アスパラガスの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.アスパラ栽培のキモとコツ

アスパラガスとは

アスパラガス(アスパラ)は、分類学上は難しくてよく分からない複雑な種ですが、要は多年生の植物です。株によって雌雄が異なる「雌雄異株」ですが、どちらの株からもアスパラは収穫できます。葉のように見えるのは、実は細く分枝した茎で、本来の葉は退化してしまっているそうです。ますます、複雑怪奇な植物で、何やら育てるのが怖くなってきました・・・(汗)。でも、食べると美味しいので、家庭菜園には外せませんね(笑)。一度植えたら、大した手間もかからず、毎年収穫できるのですから、こんな有難い野菜はありません!。厄介なのは、収穫量の割に、広い場所を占拠してしまうこと。特に夏以降、その”茎”が伸びて繁りだすと、狭い農園では邪魔で仕方ありません(汗)。

【品種】
市場に出回っているアスパラガスには、緑色のグリーンアスパラだけでなく、白(ホワイトアスパラ)や、紫色のアスパラもあります。白は、光を遮って光合成させずに栽培したアスパラで、品種的には特に緑と違いはありません。紫色のアスパラは、ヨーロッパでは多く流通していますが、日本では生育の気象条件が合わないため収量が得られず、ほとんど栽培されていません。とはいえ、日本でも紫アスパラガスの種は売られていますので、寒い地域に住んでいる方は、チャレンジしてみます?。
入手しやすい種は、太い茎が人気の「ウェルカムやスーパーウェルカム」、収穫量が多い「シャワー」など。いずれも早い時期から収穫できる早生種なのが嬉しいですが、複数の品種を栽培すると、長い期間収穫できていいですね。
【連作障害】
一度植えたら、宿根で10~15年くらいは毎年収穫できる野菜なので、連作障害は特にありません。
【病害虫】
比較的、病害虫の心配は少ない野菜ですが、たまに立枯病(苗立枯病、茎枯病)が問題的に集中発生してしまうことがあります。土中のカビ細菌による病気で、発症すると消毒効果はあまり期待できないので、刈り取って焼却処分します。水はけが悪く、酸性度が増すと発生しやすくなるので、株間を取り、混み合った茎は間引いて風通しを確保します。また、肥料過多、特に窒素分が多いと発生しやすいので、施肥量に気を付けます。
アスパラガスの茎枯病ちなみに、アスパラガスのコンパニオンプランツには、ニラが良いそうです。立枯病を予防し、ハダニなどの害虫除けにもなると、私は畝の回りをニラで囲ってしまいました(笑)。

 2.種まきと定植

アスパラガスは、一度収穫が始まれば、10年以上も毎年収穫できる野菜ですが、種を蒔いてから収穫できるようになるまで、丸2年もかかります。つまり収穫は、種まきした、次の次の年、3年目以降。そんなに長く待てないという人は、株分けした苗を買ってきて、春に植えつけると、翌年の春には収穫できるようになります。

【気象環境】
発芽・生育適温は、20~30度。温暖な気象を好みますが、耐寒性は強く、マイナス10度以下になる長野盆地でも、特に何も保温せずに宿根で越冬可能です。
【播種の適期】
播種(種まき)の時期は、3月~4月ごろ。最高気温が20度を超えてきたら、蒔き時です。極寒地では、トンネルやキャップで保温して育苗します。
育苗した苗の植え替え(定植)や、買った株の定植は、翌年の3月~4月、播種と同じ時期に行います。
種まきと収穫時期
 
