イチゴの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.イチゴ栽培のキモとコツ

イチゴとは

イチゴは(苺)は、バラ科の多年草です。甘いイチゴは、食べる側(消費者)からすれば基本的にフルーツであり、スーパーでも果物の棚で売られていますので、流通市場では「果物」として扱われることが多いですが、細かいことを言うと、生産者側の立場としては、狭義には”木”に成る甘い実を「果物」と言うらしく、イチゴは木ではなく草の形態の植物なので、イチゴは「野菜」として生産されています(汗)。同じくスイカやメロンも、生産者側からすれば野菜であり、消費者側からすれば果物!。何れにせよ、果物と野菜の定義はあいまいで、どちらも間違いとまでは言えない様です…。

イチゴの実また、だとばかり思い込んで食べていた、あの赤い食用している部分は、花托(かたく)と呼ばれる偽果(ぎか)で、の一部に当たるそうです。じゃあ、実はどこにあるのかと言うと、その花托の周りに付いている種のようなブツブツした一つ一つ(痩果)で、種はさらにその中に入っているんだとか…。
イチゴの実リンゴやナシも、普段私達が食べている部分は偽果にあたり、食べずに捨てている芯の部分が、本当の果実に当るそうです。へぇ~、ビックリ!。


【品種】
イチゴは、人気の果物(野菜)で、最近は海外にまで輸出されるほどの高級品種も作られるようになり、かつ生食用だけでなく加工用もあって、品種の数はとても多く、更に品種改良で新しい品種もどんどん誕生しています。市場に流通するイチゴは、ほとんどがハウス栽培で、それもクリスマスシーズンに合わせて冬に出荷されるものが多いですが、本来は主に5月から6月ごろに収穫期を迎える野菜です。
しかし、露地栽培で素人が育てるとなると、ハウス物で人気の品種は病害虫に弱く、栽培するのは至難の業。でも、甘くて、大きくて、まっ赤なイチゴを収穫したい!(笑)。そこで大切なのが、品種選びです。私が家庭菜園での栽培でおすすめする品種は、作り易さでは、定番品種の「宝交早生」。味と甘さでは、「とよのか」と「章姫(あきひめ)」。何れも人気品種なので、苗はホームセンター等で入手しやすいです。とくに章姫の甘みは格別です!。私は酸味が感じられるイチゴが好きなので、「女峰」がイチ押しです!(笑)。
しかし最近は、トマト同様に、酸味と甘みのバランスや色形の良いイチゴが市場ウケするため、こうした従来からある人気品種をさらに掛け合わせた新品種が、どんどん誕生しています。代表的なのが、東の「女峰」と西の「とよのか」という2大ブランドを交配してさらに「栃の峰」を掛け合わせた、「とちおとめ」。寒い地域限定になりますが、「女峰」と「とよのか」に「ベルルージュ」を掛け合わせて新潟県で開発された「越後姫」も、甘みが強くてジューシーで、私も大好きなイチゴですが、いかんせん実が着かず、栽培が難しいのが難点です…(汗)。
そこで、最近の品種の中で私がおすすめしたいのは、「紅ほっぺ」。実は大きく味も良く、多収で丈夫なので栽培も楽で、実に家庭栽培に適したイチゴです!
なお、ここに挙げた品種をはじめ、ホームセンター等で売られているイチゴ苗のほとんどが、冬から春にかけて、特定の短い期間だけ収穫できる、一季(いっき)成り性品種です。一季成り以外にも、夏から秋にかけて長期間収穫できる四季成り性品種のイチゴもありますが、こうした夏季成りのイチゴは一季成りに比べ品質がイマイチで、あまり多くは栽培されていません。
【連作障害】
同じ場所で栽培することによる影響は、あまり無いとされます。ただし、植えっぱなしでは、よいイチゴは収穫できません。今年収穫した株にも、翌年またイチゴは成りますが、株は劣化して収穫量が落ちますし、鳥も突っつかないほど甘みも出ません(笑)。
【病害虫】
病気では、葉がしおれて株が痩せて枯れてしまう「根腐病」や、葉の1枚が黄変し、徐々に下葉から枯れ出す「萎黄病」、葉にブツブツとした灰白色の目玉の様な病斑を沢山発生させる「じゃのめ病」などが、よく発生します。ただし、病気で枯れてしまうようなことは滅多に無いので、私はイチゴに殺菌剤などは使ったことはありません。とは言え、100株以上は植えているので、様子がおかしな弱った株は、早めに抜いて処分するようにしています。少しの株しか育てていない人は、殺菌剤を用いるのが賢明でしょう。
害虫では、ハダニやアブラムシの被害が多いようですが、私は年に何回か農薬を散布しているからか、これまでに目立った被害を受けたことはありません。それより時々、小さな毛虫(ナシケンモンの幼虫)の大群の発生に悩まされることがあります。でも、発生初期の一塊に集まっている時期に、マラソン(園芸用殺虫剤)の集中砲火を浴びせることで、駆除できます。

