ニンニクの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.ニンニク栽培のキモとコツ

ニンニクとは

ニンニク(大蒜、葫)は、ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、球根(鱗茎)を香辛料として用います。なお、「ジャンボニンニク」(無臭ニンニク、エレファントガーリックとも呼ばれている種類)は、ニンニクとルーツは似ていますが、学術分類上はリーキに分類され、ニンニクとは違う種だそうです。お間違えなく(汗)。

【品種】
早生・晩生、球の大小、寒冷地向き・暖地向きと品種は幾つかありますが、それほど多くはありません。そもそも、以前から家庭菜園をしている多くの家は、その年に収穫したニンニクの鱗片を秋に植えることで、長年栽培を繰り返しているので、今となっては何の品種か分からないのが実情かと(汗)。とは言え、最近では”黒にんにく”ブームにあやかって、「(福地)ホワイト六片」が大人気。ただし、青森県のような寒冷地でないと上手く栽培できません。暖地では、「上海早生」が作りやすく人気のようです。私もブームにあやかろうと、昨年からホワイト六片を買ってきて育ててみましたが、6倍になるだろうと目論んだものの、粘土質で水はけの悪い我が家の畑では、幾つか傷んでしまい、その半分ほどしか収穫できませんでした(汗)。しかし、ホワイト六片の種球は、他のニンニクの種に比べてとても高価で、そう簡単には諦められません。そこで今年は、超高畝にすることで、さらなる収穫増を狙って、再チャレンジ!。
【連作障害】
ほとんど影響ありません。
【病害虫】
ニンニクのさび病病害虫による影響は受け難く、品種と土壌が適合すれば、比較的容易に育てることが出来る野菜です。しかし、粘土質で水はけが良くない我が家の畑では、4~5月の暖かくなってきた頃に、「春腐病」(葉枯れ病、軟腐病なども)や、「さび病」(赤さび病)が発生しがちです。
春腐病は、土中にいる病原菌が傷口などから侵入することで発生します。近年、ニンニクでの発生が顕著になっていますが、他にもタマネギやネギ、レタス、ハクサイなどでも発生します。最初は葉に病斑が発生しますが、放っておくと、やがて鱗茎部も軟化し腐敗してしまいます。さらに、貯蔵期間中にも発生するというから厄介です(汗)。春腐病が発生した株は、伝染源にならない様に、できるだけ早く圃場外へ処分した方が無難です。そのため、発生しやすい畑では、防除(予防対策)が必要です。春腐病の防除には、播種時期から収穫期まで定期的に、「Zボルドー」や「コサイド3000」など、無機銅系の殺菌剤を散布する必要があります。
さび病は、窒素分が多い圃場で発生しやすいとされ、近くで栽培している長ネギやタマネギからも感染したりします。病気が発生してしまったら、殺菌剤に頼るしかありません。ニンニクのさび病には、「アミスター20フロアブル」が効くそうですが、いかんせん高い(汗)。家庭菜園ではさすがに手が出ず、私は定番の殺菌剤「ダコ二ール1000」を何回か使用して乗り切っています(笑)。また、水はけが悪い場所だと、収穫まぎわに球根部が腐敗してしまうことがあります。害虫としては、アブラムシやハダニが付くことがありますが、早めに対処すれば、大きな被害に繋がるようなことはありません。

 2.植え付け

冷涼な気候を好むニンニクは、秋に植え付けて、翌年の春から初夏に収穫となります。春になるとトウが立ち、花を咲かせますが、種(種子)はまず採れません。球根部分を1つずつ鱗片(りんぺん)に分け、それを種球として植えて、栽培します。


