キュウリの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.キュウリ栽培のキモとコツ

キュウリとは

キュウリ(胡瓜)は、ウリ科キュウリ属のつる性一年草です。同じ兄弟となるキュウリ属の野菜には、メロンやシロウリ、マクワウリなどがあります。また、同じ親戚のウリ科の野菜には、スイカやカボチャ、ズッキーニ、ヒョウタン、ヘチマ、トウガン、ユウガオ、ニガウリ(ゴーヤー)などがあります。

キュウリの原産地はヒマラヤ山麓と言われており、紀元前4千年頃にはメソポタミアで盛んに栽培されていたそうです。日本にも聖徳太子の時代頃に伝わった様ですが、美味しいキュウリが市場に出回るようになったのは、江戸時代の末期の頃。

今や、夏祭りの縁日や花火大会の屋台では、一本漬けの冷やしきゅうりが大人気。また、冷やし中華や冷汁にも、キュウリは絶対欠かせません(笑)。しかしキュウリは、”最もカロリーが低い果実”としてギネスブックに載るほど、栄養価の低い野菜です。キュウリの実の95%は水分。水を飲んでいる様なものですが、その食感が暑さを癒してくれる、夏の食卓には欠かせない野菜です!。

【品種】
キュウリは盛んに品種改良が加えられ、世界では500もの品種が栽培されているそうですが、日本で売られているキュウリの種だけでも、30~40品種くらいはありそうです(汗)。そのほとんどが一代交配のF1品種ですが、地這胡瓜や地域の伝統野菜の中には固定種のキュウリもあります。
日本で栽培されているキュウリは大きく、”白イボ系”と”黒イボ系”に分けられますが、現在栽培されているキュウリの大半は、皮が薄くて食べやすい白イボ系の品種です。また、「節成・地這」と書かれたキュウリの種をよく見かけますが、”節成”(ふしなり)とは、親ツルの節ごとに雌花を付ける性質を示し、”地這”(じばい)とは、ツル性が弱く上に伸ばしてネット栽培するには誘引が必要な性質を示しています。キュウリやカボチャ、スイカやメロンなどウリ科の野菜は、昔は地面にツルを這わせて栽培するのが当たり前でしたが、そうすると栽培面積がどうしても広くなります。そこで、経済的に面積当たりの収穫量を増やすために、ツルを上に伸ばして立体的に栽培する、支柱ネット栽培が普及しました。一方、地這栽培の方が、支柱を立てたりネットを張る手間が不要になるので、少量栽培であれば簡単で楽です。しかし、地這品種だからネット栽培が出来ないとか、向かないというわけではなく、時々ツルをネットに絡ませてやれば、十分ネット栽培も可能です。
おすすめの品種は、キュウリはウドンコ病にかかりやすいので、耐病性の高い「夏すずみ」や、春から秋まで長い期間栽培できる「地這胡瓜(霜しらず)」など。
【連作障害】
キュウリを含むウリ科の野菜は、連作障害を起こしやすいので、2~3年はウリ科以外の野菜を栽培しましょう。難しい場合は、高いですが接ぎ木苗を買うか、少しでも耐病性の高い品種の種を買うことをおすすめします。
【病害虫】
一番発生しやすいのは、高温下でのウドンコ病。風通しが悪いと発生しやすくなるので、ネット栽培では下の方の脇芽や枯れだした葉をかいて、風通しをよくします。また、地這栽培では多湿によるベト病が発生することもあります。こちらも風通しを良くするために、ツルを伸ばし放題にせず、整枝と除草を心掛けましょう。
キュウリの害虫ウリハムシ一方、害虫の被害は少ないですが、ウリハムシが大量に飛来すると葉が穴だらけになってしまい、株の生育が滞ります(汗)。ハムシの動きが鈍い朝方に、手で捕まえて補殺するか、農薬の力を借りましょう。ウリハムシには、安くて便利な「マラソン乳剤」がおすすめ。使用制限は3回まで、収穫前日まで使うことが出来ます。

 2.種まきと定植

キュウリは、種を土に直接蒔く直播きでも、種をポットに蒔いて育てた苗や買ってきた苗を、畑に植え替えても、どちらでも栽培できます。また、栽培方法は、地這でもネット仕立ての何れでも栽培可能。家庭菜園で少量を栽培するだけなら、耐病性の高い接ぎ木苗を買ってきて定植し、ネット栽培するのがおすすめ。支柱を立てたりネットを張る手間はかかりますが、病気になりにくく、場所も取らず、管理や収穫も楽です。

一方、春まきから夏まきまで、長い期間に渡って収穫したい場合は、霜しらずなど栽培期間の長い品種の種を購入し、種から栽培するのがおすすめです。キュウリやスイカ、カボチャなどウリ科の種は比較的長命なので、使い切らなくても、数年間は使い回すことが出来ます!。