 2.苗取りと定植

子株作り

イチゴは、1株から何本もの「ランナー」と呼ばれる”走りづる”(弦)が伸び、その先から葉と根が出て、しばらくすると子株へと成長します。すると、その子株からまたランナーが何本か伸びて、さらに孫株が育ち、さらにその先には、ひ孫株が出来ます。

このランナーを伸ばすと、親株は子株に栄養を取られてしまうので、イチゴの収穫が済むまでは、芽を出したランナーは、小さいうちに摘んでしまいます。しかし、収穫が終わった6月以降は、このランナーを伸ばして、来年栽培するためのイチゴの苗を育てます。その苗を、秋に定植(植え付け)し、翌春にまたイチゴを成らせ収穫するのが、イチゴ栽培の基本ローテーションです。

イチゴの収穫が終わったら、良い実を成らせた株を覚えておいて、必要な数の苗が取れる分だけ株を残し、要らない株は抜いて間引き、苗作りに必要なスペースを確保します。ランナーが伸びてきたら、その空けたスペースにキレイに納まるように、時々ランナーの向きを調整します。併せて、草取りを兼ねて中耕しておきましょう。

数えたことはありませんが、秋の定植時期の苗取りをする頃には、1つの親株から5~6株くらいの子株が育ち、1つの子株の先に2~3株くらいの孫株が出来、さらに1~2株のひ孫・玄孫(やしゃご)株が出来ています。もっと増やそうと思えば増やせるかもしれませんが、親株から放射状に伸ばしても、スペースが限られるので、これくらいが限界かと(汗)。ただし、弱ってしまった親株と、その頃には大きく成長しすぎている子株は使わずに、孫株やひ孫株、玄孫株の中から、クラウン(葉が出ている苗の中心部分)が太く、本葉が3~4枚付いたちょうどいい大きさの株を、苗として使います。すると、1本の親株から、20~30株くらいの苗が採れます。以前、購入した紅ほっぺの苗4株から、翌年には70株の苗が取れました。1株あたり、約18苗になります。なお、夏前に苗をポット上げして、定植までポットで育苗する方法もありますが、その時期だと採れる苗の数は、1本の親株から多くても十数株といったところでしょうか。

イチゴの子株の苗取り

育苗

7月くらいになると、ランナーはどんどん伸びて、ひ孫株も育ってきます。イチゴ苗の育て方には、この時期にランナーを切り離し、苗をポット上げして育苗する方法と、そのまま露地で子株苗を大きく育てる方法の、2通りあります。ハウス栽培で、年内収穫や早採りする農家では、通常は9月末ごろになるイチゴ苗の花芽分化を、苗を冷やしたりすることで早めるために、苗をポット上げする必要がありますが、家庭菜園でイチゴを育てる場合は、どちらの方法でも構いません。

イチゴの苗のポット受けポット上げした方が、病気や防虫管理の目が届き、草取りの手間もかからず、畑が早く片付くことで、別な野菜を栽培できるメリットがあります。その代わり、定植までの3ヶ月間も続く水遣りの手間が大変です(汗)。
一方、そのまま畑で苗を育てると、水遣りの心配がほとんど無い代わりに、今度は3か月間もの間の草取りの手間が大変です(汗)。草を伸ばし過ぎると、株の育ちは悪くなるし、病気や害虫の被害も多発します…。