【気象環境】
発芽適温は22~23度、生育適温は15~20度。冷涼で、日照を好みます。
耐寒性はさほど高くはありませんが、寒冷地向きの品種であれば、北海道でも栽培されていますので、相当の低温には耐えられます。ただし、耐暑性は低く、25度以上で生育は停止してしまいます。
【播種の適期】
ニンニクの種球を植え付ける適期は、品種にもよりますが、最高気温が生育に影響を及ぼす25度を上回らなくなってくる時期が、ひとつの目安となります。長野くらいの寒冷地では9月下旬、関東では10月中旬ごろ。関東以南では、暖地向きの品種を選び、やはり10月上旬~中旬くらいまでに植え付けます。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
排水性・保水性がよく、有機質に富んだ深土を好みます。栽培には長い期間を要する野菜なので、植え付け前には堆肥を鋤き込み、できるだけ深くまで、よく耕しておきましょう。
ニンニク栽培に適した土壌酸度(適正pH)は 5.5~6.0と、ジャガイモやサツマイモ、ショウガと並んで、野菜の中では比較的弱酸性土を好みます。土壌酸度計(PH測定器)があると便利ですが、普段から野菜を作っている畑であれば、石灰の投入量は、他の野菜づくりに比べて控え目にします。
畝立ては、一条植えなら30cm幅、二条植えなら 50~60cm幅、三条植え(千鳥)なら 70~80cm幅の畝幅にします。草取りをする場合のことを考えると、畝幅は狭い方がいいですが、マルチをするなら草取りがほぼ不要になるので、マルチの幅まで広げられます。畝の高さは10cm位が基本ですが、水はけの悪い畑では、春の長雨の時期などに、春腐病(軟腐病)が発生しやすくなるので、できるだけ高畝にしましょう!。
保水性を好むので、雑草除けにマルチしても構いませんが、葉を茂らせる野菜ではないので、草取り作業はさほど大変ではありません。ただし、極寒地では保温対策としてマルチを使います。
【植え付け】
ニンニクは植え付けてから発芽するまで2週間前後と時間がかかり、なかなか発芽時期が揃いません。そこで、植え付ける前日に、水を張ったトレイにニンニクの鱗片を入れて、一晩浸け置きしてから植えると、発芽も早く、発芽時期が揃います。ただし今年は、植え付けた翌日から1週間も雨と曇の日が続いたことで、7日目には半分以上が、そして10日目には水に浸けた種球も浸けなかった種球も関係なく、植えた種球100%全部が発芽しました!。こんな年は初めてです(笑)。
ニンニクを植え付ける株間・条間植え付ける間隔は、株間 15~20cm、条間は約20cm。穴あきマルチを使う場合はタマネギ栽培用のマルチ(穴の間隔15cm、95cm幅×5列なら規格【9515】)を使いまわすと安価で助かりますね(笑)。少し株間が狭くて球の肥大化が心配と感じた場合には、適宜間引いて株間を調整しましょう。
種球から鱗片(小球)を1つずつ外して、植え付けします。大きい鱗片も、小さな鱗片も、1ヶ所に1個。あまり小さな鱗片は、植えずに捨てます(無消毒の自家採種したニンニクなら、食用に回しても構いません)。鱗片の周りの薄皮は、剥いてはいけません。付けたまま植えて下さい
と、ずっと当たり前の様に思い込んでいたのですが、なんと『ニンニクのつるつる植え』なる方法があるそうです!。薄皮は剥いて植えることで、二回りも大きく育つとか。さらに小さな種球は、2球をまとめて植えると、助け合って根を伸ばすことで、逆に大きな球が収穫できるそうです。種球を接して植えても、変形もしないそうです。今年は、それぞれの方法で半分ずつ植えてみて、どっちが良いか、その違いと成果を確認してみたいと思います!。
ニンニクの天地を間違えないように、発根部を下にして、土に埋めます。植え付ける深さは、覆土の厚さが3~5cm。柔らかい土であれば、頭を指先で押しながら、指の第二関節が土の表面に達するくらいの深さです。土が硬い場合は、ニンニクを直接土に押し込むと球を傷めてしまうので、移植ごてで深さ8cmくらいの穴を掘り、ニンニクを置いてから土をかけます。
植えてから芽が出るまでの日数は、覆土の厚さにもよりますが、早い品種でも、10日から2週間ほど掛かります。播種時期が合わなかったりして遅いと、3週間から1ヶ月近くも掛かってしまうことがあります。一方、一晩水に浸けてから植えると、早いものでは1週間ほどで発芽し始めます。

 3.育て方

ニンニクの芽雑草除けや寒さ除けに、黒マルチを使用する人も多いですが、我が家の畑は粘土質で水はけが悪いので、マルチはしません。葉が茂る野菜ではないので、中耕を兼ねて鍬を入れれば、草取り作業はさほど大変ではありません。その代わり、多少は雑草除けになると、植え付けと同時に、畝には籾殻を撒いています。

種球を植え付けてから、10日から15日ほどで芽が出始めます。以前から代々作ってきた我が家のニンニクと、昨年買ったホワイト六片の種球を、同じ9月末に、同じように植えたのですが、ホワイト六片の方が、芽が出てくるのが10日から2週間も遅くなりました。ホワイト六片の植え付けは、嘉定種より10日くらいは遅らせた方が良さそうです。


【追肥】
追肥は、植え付け後に1回、早春に1回、合計2回行います。苗の生育状況を見ながら、株元に、軽く鶏糞などを撒いてあげましょう。
【脇芽かき】
1つの鱗片を植えたのに、1ヶ所から2本以上の茎(脇芽)が出てくることがあります。脇芽が出てきたら、早めにかき取りましょう。太く大きい茎の根元を押さえながら、細い方の脇芽を指で挟んで引っ張り、抜き取ります。
【ニンニクの芽】
ニンニクの芽春になると、トウ立ちする株が出てきます。トウが立ち、花が咲くと、株が弱ってしまうので、摘んでしまいます。しかし、このトウ立ちした茎が、中華料理でよく出てくる、「ニンニクの芽(茎)」になります。あまり早々とは摘まずに、花殻になる膨らんだ部分が葉より高くなるくらいまで伸びてきたら切り取り、美味しく頂いてしまいましょう。中には、トウ立ちが遅れて、芽が伸びずに短い状態で花が咲き出す株もありますが、それはニンニクの芽として食べるのは諦めて、さっさと摘んでしまいます(汗)。

