種まきの時期を逸したりしない様に、家庭菜園で日々すべき必要な作業を記した野菜栽培カレンダー(日誌)を作ってみました。
旧暦で5月の和風月名は「皐月(さつき)」。田に早苗(さなえ、苗代から田へ移し植える頃の稲の苗)を植える時期であり、早苗月(さなえづき)が略され早月(さつき)となり、”神に捧げる稲”という意味の「皐」の字があてられたそうです。現在の季節感とは1~2ヶ月ほどズレますが、季節としては 初夏(しょか)に当たります(立夏(5/6頃)から芒種(6/6頃)の前日まで)。
長野では、遅霜の心配が無くなる5月のゴールデンウィーク明けから、家庭菜園での種まきや苗の植え付けが本格化します。私は、基本的に種まきをして、多くの野菜の苗を自分で育てていますが、ナスやトマト、特にピーマンやシシトウはいくら保温して早く種まきをしても、収穫時期が遅くなってしまうため、1~2株ずつは育った苗を購入して定植することにしています。接ぎ木苗を植えたい大玉スイカも、この時期に苗を購入して定植します。
一方、5月になると、いよいよ収穫期を迎える野菜も出始めます。最初に採れ出すのが、晩秋に種まきをして幼苗で越冬させたエンドウ(スナップや絹サヤ)で、4月下旬に初収穫し、5月中旬には収穫の最盛期を迎えます。また、5月初旬からアスパラガスが出始めます。続いて、今春の3月上旬に一番早く種まきをしたホウレンソウが、早くも収穫期を迎えます!。早い年だと、5月中旬にはイチゴも最盛期となりますが、エンドウもアスパラも、そしてイチゴも、採り遅れると大きくなり過ぎたり、鳥害獣の被害に遭うので、毎朝の収穫作業が欠かせず、忙しくなりますね…(笑)。
私が住んでいる長野県長野盆地辺りでの、気候や風土に沿った野菜栽培の作業日誌です。お住まいの地域の寒暖によって、前後させてください。ちなみに、長野の「桜の開花日」(平年)は4月13日です。全国の主要都市のさくらの開花日(気象庁)を参考に、ずらす日数をご判断ください。
年によって日が異なる暦(祝祭や行事、二十四節気など)は、最も一般的な平年日に合わせています。
日 | 主な作業 | |
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5 月 上 旬 |
1日 | らっきょう土寄せ |
2日 | 八十八夜 | |
3日 | 仏花(アスター、百日草、ダリア等)の種まき、菊の植替え | |
4日 | ||
5日 | 端午の節句 | |
6日 | 【立夏】 | |
7日 | 購入苗(トマト・ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、スイカ)の定植 | |
8日 | ||
9日 | 果樹の消毒(梅・杏・桃・栗・柿・イチジク・ザクロ、etc) | |
10日 | ||
5 月 中 旬 |
11日 | 自家苗(キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー)の定植 |
12日 | (最低気温3℃予報/2021年) | |
13日 | ||
14日 | トウモロコシ・エダマメの種まき(2回目以降適宜) | |
15日 | サツマイモ苗の植え付け | |
16日 | ニンニクの芽 収穫 | |
17日 | ||
18日 | 自家苗(ナス、トマト・ミニトマト等)の定植 | |
19日 | ||
20日 | ラッカセイの種まき | |
5 月 下 旬 |
21日 | 【小満】 |
22日 | 自家苗(カボチャ・スイカ・キュウリ・ズッキーニ等)の定植 | |
23日 | ||
24日 | ||
25日 | ||
26日 | ||
27日 | ||
28日 | ||
29日 | ||
30日 | 白系カボチャの種まき(直播き) | |
31日 | セロリ苗のポット上げ |
トウモロコシの種まきは、ポットに蒔いて保温育苗するなら、3月中から蒔くことは可能です。ただ、あまり早い時期にトウモロコシが収穫できても有り難くないので(なぜか旬に早すぎたり遅すぎるトウモロコシは、イマイチ味が落ちます)、私は5月に入ってから、畑に直播きで種まきを始めます。5月の初めから終わりにかけて、1~2週間おきに数回に分けて種まきをすると、7月中旬から8月のトウモロコシが一番美味しい旬の時期に、長い期間トウモロコシを美味しく頂くことが出来ます!(笑)。
