エンドウの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.エンドウ栽培のキモとコツ

エンドウとは

エンドウ(豌豆)は、マメ類マメ目マメ科の一・二年草。一般に、「サヤエンドウ」とか「エンドウマメ」とも呼ばれ、ノラマメ、グリーンピース、絹さや(きぬさや、絹莢)、輸入された品種のスナップエンドウ(=スナックエンドウ)などがあります。家庭菜園では主に、「絹さや」と「スナップ」が多く栽培されていますが、それぞれ食味や食感が違い、煮物の彩りには絹さやが、味噌汁の具など煮豆としてはスナップが重宝します。好みに応じて品種を選ぶと良いですが、絹さやは筋取りが調理の手間になります。スナップエンドウは品種改良により、筋ナシ品種があったり、甘みも増して、食べやすいですし、収量も期待でき、家庭菜園初心者には、絹さやよりスナップがおすすめです。

【品種】
つる有り」と「つる無し」があり、つる有りは支柱立てが必要ですが、収穫量が増えます。一方、背丈が低く育てられるつる無しは、手軽に狭いところでの栽培に向いています。ここでは、つる有りを中心に紹介していきます。
品種改良された種はそれほどなく、安くて量の入っている入手しやすい種の方が、作りやすくておすすめ。ウリ文句として、”甘くて柔らかい”と書かれている種もありますが、それほど違いは感じられません。ただ、スジナシの方が調理が簡単で食べやすくていいですね。
白花系と赤花系がありますが、個人的には在来の白花の方が美味しいように感じます。
【連作障害】
マメ科の食物は、センチュウ類の発生や、立ち枯れ病などの連作障害が出やすいので、連作はしないようにしましょう。ただ、物の本には4~5年も空けるように書かれていますが、商売で栽培しているならいざ知らず、狭い家庭菜園の地所で少量生産している限りであれば、1~2年も開けたら滅多なことは無さそうです。
【病害虫】
春になって生育が加速する頃に、アブラムシが付きやすいです。空から舞い降りてくるアブラムシは、キラキラしたものを嫌う性質があるそうです。そこで、アブラムシ対策として、早めに支柱を立てて、その上に「赤銀テープ」(キラキラテープ、アルミホイルテープ)を張ると、アブラムシ除けに効果があるらしいです!。しか~し、私は毎年それを実践しているのですが、アブラムシが付かなかった年は、未だ一度としてありません(汗)。少量のアブラムシには、牛乳や酢を薄めた液を噴霧するなどで駆除することも出来ますが、私は農薬のお世話になっています。アブラムシには、ダントツなどがよく効きます。
また、収穫末期になって株が弱ってくると、ハダニが発生することもあります。枝やツル、葉が混み合い、風通しが悪くなると尚更です。収穫が終わった脇枝や、枯れ始めたツルは早めに刈り取り、圃場外へ処分するようにしましょう。
連作しない限り、あまり病気の心配はありませんが、株が混み合っていたり、風通しが悪いと、うどんこ病モザイク病などのウイルス性の病気が発生しやすくなります。早期発見に努め、殺菌剤を散布するか、病気によっては株を抜き取って焼却処分します。私が使っている殺菌剤は、ダコニールが安くていいですが、ストロビーがよく効くように感じます。

 2.種まき

収量が得やすい野菜なので、家庭菜園であれば、1~2条植えで育てます。地域によりますが、種を畑に直播きし、秋まき・春どり栽培がおすすめです。

【気象環境】
発芽・生育適温は、15~20度。冷涼で乾燥、日照を好みます。
暖地では春蒔きでも栽培できますが、一般には秋まき・春どり栽培がおすすめ。晩秋に播種し、小さい苗のまま越冬させることで、根張りを良くし、多収穫が期待できます。逆に、極寒地では苗が寒さに耐えきれず越冬できないので、春蒔きにするか、育てた苗を春に移植する必要があります。ちなみに、長野盆地の辺りでは、冬には数十センチの雪も積もりますし、最低気温はマイナス10度を下回ることもありますが、寒害や凍害で苗が全滅したことは、まだ一度もありません。
【播種の適期】
播種(種まき)の時期は、暖地では11月上旬~下旬、中間地・寒地では10月中旬~11月上旬です。越冬前に大きな苗にし過ぎると、逆に寒害を受け易くなってしまうので、早蒔きには注意が必要です。本葉が2~3枚になった頃が、一番寒さにも強くなります。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
マメ類は酸性土を嫌い、水はけのよい土壌を好みます。播種の1~2週間前には、石灰(苦土石灰や有機石灰)と控え目の肥料を施し、高さ10cm以上の畝を仕立てましょう。マメ類は、肥料過多にすると(特に窒素分が多いと)、徒長して、葉ばかり茂り、実が成らなくなってしまいます。肥料は控えめにし、実を肥やすリン酸主体の施肥を心がけます。くれぐれも、肥料のやり過ぎには注意してください。
【種まき】
マメ科の食物は直根性なので、あまり植え替え(移植)に向きません。できれば露地栽培で、種を畑に直播きすることをおススメします(ポット苗を買って移植すると、根を傷め、枯らしたり、生育不良を起こしやすいです)。
種の蒔き方は、絹さやで30cm間隔、スナップエンドウだと20cm間隔の株間になるよう、1ヶ所に数センチ離して2~3粒ずつ、種を直播きします。覆土は1.5cm~2cm。
エンドウの種の発芽インゲンの種は好光性ですが、エンドウの種は好光性でも嫌光性でもなく、適温下で水分があれば発芽を始めます。種が水分を吸うと、まず先に根が出て(発根)、その後で芽が出てきます。また、種まきをするのが10月末から11月と、気温がだいぶ低くい時期なので、土の上に芽が出てくるまでには、10日から2週間ほどの日数を要します。早く芽出しをさせたい時は、種が少し水に浸かる状態にして、発芽適温の室内に置いておくと、4日ほどで発芽(発根)し始めます。
エンドウの芽特にマメ類の種を蒔く際は、蒔いた種や出た芽も、鳥害に合うことがあるので、ネットを掛けることを薦められますが、当地は田舎で他に食べるものが沢山あるせいか、私は今まで鳥の被害にあったことがなく、特になにもしていません。
マメ類の種は、比較的短命なので、買った種は2~3年で使い切りましょう。保存状態が良くないと、発芽率が悪くなり、芽が出なくなってしまいます。在来品種であれば、自分で栽培したマメを、収穫せずに成らしたまま熟させ、乾燥したら自家採種して保存し、その年の秋に蒔くことも可能です。ただ、高い種ではないので、買い直した方が、品質も収量も安定します。

