ホウレンソウの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.ホウレンソウ栽培のキモとコツ

ホウレンソウとは

ホウレンソウ(法蓮草、ほうれん草)は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属の野菜です。”ヒユ科”なんて聞いたことが無いとウィキペディアで調べると、世界には70属800種もありますが、日本では5属10数種があるだけで、ほとんどが雑草だそうです…(汗)。私でも知っている花では、ケイトウ(鶏頭)やセンニチコウ(千日紅)など!。野菜としては、ホウレンソウの他には、オカヒジキが含まれる程度です。そんなホウレンソウは、根が赤いことから、赤根草とも呼ばれています。

ホウレンソウの原産地は、中東のイランの辺りとされていますが、定かにはなっていません。中世末期には、アラブ諸国からヨーロッパに伝わり、栽培が盛んになったようです。日本に渡来したのは、江戸時代の初期に中国から東洋種が伝わり、西洋種が持ち込まれたのは幕末から明治にかけての事ですが、西洋種はほとんど広まらなかったそうです。ホウレンソウが日本で広く栽培される様になったのは、大正末期から昭和初期にかけてで、東洋種と西洋種の交配品種が作られたことによります。現在、日本で栽培されているホウレンソウの品種の多くは、西洋種に東洋種の交雑固定種か、西洋種と東洋種の一代雑種(F1)です。

【品種】
ホウレンソウの品種としては、大きくは、葉が丸みを帯びている西洋種と、葉に切り込みが多い東洋種に大別されますが、現在日本で栽培されているホウレンソウは、西洋種と東洋種の交雑固定種(在来種)か、両者の一代雑種(F1)ばかりです。東洋種のホウレンソウのタネは、三角形で先端が針のように尖っているのが特徴で、西洋種のタネは丸いのが特徴ですが、今日本で手に入るホウレンソウのタネの多くは、丸い形をしています。一般的に、東洋系品種(在来種)はトウ立ちが早いので秋まきに向き、逆に春まきにはトウ立ちの遅い晩抽性の西洋系品種が向いているとされますが、今や東洋種か西洋種かを分けるのには、ムリがあります…(汗)。それよりは、用途や食味によって、違いを分類した方が手っ取り早いです!。
日本人に昔から好まれてきたホウレンソウは、東洋系の在来種と西洋種から誕生した固定種の”日本ほうれん草”と呼ばれる種類で、「やまと」や「次郎丸」、「豊葉(ほうよう)」などが代表的です。栽培しやすさでは、草勢旺盛でべと病に強い「オーライ」や「強力オーライ」がオススメ。最近では、アクが少なくてサラダでも美味しく食べられる、「サラダほうれん草」と呼ばれる種類のホウレンソウも人気です。
私的には、秋まき用で冬に甘く美味しくなる、葉が縮れたホウレンソウが大好きで、「寒味(かんあじ)」(トキタ種苗)といった品種のほかに、「ちぢみほうれん草」とか「ちりめん法蓮草」といった名前でタネが売られています。
【連作障害】
連作障害は少ないとされますが、連作しすぎると立ち枯れ病が発生します。出来るだけ輪作しましょう。ホウレンソウは、ユリ科のネギやタマネギを栽培した後に育てると、育ちが良いと言われています。
【病害虫】
害虫はほとんど発生しませんが、高温・湿潤には弱く、ホウレンソウのみを侵す「ホウレンソウべと病」の発生がよく知られています。風に運ばれた糸状菌(かび)がホウレンソウの葉に付き、水滴があると発芽して葉の組織の中に侵入します。べと病に侵されると、葉の一部が黄変したり茶褐色の病斑が発生し、やがて枯死してしまいます…(汗)。
排水性のよい有機質に富んだ土づくりを目指すと同時に、梅雨から夏にかけて栽培する場合は、耐暑性と耐病性に優れた品種を選んで栽培するようにします。