【土壌・施肥】
育苗期間が長いため、排水のよい場所を選び、1~2週間前に石灰と堆肥を鋤き込み、苗床(蒔き床)を作ります。水やりの手間が気にならないのであれば、プランターに基肥の入った培養土を入れて、種を蒔いても構いません。草取りなど、その後の管理が楽になります。
【種まき】
アスパラガスの種は、皮が厚く硬いため、発芽しにくいので、種まきの2日前から、30度くらいのぬるま湯に浸けておくと、発芽しやすくなります。その間、水は2~3度取り替え、水分を拭きとってから種まきします。
蒔き床に、5cm~10cm間隔の撒き溝を作り、十分灌水してから、種を3cm間隔で蒔きます。5mmほど薄く覆土し、乾燥防止のための新聞紙や稲藁を掛けます。発芽適温は25~30℃で、発芽までに15~20日かかります。その間、土を乾かさないように毎日灌水してください。芽が出たら、すぐに新聞紙は外します。
【育苗】
十分な広さの苗床であれば、葉(茎)が重ならない程度に間引きつつ、1年間そのまま育苗するのがおすすめ。水やりも、気が楽です。
ただ、1年後に移植すると、アスパラガスの根は真っ直ぐ下に長く伸びるので、根を傷めやすく、翌年の収穫は期待できません。そのため、苗が20cm位に育った段階で、ポット上げするか、最初から種を、ポットやセルトレイに蒔く方法もあります。しかし、何れにしても2年目の収穫はさほど期待できず、最初から諦めて、立派で丈夫な苗を育てることに専念した方が、私はいいように思います。

 3.収穫とその後の管理

種まきしてから3年目の春、ようやく収穫が始まります。ただ、株が若いうちは、収穫できる期間は短く、徐々に長くなっていきます。しかし、年が経って株が弱ってくると、また収穫できる期間は短くなっていきます。あまり収穫できなくなってきたら、株の入れ替え時期です。

収穫

太くて若い芽を、ハサミを使って根元で切り取ります。ハサミが手元になかったりすると、つい指でつまんで折って収穫してしまいがちですが、土の上に残った茎は害虫に食害されるので、あまり残さない方がいいようです。細い茎まで全部収穫してしまうと、株が弱ってしまうので、食べ頃の、ある程度の太さ以上のものだけ収穫するようにします。。

どの位の長さになったら収穫したらいいか、何時も迷いますが、1日置くとあっという間に大きくなり過ぎてしまうので、こればかりは経験を積むしかありません。毎朝、新鮮なうちに収穫し、収穫したアスパラは立てて保存します。

収穫後期になると、だんだん根元が硬くなってきてしまいます。調理する際は、下の方から順番に、包丁の刃を軽く茎に当ててみると、すっと入る場所が見つかります。そこから上が、食べ頃の部分(笑)。

追肥

収穫期間中は、ひと月ごとに、お礼肥を与えます。その後、冬の間に1回、追肥します。アスパラ専用の肥料も売られていますが、私は鶏糞を使っています。

支柱立て・倒伏予防

夏ごろには、取り残した細い茎が伸びて、葉(=茎)がボウボウに茂ってきます。そうなると、雨に当って風が吹くと、すぐに茎が倒れてしまいます。そうなる前に、畝の周囲に杭を打ち、横棒を渡すか、紐を張って、倒伏を防ぐ必要があります。

アスパラガスの倒伏防止の支柱立て杭に、横棒や紐を張るのは、意外と手間。そこで私は、まだ茎が杭の高さまで育っていな頃に、「漁網」を杭の頭の釘に引っかけ、張ってしまいます。なぜ海なしの長野県に漁網があるかというと、むかし、リンゴ栽培での鳥除けに、安く手に入る漁網を使った名残です(笑)。どんなネットでも代用できると思いますが、漁網は丈夫で、晩秋に枯れた茎を刈り取る際に、ネットに絡んだ茎を乱暴に引き抜いても、滅多に千切れないのがイイです。
漁網は、この他にも、イチゴ栽培での鳥除けや、トウモロコシ栽培でのタヌキやハクビシン対策にと、いろいろ役に立ちます。

枯れた茎の刈り取り処分

霜が降り始めるころ、茎は黄変し、枯れてきます。

茎が9割方枯れたら、根元から刈り取り、出来るだけ残渣を残さないようにして、圃場外へ処分します。枯れた茎には、立枯病(茎枯病)などの細菌が付いているので、焼却処分してしまうのがおすすめ。

さらに、病気予防のために、畝面をバーナーで焼却処理すると安心です。年が明けた頃になると、刈り取った茎の下の部分、土に残った茎の根元が、簡単に抜き取れる状態になります。そうしたら、その茎の根元を抜き取った後、茎を刈り取る際に折れたりして畝に残ってしまった茎の残渣もろとも、バーナーで焼いてしまいます。

 


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