我が家の畑は粘土質で水捌けが悪く、湿気がちなせいか、ニンニクの生育が加速する4月~5月頃になって、腐って枯れる株がチラホラ現れます…。赤カビ病などの病気が発生することもあります。そこで、よく株を観察をしてみると、外葉が枯れて、それが腐って、病原菌の巣窟と化している様です(汗)。そういえば、離れて暮らす伯母さんから、ネギの枯れ葉は取り除いて、株から離して処分するように教わった覚えがあります!。そこでニンニクも、株の周りで枯れて腐りかけている枯れ葉を、手で取り除いて処分することにしました!。なかなか骨の折れる作業ですが、これで痛みかけていたニンニクが復活するのであれば、それに越したことはありません!(笑)。

ニンニクの枯れ葉処理


収穫

ニンニクの収穫時期は、5月下旬から6月下旬。長野盆地にある我が家では、毎年6月10日~15日前後に収穫していますが、ちょうど梅雨入りの時期(平年は6月7日)と重なるため、6月に入ったら、十日間天気予報とにらめっこです(笑)。

ニンニクの収穫サイン(収穫適期)は、葉が半分ほど枯れてきたらと言われますが、『葉の半分ほどって、どれくらいよ?』と、外見で収穫時期を見極めるのは、素人には難しすぎます…(汗)。そこで、次なる収穫適期の目安ですが、ニンニクの芽を収穫してから、だいたい2~3週間後が良い頃合いです!。まずは、一番大きな株から試し掘りをしてみて、ニンニクのお尻と根っこの付け根の部分が平らになるまで十分肥大していたら、収穫を開始します。お尻の部分が丸い様だと、まだ肥大化が足りず、逆に収穫が遅れて大きくなり過ぎると、球が割れてしまいます。収穫可能であれば、天気が晴れの日が続く頃を見計らって、収穫します。少なくとも3~4日間晴れて、土が乾いている状態の時に収穫し、収穫後は畑で2日間ほど乾かしたいところです。しかし、ニンニクの収穫時期は、ちょうど梅雨入りの時期と重なるため、晴れ間が続く週はとても貴重です!。

ニンニクの収穫

収穫したニンニクは、すぐに根を切り、そのまま畑で2~3日間乾かします。日中の陽射しが強い時には、ゴザなどを掛けて日焼け予防をしましょう!。よく乾いたら、土や汚れた皮を剥ぎ、葉先を切り取って、タマネギと同様に茎の部分を束ねるか、ネットに入れて、日陰で風通しの良い軒下などに吊るして貯蔵します。

黒ニンニク作り

我が家では、生で食べる用に少し残して、後は大量に、黒ニンニクを作ります!。しかし、黒ニンニクにするにも、収穫後、最低でも1か月間は吊るして、乾燥させた後の方が良いらしいです。黒ニンニクの作り方は、時間は掛かりますが、とても簡単。要らなくなった炊飯器に、キッチンペーパーを敷き、その中にニンニクを入れて、保温の状態で約2~3週間。2日に1度、中のニンニクを天地返ししてあげます。なお、今どきの炊飯器は、2-3日で自動的にスイッチが切れてしまうので、時々スイッチが入っているか、確認しましょう。炊飯器の保温温度や時期によって出来具合が異なるので、2週間経ったら、1欠片外して食べてみます。ツヤのある飴色から茶褐色に黒変し、適度な弾力が残り、食べてみて甘く感じれば出来上がり!。日が浅いと水分が多くヌルヌルした食感で、日を置きすぎると水分が抜けて固くなります。出来た黒ニンニクは、冷蔵庫で保存すれば、私の経験だと、半年間くらいは食べ続けられます。冷凍すれば1年も持つらしいので、来年はもっと沢山の量を作ってみようかと(笑)。黒ニンニクなら、臭いもなく、人に迷惑をかけることも無く、毎日ニンニクが美味しく食べられますよ。炊飯器で作るのは手間が掛かるので、私なんぞ、専用の「黒にんにくメーカー」を買おうかと、思案中です…(笑)。

なお、大きな球から順番に食べてしまってはいけません。むしろ大きな球ほど、次に植える種球として、必要な数だけ別にして、保存しておきましょう(笑)。ちなみに、小さいニンニクを種球に使わざるを得ない場合は、1か所に2球を並べて植え付けます。すると、隣り合うニンニクが競い合って成長するので、1球ずつ植えた場合より大きく成長するそうですよ!?(笑)。

 


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