 3.育て方

つる有りの方が収量を得やすいので、成長が早まる春先には、地上1.5m以上の支柱を立て、ツルを誘引するための棚(ネット)を張ります。雪が解け、暖かくなって、エンドウの苗がツルを伸ばし始めたら、早めに支柱を立てましょう。

【越冬】
種まきから10日から2週間ほどで発芽します。芽が出ても、日の最高気温が10度を下回ってくると生育は停止し、そのままの状態で寒さに耐えて、越冬します。
冬の最低気温がマイナス7度以下に下がる寒冷地では、稲わらや寒冷紗などを被せて、保温してあげましょう。
【間引き・追肥】
間引きと追肥は、翌春以降に行います。間引く際には、根ごと引き抜くと残す株の根も傷めてしまうので、ハサミで株元から切り取りましょう。
また、マメ類は徒長しやすいので、追肥の施肥も控えめに。春になって、ツルの伸び具合や葉の色を見て、生育が遅れているようだと追肥をしますが、一般的に追肥は、花が咲いて実が成りだしてからにします。
【支柱立て】
背丈が20cmくらいになったら、早めに支柱を立て、誘引します。
支柱間隔は、1間(=1.8m)が一般的。ただし、横ひもを張るだけなら狭め1m間隔に、ネットを張るなら2~3m間隔まで広げられます。支柱の高さは、地上1.8mほどで十分足ります。インゲンのように、手が届かなくなるほど高くまで伸びません。

支柱の立て方

エンドウのツルの誘引の仕方支柱の立て方と、ツルの誘引の仕方は、家々によって様々。私の住む地域では、なぜか伝統的に、地面から高さ1メートル程度の所に横通しの棒を渡し、そこに束ねた稲藁を掛けて、ツルを誘引します。枯れた木の枝や、竹や笹の枝先を地面に挿して誘引する方法もあります。百円ショップなどでも買えるビニール製のネットを使う人もいます。ただし、あまり余計なものを使いすぎると、特に腐らないネットなどを使うと、撤去する時に処分に困ります。

そこで私は、1~1.5m間隔で支柱を立てたら、30~50cmの高さ間隔で、横に麻紐(ひも)を張るようにしています。一番下の段だけは、地面から20cmくらいの低さにします。すると、エンドウは勝手に上に伸びたがりますから、放っておいてもじきに横紐に巻きついてくれます。腰丈くらいに成長してきたら、外に広がり過ぎないよう、苗の外側に麻ひもを回して、支柱の内側へ集めるようにします。

麻ひも」なら、百円ショップでも買えるくらい安く手に入りますし、腐るし燃やせるし、処分が楽です。麻ひもは、他にも支柱を縛ったり、トマトなどの茎を支柱に縛り付けたりする際にも使えて、便利ですよ。

誘引する際に、脇枝が絡まないよう「整枝」を薦める人もいますが、脇枝をまとめて括りつけても、実は食べきれないほど付きます。収穫をする際に、多少手を入れにくいかもしれませんが、折れやすい枝を整える作業より、よっぽど苦になりません。

収穫

開花から、約15~20日ほどで実が膨らみ始めます。特に絹さやは、さやの柔らかいうちに収穫するよう、早取りを心がけましょう。取り残すと、あっという間に大きくなり過ぎてしまいます。成長が早いので、出来るだけ毎日収穫作業をします。

エンドウの収穫の仕方基本、収穫にはハサミを使って、ガクを残して莢を枝から切り取ります。私も、人におすそ分けする分は、そうして収穫します。しかし、ハサミを使って収穫するのは面倒なので、わが家で食べる分には、ガクの下側を指で挟んでつまみ、莢を折るようにしながら、反った背側と反対の腹側へと下に引くと、背側のスジを枝に残したまま収穫することが出来、調理の際のスジ取りの手間を省くことが出来ます。え?、鮮度が落ちるだろうって・・・、まぁ調理の前に畑に行って収穫してくれば済むことですから(笑)。

 


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