】
直根なので植替えが不向きですし、生育も早いので、直播きするのが一般的です。種は小さく細かいので、板などで条間15~20cmで撒き溝を作ってから、2~5cm間隔に筋蒔きして、芽が出てから10cm間隔に間引いて育てます。発芽は比較的容易ですが、間引きしたベビーリーフも食べられますので、好みに応じて多めに種を蒔くのもおすすめです。
発芽すると直ぐにチョウチョウが寄ってくるので、種まきをしたらすぐにネットを掛けて、防虫対策をしましょう。トンネルを作るのが手間な場合は、寒冷紗のベタ掛けで済ませるという手もあります。また寒い時期には、寒冷紗をベタ掛けすることで、寒さ除けの対策にもなります。

 3.管理と収穫

播種後の管理

種まきしたら直ぐに、防虫ネットなどでトンネル掛けし、蝶や蛾に卵を産み付けられないようにしましょう。防虫対策さえしっかりしてしまえば、後は全くと言っていいほど、手間のかからない野菜です。暖かい時期には、草取りが必要になりますが、3~4週間ほどで収穫期を迎えられるので、その回数はせいぜい1回で済みます!。

成長が早いので、追肥はまず必要ありません。もし、葉の色が薄く生育が遅いようであれば、速攻性の液肥を一回与えてみてもいいでしょう。

収穫

葉丈が15~20cmくらいになると、収穫の適期。陽当りがよい場所で、生育が早い株から順番に収穫して行きますが、時期によっては直ぐに巨大化してしまうので、早め早めに収穫を済ませるのがコツです。若い葉も、ベビーリーフとして食べられますよ。

春の菜花も、私は小松菜の花が、柔らかくてえぐみも少なく、一番好きです。花を咲かせて初夏までそのままにしておけば、F1種でなければ種を採ることも出来ます。ただし、アブラムシが付きやすく、放置しておくと凄いことになるので、ご注意あれ(汗)。


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