私は、過去に一度ポット上げをしたところ、やはり水遣りが面倒になり、翌年は畑でそのまま育苗して、定植時に苗取りをすることにしました。しかし、今度は草取りが面倒になり、その翌年は草取りを放ったらかしにしておいたら、草に負けて、イチゴの株をほとんど枯らしてしまいました…(汗)。それで次は、またポット上げすることに…。毎年、行ったり来たりしながら苗取りをしていますが、どっちもどっちですね(笑)。

ポット上げする場合は、ランナーが伸びてきたら、その先に土を入れたポットを置き、苗をポットで受けてしまう方法もあります。これなら、苗を掘り起こす際に根を傷つけずに済み、より元気で丈夫な苗が育てられます。ただし、草取りの他に水やりも必要になるので、手間は更に増えることになりますが…(汗)。

 

苗の取り方

ランナーから苗を取る方法には、露地で苗をポット受けする方法の他にも、「挿し穂」といった方法もあります。どの方法が一番簡単か、いろいろ試してみましょう!(笑)。

①苗のポット上げ

畑でランナーを伸ばし、根が生えて土に活着した苗を掘り上げて、ポットの土に埋め直して「ポット上げ」をする、一番オーソドックスな方法です。

ひ孫株からランナーが伸びて、その先の玄孫株が育ち始める頃になると、孫株にはしっかりした根が生え、ひ孫株にも短い根が生え出しています。その頃に、孫株とひ孫株の前後のランナーを切り離して、この二つの株をポット上げします。もう少し待てば、玄孫株にも根が生えます(笑)。

②ポット受け‐その1

ゼムクリップを曲げて土に挿してランナーを押さえる方法畑で伸びたランナーの先に、培土を入れたポットを置き、ポットの中に根を張らせます。孫株とひ孫株ともに根が生えて、苗がポット内に活着したら、前後のランナーを切り離して、ポット上げします。

ランナーを切らずに、そのまま畑に置いておいて、玄孫株までポット受けしても構いませんが、その間の草取りと、畑に散在するポットへの水やりが大変になります…(汗)。

ゼムクリップを曲げるちなみに、ランナーの先に出来た苗を上手にポットの土に当ててやらないと活着しないため、針金やゼムクリップ等を曲げて土に挿し、ランナーの先を押さえる方法もあります。しかし、金属片を畑に持ち込むのは抵抗がありますし、苗が大きくなりランナーが持ち上がると、すぐに押さえていた金具も抜けてしまいます(汗)。むしろ、ポットの位置や向きを上手に調節してあげれば、ちゃんと苗はポットの中に納まり、自然と根を張ってくれますよ!。

③ポット受け‐その2

ポットを地面に置いたままだと、ポット上げするまでの間、畑でのポットへの水やりが必須になります…。

そこで、苗を受けるポットを、単に地面に置くのではなく、大半を土の中に埋めてしまうことで、水やりの手間はだいぶ軽減されます(笑)。これだったら、草取りと、たまに水やりをするだけで、ランナーを切ってポット上げしなくても、秋の定植時まで、その状態で畑に置いたまま、育苗することができます!。

④挿し穂

挿し穂用の苗根が生えるまで丁寧に草取りをするのは面倒だという人は、ある程度まで孫株が大きくなったら、根が生えていなくてもランナーを切り離し、ポットに”挿し木”ならぬ「挿し穂」してしまいましょう!。

イチゴの苗は思いのほか丈夫で、まだ根が生えていない小さな苗をランナーから切り離し、大きな葉を切り、小さな葉を1枚程度残してポットの土に浅植えして、日陰で一週間も水やりを続けると、なんと根を生やし、数週間後には立派な苗に育ってくれます!。

挿し木と同様に、ランナーから切り離した苗を1~2時間ほど水に浸けてやると、発根が促されるそうです。ただし、病気の株から他の株に病気が移らないように、水は適宜取り換えた方が良いらしいです。私は面倒なのでそのまま植えていますが、特に問題なく発根していますよ(笑)。

