トマトの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.トマト栽培のキモとコツ

トマトとは

トマトは、アンデス山脈の高原地帯原産のナス科ナス属の植物です。元々は、痩せた土地の厳しい環境条件下で育ったトマト、そんなに美味しい野菜ではありませんでした(汗)。日本には、江戸時代に伝わったとされますが、食用として栽培されるようになったのは、明治以降のこと。それでも青臭くて酸味も強く、あまり普及しませんでした。日本人の食味に合うように品種改良され、今のように広く流通するようになったのは、昭和になってからです。しかし、昭和時代のトマトは、流通のために皮が固い青いうちに収穫するのが普通。今のように美味しい完熟トマトが一般家庭で食べられるようになったのは、なんと、皮の丈夫な「桃太郎」などの品種が生まれ流通するようになった、平成の時代になってからです!(驚)。

トマトには、大きく分けて、ジュースやケチャップ等に加工することを前提にした加工用トマトと、生食用のトマトがありますが、ここでは生食用のトマトを対象としています。

【品種】
トマトを色で分類すると、ピンク系(桃色系)と赤系、緑系と大別されますが、日本で生食で食べられているトマトのほとんどは、実はピンク系です。世界的には赤系のトマトが普通なので、現在日本で流通している生食用トマトは、世界的にみると、実はとても珍しい新品種ばかりと言えます(汗)。
果実の大きさによる分類では、大玉、中玉(ミディ)、ミニトマトの3つに分けられますが、最近はマイクロトマトと呼ばれる、とても小さなミニトマトも登場しています。
家庭菜園で人気なのは、病気に強くて作りやすく、甘くて皮の薄い、食べても美味しい品種。大玉トマトでは、圧倒的に「桃太郎」が主流です。ミディトマトでは、「フルティカ」や「レッドオーレ」が定番でしょうか。ミニトマトでは、「ペペ」が一番広く流通していますが、卵型の「アイコ」が猛追撃しつつあります(笑)。特に栽培しやすいミニトマトは、新品種の激戦区で、毎年のように様々な新品種が登場していますが、苗の値段も高め・・・(汗)。この他に、甘みが強い”フルーツトマト”や、塩味が感じられる”塩トマト”と呼ばれるトマトもありますが、品種の違いと言うよりも栽培方法の違いによる糖度の高い商品に対してのブランド名と捉えた方がいいかもしれません。
【連作障害】
ナス科の野菜(ナスやピーマン、ジャガイモ)の栽培では、最低でも3年くらい空けた方が望ましいとされています。日本種トマトを栽培しようとすると、病気に弱くて意外と難しいですが、翌年にはこぼれ種から五万と芽が出てきますので、元々は意外と丈夫な野菜です。
【病害虫】
青枯病、カビ病、ウドンコ病、モザイク病など、過湿や密植による風通しの悪さに起因する病気には、とても弱いです。下葉は、枯れ出したり変色したりしたら、早めに欠き取ってしまいましょう。また、肥料過多、特に窒素過多による生育不良も発生しやすいので、肥料は控えめにします。葉が丸まり出したり、葉が密集し過ぎる場合は、肥料が多すぎる証拠です。その場合は、脇芽を欠かずに徒長させ、肥料を分散させるしかありません。しかし、脇芽を伸ばすと葉がさらに密集し、今度は風通しが悪くなって、病気にかかりやすくなってしまいます(汗)。
一方、アブラムシやハダニなどの害虫による被害は少ないですが、安心しているとオオタバコガに卵を産み付けられ、幼虫に実や茎に穴をあけられる食害が発生します。これも、窒素過多が原因であることが多いとされます。予防のためには、「プレオ フロアブル」など、チョウ目害虫に効果の高い農薬を散布します。

 2.種まきと定植

トマトは種から栽培することも可能ですが、寒冷地で種から苗を育てるとなると収穫が遅くなってしまい、冷たいトマトが一番食べたい暑い時期に、間に合わない可能性があります(汗)。早い時期から長い期間トマトを食べたいという人は、苗を買って育てた方が確実です。特に病気に弱い大玉トマトを数本しか植えない場合には、少々高いですが、丈夫な接ぎ木苗を選ぶのがおすすめ。一方、丈夫で草勢の強いミニトマトは、買った苗から生えてきた脇芽を挿し木して増やすことも容易です(笑)。

トマトの旬は夏と思われがちですが、強い日差しと共に冷涼な気候を好む野菜なので、初夏や初秋の方が生育がよく、沢山の実を付けます。特に丈夫なミニトマト系の品種なら、時間差を置いて遅めに植えれば、霜が降りる時期まで、長く収穫できますよ(笑)。