エダマメの種まきは、早生の旬を狙うなら5月中旬。ただ、近頃は梅雨明けと共に暑さが増して、早々にビールが飲みたくなるので、その時期に間に合うように、4月下旬から数回に分けて種まきを始めます(笑)。直根性のマメ類の苗は、あまり植え替えに向かないため、私は畑に種を直播きして栽培します。早採りしたい人は、出来るだけ早蒔き出来る、極早生品種を選ぶと良いでしょう!。
サツマイモの苗(挿し穂)を植える適期は、梅雨入りの2週間くらい前。関東甲信地方の梅雨入りは、平年6月上旬なので、苗の植え付けは5月中旬から下旬がベストなタイミングです。しかし、4月下旬にはホームセンターで苗が売り出され、先を争うように良い苗から売り切れてしまうので、先を争うように、年々植え付ける時期が早まってしまいます…(汗)。
発芽・生育適温が 20~30度と、高温性のラッカセイの種まきは5月下旬以降で、春まき野菜の中では一番遅いかもしれません。ポット蒔きして保温すれば、もう少し早めることは可能ですが、マメ類の苗はあまり植え替えに向かないため、私は10日間天気予報を見ながら、最低気温が15度を下回らなくなる時期を見計らって、畑に種を直播きしています。
気象統計によると、長野の霜終日(平年)は4月28日ですが、ゴールデンウィークの頃までは「遅霜」の心配が続きます。毎年とは言いませんが、2-3年に1度くらいは5月初旬に遅霜が降りることがあり、4月下旬にようやく出たジャガイモの芽が枯れてしまうことも…。まぁ、ジャガイモの芽なら、少々霜に当たって枯れても、また次々と出てくるのでいいのですが、せっかく種まきから育てた自家苗や、買ってきて植えた苗が枯れてしまっては、元も子もありません。GWに入ったら、10日間天気予報を見ながら、遅霜の心配が無くなりしだい、できるだけ早い時期に苗の定植作業を始めたいところです!。
ゴールデンウィークが明けると、さすがに長野でも遅霜の心配は皆無となりますが、まだ最低気温は1ケタ台前半にまで下がることがあり、冷たい寒風が吹き荒れることもあります。そこで、幼苗を畑に定植したら暫くの間は、使い終わった肥料袋などの上下を切って「行灯」(あんどん)を作り、風よけをしてあげましょう。
5月に入って、私が一番最初に畑に定植する野菜の苗は、トマト・ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、スイカの、購入苗です。3月に種まきして育てた自家苗は、まだ小さくて定植できませんが、それを待っていては収穫始まりが遅くなってしまうので、2本ずつくらいは既に大きく育った苗を買ってきて、定植作業を始めます。特に、ピーマンやシシトウは育苗期間が長く、数本くらいなら、寒冷地で種から育てるより、苗を購入した方が手っ取り早いです。また、連作障害や病気が発生しやすいスイカや大玉トマトは、接ぎ木苗を選ぶなら、やはり苗は買った方がいいですね(笑)。一方、苗は全部買うという人は、植えるタイミングを前後に一月ほど分けてずらすと、収穫期間を長くすることができますよ!。なお、以前に私もメロンの種を買ってきて、メロン栽培にもチャレンジしたことがありますが、メロン栽培は難易度が高く、結局よいメロンは一度も収穫できないまま、ついに断念しました…。
5月中旬になると、3月上旬に最初にポットに種まきをした、キャベツや、ブロッコリー・カリフラワーの自家苗が育ち、そろそろ畑に定植できる様になります。続いて定植期を迎えるのは、3月下旬に種まきをしたナス科の野菜(ナス、トマト・ミニトマト)ですが、育苗期間が長いピーマンやトウガラシは、まだまだです。
5月下旬には、4月初旬に種まきをしたウリ科の野菜(カボチャ・スイカ・キュウリ・ズッキーニ)も、そろそろ畑に定植できる様になります。なお、晩生種で貯蔵性が高い白系カボチャを出来るだけ遅い時期に収穫するには、5月下旬に畑に種を直播きして栽培します。