ポット上げした苗の管理

イチゴ苗の育苗ポット上げした苗は、しっかり活着するまで1週間くらい、日陰で管理します。しかし苗も、光合成をしないと成長しないため、活着したら早めに日に当ててあげますが、夏の強い日差しは強すぎるため、日中は寒冷紗などを掛けて遮光するか、日陰に移動してあげましょう!。移動させるのが面倒な私は、午前中のみ陽が当たり、午後から日陰になる場所(畑小屋の脇)に置いています。

土を乾燥させないように、最低でも一日1回は灌水が必要です。しかし、葉の上から水を掛けると病気になりやすいので、できれば葉に水が掛からない様に、ポットの土に直接水を注ぐようにします。そのため、雨の時にも、できれば屋根の下に移動させる方が望ましいですが、毎日の水やりに、夏の日中は遮光をし、雨が降る時には屋根の下に入れていたのでは、手間が掛かり過ぎて大変です(汗)。そこで、どうしても味より、病気に強く栽培しやすい品種を選びたいところです…。

ポット上げから1ヶ月もすると、根も株もしっかりしますが、暑い盛りの8月中は、イチゴ苗の成長は停滞します。9月になって涼しくなると、再びポット上げした苗は成長を始めます。そこで、クラウン部を肥大させるために、古い葉は取って、常に若い葉を3枚だけ残すように、「葉かき」をしてあげましょう。クラウンから新葉が頭を出したら、古い葉を1枚摘みます。すると『あ~ら不思議』、新葉が急速に開きます。

畝立て

イチゴの定植時期は、長野だと10月中旬から下旬。ただし、ポット苗の成長が著しく、根がポットの中で張り過ぎてもよくないので、底穴から飛び出す根の状況を見て早めに植えても構いませんが、その後の草取りが大変になります(汗)。定植の1~2週間前に施肥をし、高さ10~15cmの畝を立てておきます。

イチゴは、排水性のよい肥沃で深土を好むので、堆肥を施してから深めに耕し畝を立て、条間・株間とも30cm間隔で苗を植え付けます。2条植えで、畝幅60cmとすると、ちょうど90cm幅のマルチが使えますが、収穫時期に防鳥網を掛けることを考慮すると、出来るだけ畝幅は狭めた方が楽です。そのため、私は最近、1畝で千鳥の3条植えにしています。マルチの裾は、別に土に埋めなくてもいいかな程度で…(汗)。

基肥(元肥)には、イチゴ専用の肥料も売られていますが、私は昨年から、骨粉を加えるようにしています。野菜の実を育てるには、リン酸分が欠かせませんが、骨粉にはリン酸成分が豊富に含まれています。ただし、安い化成の「ようりん」は、あまり使いたくありません(汗)。「骨粉入り油粕」もありますが、安い肥料だと油粕のチッソ分が多く含まれているため、使いすぎると徒長する心配もあります。私は、リン酸成分が20%以上入っているような単肥の「蒸製骨粉」が、最もコストパフォーマンスが良いかなと思って使っています。

イチゴの栽培シーズン

 

【気象環境】
生育適温は、15~25度。冷涼・温和で、日照を好みます。
寒さには強いですが、10度以下になると生育は止まります。秋に定植して、露地でそのまま越冬させますが、冬に数十センチの雪も積もり、最低気温はマイナス10度を下回る長野でも、問題なく越冬できます。寒さに耐えさせた後、春になってからマルチを掛けて、成長を促します。
【土壌・施肥】
野菜の中では、やや酸性土よりで育ちます。通気・排水性がよく、深土を好むので、定植の1~2週間前には、堆肥を施し、深く耕しておきます。基肥(元肥)は、徒長を避け、実を肥やすために、チッソは控え目にし、リン酸主体の施肥を心がけます。
【植え付け】
イチゴを植え付ける株間・条間連作障害はほぼありませんが、他の野菜との兼ね合いで、前年とは別の場所で栽培する方がいいでしょう。
条間・畝間とも30cm。深植えは厳禁。根が隠れる程度の浅植えにし、クラウン部を土に埋めないようにしましょう。