 2.種まき

発芽・生育適温は15度~20度で、冷涼な気候を好みます。耐寒性は極めて強く、雪の下はもちろん、マイナス10度以下になる長野の冬にもよく耐えて、年内に大きな苗に育ってしまえば、春先には寒さで甘みが増した、美味しい”雪下ほうれん草”が収穫できますよ!。特に、縮み(ちりめん)葉のホウレンソウは、寒さで甘みがよく増します。逆に、暑さには弱く、25度以上で発芽すると、トウ立ちしやすく、病気にもかかり易くなります。そのため、ホウレンソウの種まきは、3月から5月の春と、9月から10月の秋が適期とされていますが、品種を選んで上手に発芽させれば、一年を通じて長い期間、収穫を楽しむことが出来る野菜です。

【気象環境】
生育適温は15度~20度で、冷涼な気候を好みます。逆に、25度以上の高温と、強い日差しを嫌います。
【播種の適期】
元々は、寒さに強い冬野菜の代表格で、秋まき栽培が一番適しています。平均気温が5度以下に下がる頃までに収穫可能な株に育てば、後は冬の寒さや雪にも耐えて越冬するので、翌春まで食べ続けることが出来ます。冬のホウレンソウは、寒さに当たることで、翌春の抽苔に備えて葉に養分を蓄えるため、より甘みが増すと言われています。
なお、播種から収穫までは約2ヶ月なので、春まきでも暑くなる時期までは収穫可能です。夏栽培は病気にかかりやすいので、あまりオススメできません(汗)。夏に栽培する場合は、耐暑性があり病気に強い「ジャスティス」(サカタ交配)などの品種を選ぶ様にしてください。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
酸性土壌では生育不良となるため、石灰は他の野菜より多めに施しましょう。ホウレンソウが良く育つ畑ほど、よい土だと言われています。有機質の堆肥をたっぷり鋤き込み、肥えた土づくりを目指しましょう!(笑)。
【種まき】
ホウレンソウは直根性の野菜なので、種を畑に直接蒔く、直播き栽培で育てます。また、発芽率がそれほど高くないため、沢山種を蒔いて、間引きながら育てます。特に、気温が25度以上になると発芽し難くいため、夏場ではタネを一晩水に浸け、その後2日間ほど冷蔵庫に入れて休眠打破してやると、発芽が揃いやすくなります。
畝を立てたら、条間20cm間隔に、深さ5mm~1cm程度の”蒔き溝”を掘ります。細い角材や、薄い木板の背を土に押しつけると、真っ直ぐの深さが揃った蒔き溝が作れます!。その蒔き溝に、たっぷり灌水した後、2cmくらいの間隔でホウレンソウの種を筋蒔きします。間隔は適当で構いませんが、沢山蒔くと間引きが手間ですし、少ないと発芽数が足りなくなる可能性もあります(汗)。覆土厚は薄めにし、上から軽く鎮圧します。土の代わりに、発酵鶏糞を種に直接かけると、乾燥防止にもなって便利です。なお、2週間くらい間を開けて時間差で種を蒔くと、長い期間収穫を続けることが出来ますよ(笑)。

 3.管理と収穫

管理

本葉が広がり隣り合う株の葉が混み出したら、間引きを始めます。最終的に、株間10cmくらいまで間引きます。結構密植させても育ちますが、株の姿形が立性になります。逆に株間を広く取ると、伏性になり葉を広げます。

また、草が生えてきたら、草取りしてから発酵鶏糞を追肥し、中耕しておきます。ほうれん草は比較的肥料食いで、肥料(窒素等)が足りないと葉の緑が濃くなりません。葉の色が薄いなと感じたら、窒素分の多い化成肥料や苦土石灰を追肥します。ただし、多すぎても病気になりやすいので、長雨が続く場合などは、液肥を一度与えて様子を見ましょう。

ほうれん草は、比較的病気にもかかりやすい野菜です。我が家の様な水はけの悪い粘土質の畑で、春の長雨や秋の長雨に当たってしまうと、萎凋病やべと病が発生しやすいです。私は生育期間中に1~2度、予防と治療を兼ねて、必ず殺菌剤を撒くようにしています。


収穫

草丈が20cmくらいになったら、収穫可能です。一斉に収穫期を迎えるため、少し早めに収穫を始めても構いません!。

葉を持って根を引き抜こうとすると、葉を痛めるため、鎌で根を切って、1株ずつ丁寧に収穫しましょう(笑)。


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