【気象環境】
発芽・生育適温は、20度~25度。10度以下の低温に合うと枯れてしまうので、苗を定植するのは遅霜の心配が無くなってからにします。また、キュウリは夏野菜の代名詞とも呼べる野菜ですが、ヒマラヤ山麓の原産らしく、実は夏の高温には弱いです。梅雨の頃には、採れ過ぎて処分に困るほどなのに、暑さが増してくると途端に収量が減り、それも曲がったり尻肥大した変形キュウリしか採れなくなってしまいます(汗)。追肥と水遣り、中耕しで土に酸素を送ってやり、株の元気を回復させるか、時間差で種を蒔いて、古い株が弱ってきたら新しい株に更新できるよう準備しておきます。
【播種の適期】
キュウリは、種を土に直接蒔く直播きでも、種をポットに蒔いて育てた苗や買ってきた苗を、畑に植え替えても、どちらでも栽培できます。ただし、露地栽培で直播きできるのは長野だと5月以降、収穫できる様になるのは7月以降になってしまいます。早くからキュウリを収穫したい場合には、3月中にポットに種まきをし、ビニールトンネルやビニールハウスなど保温下で育苗するか、5月に買ってきた苗を定植します。そうすると、6月中旬には収穫が始まります。
一方、遅くまでキュウリを収穫したい場合は、「霜しらず地這」など遅くまで栽培可能な品種の種を、夏に直播きします。長野だと、『お盆までにツルが伸びれば収穫できる』と言われており、遅くとも7月中旬までには蒔かなければ、いくら霜しらずでも生育しません(汗)。温暖地であれば、8月中旬くらいまで蒔けそうです。
なお、キュウリの種は嫌光性なので、厚めに土を被せます。直播きする場合は、地這栽培なら畑の広さに応じて3~5メートル以上離し、ネット栽培なら畝間1~1.5m、株間50cmに、数粒ずつ種を蒔きます。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
適性phは5.5~6ですが、酸性度も嫌うので、定植あるいは播種の2週間前に、石灰と堆肥を漉き込みます。
キュウリの根は浅根性で、過湿にも水枯れにも弱いため、畝を立ててマルチを掛けた方が、水遣りの管理が楽です。マルチをすると、降雨時の土の跳ね返りによる病気の予防にもなります。また地這栽培では、草除けにも、株の周りにワラを敷きましょう。もしワラを敷かない場合は、相当草取りを頑張らないと、後で大変なことになりますよ(汗)。
【植え付け】
キュウリ苗の定植本葉が4~5枚くらい出た頃が、定植の適期。キュウリの根は再生力が弱いので、なるべく根を傷めないように移植します。定植する株間は、50cm。2-3株を栽培するだけなら、一条植えにして支柱を一列の立て、ネットを張ることも出来ますが、どうしても不安定なので、土地さえあるなら地這で栽培した方が、支柱を立てる手間が省けて楽です。4株以上なら、畝間1~1.5メートルの2条植えにして、支柱を合掌式に立てるがおすすめ。
キュウリの支柱の立て方キュウリネット」は、一番安いのを買ってきても、この株数であればとても使い切りません(汗)。丁寧にほどいて、半分は来年用に取っておきましょう(笑)。
キュウリのコンパニオンプランツには、ニンニクやネギが合うそうです。キュウリ苗を植え付けする頃は、ちょうど長ネギの苗の定植時期と重なるので、余ったネギの苗を一緒に植え付けてあげましょう(笑)。ただし、ニンニクの定植時期は9月下旬以降なので、キュウリの栽培時期とはあまり重なりません。

 


 3.管理と収穫

管理

ツルが伸びてきたら、整枝します。ネット栽培の場合は、株元から30cmくらい上までの脇芽はかいて、風通しを確保します。その上の脇芽は放任で構いません。地這品種のキュウリは上へ伸びる力が弱いので、ツルを支柱に紐で縛ったり、ネットにツルを絡ませてやる必要があります。地這栽培の場合も、ツル同士が重なり合わないように、時々整枝してあげましょう。

追肥は2週間に1回。キュウリの根は浅く張るので、中耕はせずに草取りだけしましょう。

8月に入ると、株疲れを起こして、実付が途端に悪くなります。日照りが続くようなら、毎晩水遣りをし、1週間に1度くらいは液肥を与えてあげましょう。

 

収穫

6月中旬ころから収穫が始まりますが、最初のうちは実を大きくせず、小さいうちに収穫すると、株の成長が進みます。キュウリの収穫も、朝にするのがおすすめ。夕方になると、水分が減って、フニャフニャと元気のないキュウリになってしまいます。また、新鮮な朝のキュウリはイボも元気。素手で触ると、トゲが刺さるくらい新鮮なので、スーパーでしかキュウリを買ったことが無い人はご注意を!(笑)。

キュウリとナスで精霊馬の作り方収穫前期には、キュウリの尻尾の方が細くなる「尻こけ」した実になりやすいですが、これは肥料過多による草勢が強すぎるためで、実が沢山付くようになれば、そのうち収まってきます。逆に収穫後期になると、草勢が衰えて、尻尾の方だけ肥大した「尻太」の実や、曲がったキュウリが増えてきます。追肥と水遣りを兼ねて、即効性のある液肥も時々与えてあげましょう。ただし、お盆の前だけは、精霊馬を作るために、小さくて曲がったキュウリが成って欲しいです!(笑)。

 


▲ページTOPへ