定植

イチゴの苗は、9月下旬ごろに実(花托)を成らせる元となる花芽分化が起きるので、花芽分化が完全に終わった、10月中旬から下旬ごろが定植適期です。

イチゴの定植イチゴ苗の定植時に気を付けたいのが、植える深さと、花芽の向きです。植え付ける際には、株の成長点が埋まらないように、根が隠れる程度、クラウン部分が埋まらないように、浅植えを心がけます。また、イチゴの花芽、つまり実(花托)は、親株に繋がっていたランナーとは反対側に出来ます(子株側)。実は、畝の通路側に成らせた方が、受粉作業や、摘花や摘果、収穫作業が楽になりますし、南側に向けると、実の色づきも期待できます。

そのため、親株からのランナーがどれか分かるように、苗を切り離す際に、私は親株側のランナーを長めに、孫株側のランナーを短く切るようにしています。。

さて、ここからがキモの部分ですが、原理原則で言えば、2条植えの場合、親株からのランナーを畝の内側に向けて定植することで、畝の外側にイチゴを成らせることが出来ます。しかし、この場合、不味いイチゴなら問題ありませんが(汗)、品種を厳選し、高い骨粉肥料を施し、手間を掛けて摘花作業をした、大きくて甘いイチゴは、そこそこ覆っただけの防鳥網程度では、鳥に全部持っていかれます(泣)。

そこで私は、今年から、敢えて親株からのランナーを外向きにして、実を畝の内側に成らせることに!。これなら、滅多なことで防鳥網をかいくぐり、鳥もイチゴに辿り着けないでしょう!(笑)。

イチゴ苗の定植の向き1、畝の外に実を成らせる

イチゴ苗の定植の向き2、畝の内側に実を成らせる

 

 3.育て方

季節外れの花には、ろくな実が成りませんので、気になる様なら摘んでしまいましょう。定植後に伸びてくるランナーも、株の成長の妨げになるので、収穫が終わるまでは、気が付いたら早めに摘んでしまいます。

マルチ

苗を定植した後は、敢えてすぐにマルチを掛けずに、冬の寒さにあてることで、丈夫な苗に育てます。

イチゴにマルチを掛けるのは、2月(温暖地)から、雪解けが済んだ3月上旬(寒冷地)。株間に、鶏糞などを追肥した後、株の上からマルチを被せます。マルチの裾を、所々抑えた後、手探りで株の場所を探り当て、カッターで十字に切ってから、イチゴ苗の葉を、折らないように気を付けながら、マルチの穴から外に引き抜きます。

イチゴの畝のマルチ掛け

受粉と摘花

4月ごろ、花が咲き出したら、実付をよくするため、受粉作業をします。農業用の「受粉棒」を使うと便利ですが、100円ショップで売っている安い絵筆や耳かきでも代用は可能です。柔らかい毛で、順番に花弁をポンポンと撫でてあげます。とは言っても、実は私、受粉作業は殆どしていません…(汗)。よく見ると、小さい昆虫がイチゴの花に沢山付いていて、彼らと自然の風で、今のところ十分足りています(笑)。

ただし、摘花と摘果作業は、大きい実が希望なら、絶対に欠かせません。摘花も摘果もしなくても、そこそこのイチゴを収穫することは可能です。むしろ、数だけは沢山収穫できるでしょう!。しかし、実が小さい…

小さくても数(量)が多い方がいいか、少なくても実が大きい方がいいか、悩みどころです…(汗)。もし、大きく立派で、甘くて美味しいイチゴを、少数精鋭で収穫したいらなら、一株に数粒ほどしか成らせないように、摘花と摘果を繰り返します。放っておけば、10~20粒くらいイチゴが成りますから、どっちを選ぶかは、あなた次第です(笑)。

幾つ成らせればいいか?。これもあなた次第です。一粒で数百円レベルのイチゴを希望なら、1株にせいぜい2~3粒。そこそこなら、その2倍ほど。後はいろいろ試して、経験を積んでください。

