都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
キク科に属するレタスの原産地は、地中海沿岸から西アジアにかけて。紀元前6世紀には栽培が始められ、日本でも古くから栽培されていました。一般的な結球性のレタスのほか、非結球のリーフレタス(サニーレタス)、結球しても細長い形をしたものなど、分類上は様々。ここでは、主に「玉レタス」と呼ばれる、ごく一般的な丸い結球性のレタスを対象とします。
レタスを収穫する際には、切り口から牛乳の様に白い液体が流れ出します。この白い液は、ポリフェノールの一種だそうですが、レタスという呼び名は、ラテン語の牛乳=Lacに由来します。レタスの和名は「チシャ」(チサ)ですが、これも乳草(ちちくさ)が転じてチシャとなったそうです。
冷涼な気候を好むレタスの旬は、春から初夏と思い込み、春まき栽培のみしている人も多いようですが、個人的には、春まき栽培より、夏まき秋取り栽培の方が育てやすいと感じています。理由は、春まき栽培だと、収穫時期が初夏の頃になりますが、近年は温暖化の影響もあり、6月も半ばになると猛暑日なんてことも珍しくありません。すると、収穫を待たずして傷んでしまったり、せっかく実ったレタスも病気に侵されがちで、一斉に収穫を済ませなければなりません。いくら旬だからとはいえ、毎日毎食レタスでは辟易します(汗)。一方、秋に収穫するためには、猛暑の8月中から残暑厳しい9月上旬までに種まきをする必要があり、レタスの種が発芽し難い時期に播種しなければなりません。しかし発芽さえ上手くいけば、収穫期はどんどん寒くなる時期なので、収穫が遅れても、畑でレタスが痛むようなことは、滅多にありません。夏まき栽培なら、春まき栽培とは比べ物にならないくらい、長い期間に渡って収穫し続けることができますよ!。
種を直播して栽培することも可能ですが、育苗した苗を定植して育てるのが一般的。発芽のタイミングを揃えることができ、1~2度植え替えして根をイジメることで、丈夫な苗が育ちます。
春まき栽培では、低温下での発芽と育苗が難しく、夏まき栽培では高温下で種が休眠して発芽し難いことから、苗を購入して育てる農家も多いですが、レタスの種は比較的安価なので、種まきからチャレンジしてみましょう。
本葉が5~6枚、苗の大きさが7~8cmくらいになったら、苗を植え付ける定植の適期。その2週間前までに、基肥と石灰を漉き込み、畝を立てておきます。株間・条間とも30cmで植え付けますので、一般的によく使われている95cm幅のマルチを使う場合は、2条植えにします。敷き藁を使う場合は、四角形の畝にした方が、藁が敷きやすいですね(笑)。
レタス栽培では、定植後の管理はほとんど不要。マルチを使えば、草取りの心配もいりませんし、水やりもさほど必要ありません。葉が巻きだしたら、追肥をします。
レタスの害虫といえば、ナメクジが最大の難敵。しかし、ナメクジの食害はさほど酷くはならないので、気にならない人は無農薬でも育てられます。しかし、ナメクジなんて絶対に見たくもないという人は(汗)、収穫期の前に、「ナメトール」などのナメクジ誘引駆除剤(農耕地用)を、株元やマルチの下に撒きましょう。
しかし、レタスは生でも食べる野菜なので、農薬はあまり使いたくないと思う人も多いと思います。そこで、私も大好きですが、ナメクジも大好物という、”ビール”を使って誘引し、駆除する方法があります!。
缶ビールを飲む際に、勿体ないですが、少しだけ多めにビールを残して、その空き缶を取っておきます。翌日、その空き缶を、中のビールがこぼれない様に、かつナメクジが入りやすい様に、傾けてレタスの株の間に埋めてやります。すると、ビールに誘引されたナメクジが、缶の中に落ちて、ビールの海で溺れるという仕組みです。私は、ビールを残すのが勿体ないので、ちょびっとだけ残して、空き缶の中にナメクジ駆除剤を投入して、レタスの畝の中に転がしておきます!(笑)。どれだけナメクジが獲れたか見たい人は、翌日に缶の中を覗いてみてください。私は、遠慮しておきます…(汗)。ちなみに我が家では、もっぱら第三のビールしか飲みませんが、本物のビールでなくても、発泡酒や第三のビールの空き缶を使っても、ナメクジは捕獲できていますよ!(笑)。
レタスの頭を手で押さえ、弾力がある程度に固く締まったら、収穫適期。スーパーで売られているレタスの大きさと固さを覚えておきましょう(笑)。春まき栽培では、収穫の頃には暑くなり出し、高温下ではレタスは傷みやすいので、早め早めに収穫しましょう。