【気象環境】
発芽・生育適温は25~30度と高めで、強い日射しを好みます。しかし、原産地のアンデスの高地は、夜間にはとても冷え込む土地柄。意外と暑い時期より、朝晩の気温が低くなる時期の方が、美味しいトマトが成ります。気温が32度以上、15度以下になると、花粉の出や着果が悪くなりますが、9~10月中に着果すれば、熟すのはその先なので、遅植えしても全く問題ありません(笑)。
【播種の適期】
トマトの播種の適期は3月中。しかし寒冷地では芽が出難い時期なので、トンネルで保温して育苗するか、ゴールデンウィーク明け頃に苗を買って定植します。
寒冷地では、トマトの種を蒔いても、なかなか良い苗が育ちませんが、こぼれ種からは、嫌になるくらい自然と芽が出ます(汗)。しかし、こぼれ種から育ったトマト苗は、その後に徒長したり、変形したりして、うまく育ちません。試しに植え替えるのはアリですが、それに頼るのは止めた方が無難です(笑)。
トマトの脇芽を育苗トマト、特に丈夫なミニトマトの場合は、種から苗を育てるより、脇芽から苗を育てる方が、何倍も楽で早いです。早い時期に買って植えたトマト苗から出た脇芽を、10cm位の大きさになったら斜め切りし、数時間水に刺して水揚げします。その後、大きな葉を切り落としてから、ポットに入れた土に埋めて、挿し木にします。日陰に置いて水をやり続ければ、2週間ほどで根を張り、1ヶ月もすれば立派な苗が出来ますよ(笑)。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
土壌特性は広く、ほとんど土質を選びません。ただし過湿は嫌うので、排水性の悪い圃場では、高畝にしたり、マルチを掛けましょう。
基肥は、前作で野菜を育てた土地なら、ほとんど不要です。土質改良のための牛糞堆肥くらいで十分です。実が付いてから、葉の色や実の成長具合を見ながら追肥しましょう。特に窒素分のやりすぎには注意が必要です。
【植え付け】
トマト苗は、一花咲いた頃が定植の適期。寒冷地では、遅霜の心配が少なくなる、ゴールデンウィーク明け頃です。一方、買った苗をそのころ定植すると、脇芽が取れるのは2~3週間後。その脇芽苗が定植できる様になるのは、さらに1月後の6月下旬頃。一花咲いてから定植するのは、幼苗の間は、小さいポットの中で根をイジメて、丈夫な苗を育てるためです。また、一番花がちゃんと着果すると、その後の実付も良くなるため、育苗中に強制受粉させる意図もあります。
トマト苗の植え方ポットから出した苗は、少し根を崩してから、下葉が地面につかない程度に、斜めに植えつけます。根を崩すのは、新しい発根を促すため。斜めに植えるのは、できるだけ茎を土の中に埋めることで、茎の付け根から新しい発根を促すためです。

 3.管理と収穫、保存

定植後の管理

トマトの脇芽かき定植後のトマトの管理は、草取りはもちろん、脇芽欠きと支柱への固定作業がメイン。しかし、これが意外と手間です(汗)。トマトの成長は、最初はゆっくりなのですが、実が着きだす頃から急速に早くなり、10本・20本と栽培すると、毎日のように芽欠きや支柱への固定作業をしなければなりません(汗)。

トマトの支柱の立て方トマトの支柱の立て方は、人それぞれです。私は最初、2畝の支柱を斜めに合わせて固定していました。この方法は、支柱が安定し、台風などで少々強い風が吹いても、倒れることがありません。しかし、脇芽欠きや収穫作業をするのには、不便です。そこで最近では、トマトの支柱は一本立てにしています。トマト苗一本に対して、一本の支柱を真っ直ぐに立てて、茎を誘引します。不安定極まりないとご心配かもしれませが、長めの支柱を雨上りの日に、男の力で思いっきり深く土中に刺し込めば、まず倒れることはありません!。ただし、正直なところ、台風の通り道になりやすい地域には、あまりお勧めできません(汗)。台風被害の少ない当地でも、何年かに一回くらいは、何本かの支柱が台風で倒されるからです・・・。

トマトの茎を支柱に誘引するには、百円ショップで買った麻ひもや、稲刈りに使うジュート紐(バインダー紐)が便利で、コストパフォーマンスに優れます。腐らないビニール紐などを使うと、撤去する際に大変です。ジュート紐はちょっと太すぎるので、私は撚ってある紐をばらして使っていますが、ますます安上がりで助かりますよ(笑)。

収穫

熟した実から順番に収穫します。店で売られているトマトは、若採りした実が多いですが、家庭菜園では完熟したトマトをいただきましょう(笑)。

採れ過ぎたミニトマトは、洗ってから水気をふき取り、ジップロックなどのフリーザーバッグに入れて冷凍保存すると、来年の収穫時期まで食べ続けることができます。我が家の冷凍庫は、冬にはミニトマトで一杯(笑)。朝の目玉焼きを作る際に、一緒にフライパンに入れて蓋をし、蒸し焼きにして頂いています!。


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