収穫

実が痛んだり、変形したものは、早めに摘んでしまいます。徐々に熟しますが、さぁ明日が収穫時と思ったら、後は鳥との競争です(汗)。一歩遅れれば、全部鳥に持っていかれますので、頑張って早起きして、まっ赤に熟したイチゴを収穫してください!(笑)。

防鳥対策、鳥除けネットと糸張り

まぁ昨年は、せっかく品種(紅ほっぺ)を厳選し、骨粉を撒いて、さらには受粉と摘花の手間を惜しまず育ってた甘くて大きなイチゴを、赤く実って『さぁ収穫だ!』と思った矢先に、カラスなのかヒヨドリなのか、はたまたネズミなのか?、先取りされてしまい、散々な被害を被りました(泣)。

そこで今年は、防鳥対策に相当に力を込めました!(笑)。防鳥網(防鳥ネット)自体は安いもので、巾9m×長さ10.8mの30坪用でも、近所のホームセンターで数百円もしません。去年使ったものを、丁寧に回収して、今年も使いまわすことが出来たので、今年の出費はゼロです(笑)。防鳥網の張り方は、イチゴの2畝の真ん中と両端に杭を打ち、杭の頭に、長手方向に3本のロープを張ります(ロープを釘で杭の頭に留めます)。そのロープを跨ぐようにして、端から防鳥網を被せ、裾を石やピンで押さえれば完成!防鳥網の裾が、あまり苗に近いと、体の大きなカラスなどは、網の外から首を伸ばし、クチバシで突っついてイチゴを獲ってしまうので、できるだけ余裕を持たせるようにしましょう!。

さらに今年は、畝の四隅と中間に人丈の支柱を立てて、その支柱の横と上とに、ミシン糸を張り巡らせました!(笑)。細い釣り糸(テグス)でもいいのですが、後始末が面倒なので、安いミシン糸が便利です。雨風に当っても、シーズン中は、滅多に切れることはありません。鳥は、羽根に当る糸に敏感に反応するので、広い田んぼの畦に、横に一本の糸を張っておくだけでも、鳥除け効果が期待できます。

イチゴの鳥除けネット(防鳥網)張り

『さぁこれで、イチゴを獲れるものなら盗んでみろ、カラスめ!』と思いつつ、一番先に赤く実ったイチゴを収穫せずに数日観察しているのですが…、今のところ、みごとに無事です!

ただし問題は、これからどうやって、管理と収穫作業をしたらいいのか?…(汗)。

本当の窃盗犯は、タヌキかハクビシン!?

先日、種まきしたポットに水やりをしていて、ふと顔を上げたら、私の2メートルほど前で、タヌキが何やら物色しています!(汗)。慌ててポケットからスマホを取り出し、カメラのアプリを起動しようとしている間に、さすがに気付いたか、そろそろと逃げ出します。その逃げた方向にあったのは、イチゴの畝。なんとタヌキは、イチゴの畝の周りに防御に張り巡らせた漁網も、イチゴの畝の上に掛けた防鳥網も、なんにも気にすることなく、スタコラサッサっと、歩いて横切って行くでは無いですか!(泣)。今までの努力は、何だったのか…(汗)。

イチゴの防鳥網を踏んで歩くタヌキ

我が家の畑の隣には、一級河川が流れており、雑木や雑草が茂った河川敷は、タヌキやらハクビシン、イタチやキツネなど、野生動物(害獣)の巣窟と化しているのです!。そのうえ、本来は夜行性のタヌキが、ひと様をバカにして、晴天の昼日中に、人がいるにも係わらず、その目の前でウロウロ…。化かされるならいざ知らず、バカにされている様で、本当に腹が立つ!(怒)。特にハクビシンは、甘い物が大好きで、イチゴ目当てなら、防鳥網なんぞ破ってでもゲットする様です(汗)。

そこで、イチゴの畝から1メートルほど離して、周りをぐるりと、支柱と防鳥網(漁網)で、網の柵を張り巡らせました!。これなら、いくらタヌキもハクビシンも、おいそれとはイチゴの畝に近寄れまい!(笑)。案の定、今のところ、真っ赤なイチゴがたわわに実っています(笑)。

 


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