都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
ズッキーニは、ウリ科カボチャ属の一年生の野菜です。その果実はキュウリ(ウリ科キュウリ属)に似ていますが、カボチャ(ペポカボチャ)の仲間で、つるなし南瓜(かぼちゃ)とも呼ばれています。原産地は定かでなく、メキシコの巨大カボチャが祖先と考えられ、16世紀頃にヨーロッパに伝わったと言われています。しかし、そのヨーロッパでも、食材として庶民に広まったのは、20世紀になってから。日本に入って来たのも、今からたった40年ほど前のことで、とても新しい野菜です!。年配の方には、全く馴染みが無いのもうなづけます!。
かく言う私も、ギリな年代(汗)。しかも、ズッキーニの、硬くもなく柔らかくもなく、美味しくもなく不味くもなく、何ともはっきりしない、曖昧模糊とした食感や味が、どちらかと言うと、苦手です…。しかし、キュウリは煮たり焼いたりは滅多にせず、もっぱら生で食べるだけですが、ズッキーニは煮たり焼いたりフライにしたりと、料理のレパートリーが広がります。しかも、それがフレンチやイタリアンともなると、オシャレ!。田舎暮らしでも、たまにはそういう食卓もいいもんです(笑)。人にあげても喜ばれますしね!。
ズッキーニは、カボチャの仲間ですが、カボチャの様にツルは伸ばしません。カボチャを株元だけにした様な容姿で、その根元に果実が生ります。そのため、栽培面積はカボチャほど広くはありませんが、それでも結構なスペースを必要としますので、ご注意ください!。ズッキーニは、とても大きな葉を四方八方に広げ、品種によっては、その直径は2メートル以上、高さも人の背丈以上にもなります(汗)。葉を地面に広げたままだと、スペースは取られるし、跳ね返りの泥により病気が発生しやすいので、支柱を立てて葉を持ち上げてやりますが、今度はヘタな支柱では風で倒されてしまいます…。1本の株から収穫できるズッキーニは、品種にもよりますが、5~20本以上。家庭菜園であれば、2~3株もあれば十分そうですね(笑)。しかし、1株だけだと、実が生り難いです。自家受粉は可能ですが、雄花と雌花の咲くタイミングがずれるため、人工授粉も面倒です。ちなみに、カボチャの雄花でも代用できるそうですが、スペースの問題でズッキーニを1株にしたとすれば、カボチャを栽培するのは、もっとムリ…(汗)。
家庭菜園で2~3株ほど育てるなら、苗を買ってきて植えた方が早いですが、ズッキーニの種の寿命は2~3年は持ちますので、来年以降も育てるなら、種を買って、種から育てる方がお得です!。一般的なズッキーニの種なら、300円~400円くらいで、1袋に 15-16粒/4ml ほど入っています。
ズッキーニは、”外見はキュウリに似ているけどカボチャの仲間”だと書きましたが、種は、カボチャの種とキュウリの種との、中間くらいの大きさ。さらに困ったことに、苗の容姿がキュウリと瓜二つ!(笑)。私は、ズッキーニの種を蒔いたポットと、キュウリの種を蒔いたポットを並べ、同じポットカバーの下で保温して育苗したところ、どっちがズッキーニの苗で、どっちがキュウリの苗か見分けが付かずに、困ってしまいました…(汗)。念のため、私と同じ失敗をした方にお教えしますが、ズッキーニの苗の方が、最初に開いた本葉の茎が、キュウリの苗のそれよりも長いです!(笑)。
ポットに種まきする場合は、タネが大き目なので、1ポットに1粒だけ蒔きます。発芽率は高いので、目的の株数が足りなくなる心配はあまりしなくても大丈夫です。種の伏せ方は、カボチャと同じく、ヘソ(種の尖った先)を下に向けて埋め、1センチほど覆土します。育苗した苗は、本葉が3~4枚頃までに定植します。
畑に種を直播きする場合、ならびに苗を定植する場合は、株間を1mくらい開けるようにしましょう。スペースが限られる場合は、株が小ぶりな品種を選び、広がった葉は、支柱で吊って上に持ち上げると、株間は60cmくらいまで狭められます!。
定植後に主に必要となる作業は、草取りと2週間に1度の追肥くらいです!。
ただ、雨による跳ね返った泥が葉に付くと、病気にかかりやすいので、株の周りに藁マルチをしたり、支柱を立てて葉を持ち上げてあげます。また、枯れてきた下葉は早めに欠き取って、風通しをよくしてあげましょう。
株の丈が50cmほどになると、どうしても不安定になってきます。支柱を立てて、株の芯を支柱に縛り付け、強い風が吹いても倒れない様にしてあげましょう。
株が大きくなってから最初に開く花は、雄花のみです。その後、雌花が咲き出しますが、最初の1~3番目の雌花の実は、小さいうちに摘んで、株を大きく育てましょう!。キュウリやナス、ピーマンでも、最初に付けた実は、小さいうちに摘むことをおすすめします。
雌花の開花後、数日から1週間ほどで収穫が可能です。花がつぼみのうちに若取りして、花ごとキレイに盛り付けて料理に仕上げるのも、料理人のウデの魅せどころですね!(笑)。長さ20cmくらいが食べごろですが、採り遅れて大きくし過ぎても、食味はほとんど変わりません。ただし、大きいと収穫時に葉枝を折りやすいので、注意してください。