【フルフェイス】ヘルメットを比較、おすすめはどれ?

乗りたいバイクが決まったら、次はヘルメット!値段か信頼性か?、軽さか機能性か?、悩みはまだ続きます。

※ 情報が古くなってしまったので、最新の情報にページを更新しました(2021/4/25)

 1.欲しいフルフェイスの条件

ようやく取れた、中型二輪免許。早く自分のバイクで走りたいと思っても、そのバイクはもちろん、他に必要なヘルメット、ウェア、ブーツ、グローブなど、どれもこれも初めて買う商品ばかりで、何を基準に、どういうものを選んだらいいのか、全くの手探り状態・・・。ようやく欲しいバイクが決まり、次は、そのバイクに跨る自分に似合う、ヘルメット選び!。しかし、いろいろなメーカーから、数多くのモデルが出ていて、価格もピンキリ。いったい、どんなヘルメットを選んだらいいのでしょう?。初心者の私が、試行錯誤しながら、自分なりに選び方を考えてみました。

① 安全面で「フルフェイス」、便利さで「システムヘルメット」が人気

まずはネットで、バイク用のヘルメットについて、いろいろ情報を集めてみると、命を預けるヘルメット、「ジェット」タイプよりは「フルフェイス」タイプの方が、顎まで守ってくれて安心とのこと。他にも「オフロード」タイプのヘルメットもありますが、デュアルパーパス系のバイクを買った私でも、選択肢にはないかな・・・。

さらに最近の流行は、至れり尽くせり機能満載、便利で快適な「システムヘルメット」が人気だそうです。確かに、信号待ちや、ちょっとバイクと停めた際でも、簡単にチンガードを上げて涼めたり、ドリンクを飲むことが出来るのは、とても快適。さらに、ヘルメットを脱がなくても、道を聞くなど人と会話が出来たり、コンビニに入っていけるってのも便利そうです!。そして、私は目が悪く、普段はコンタクトですが、バイクに乗る時は風が当り目が乾くので、メガネの方が快適です。システムヘルメットは、チンガードを上げればジェットヘルメット並みに開口部が広がり、フルフェイスより断然メガネをかけたり外したりしやすく、メガネを掛けている人にはメリットが大きそうです。人によっては、メガネをかけたままシステムならかぶれるそうですが、私には無理でした(汗)。

そこで目を付けたのが、リーズナブルな価格帯で人気の、ヤマハ「YJ-21 ZENITH」(税込:単色 30,800円~グラフィック 33,000円、YJ-19の後継モデル)。しかし、その口コミや評判を見聞きすると、高評価や好評な意見が多い一方で、『暑い』『重い』といったネガティブな感想や、『命を守るためのヘルメット、カネに糸目をつけるな!』といったご意見も・・・。やっぱり安全・安心を買うなら、ARAI(アライ)かSHOEI(ショーエイ)のヘルメットにすべきなのか?。でも、高いよなぁ~(汗)。

ちなみに、OGKカブトのシステムヘルメット「KAZAMI(カザミ)」(2021年3月廃番、販売は在庫限り)も比較的安価ですが、やはり相当重そうです。しかし2020年夏に、OGKカブトでは、IRカットシールドを採用した軽量・快適・高機能な新世代システムヘルメット、新製品RYUKI(リュウキ)」を新発売しました。重量はS/Mサイズが約1,650g、L/XLサイズで約1,730gと、システムヘルメットとしては軽量で、価格(定価)も36,300円(税込)からと比較的リーズナブルです。ただ、見た目的にガンダムちっく過ぎて、若い人にはいいでしょうが、シニアがかぶるには、ちょっと気が引けます…(汗)。

② 「軽さ」は大きなメリット

価格は上を見たらキリが無い、だったら一層のこと、長時間被っていても疲れず、肩こりや首が痛くならないためにも、『軽さを追求しよう!』。

そこで辿り着いたのが、OGKカブトの「AEROBLADE-5」(税込定価:35,200円~38,500円)と、SHOEIの「Z-7」(税込:49,500円~58,300円、2020年10月受注終了・廃番)、新製品Z-8」(税込:56,100円~66,000円、2021年3月新発売)。何れも重量は1.4kg程度と軽量で、1.8kgオーバーのゼニスより、2~3割も軽いのは、システムの便利さを補っても余りある、アドバンテージになりそうです!。特に、OGKカブトの「エアロブレード5」は、価格もお手頃で、軽いだけでなく帽体がコンパクトなため、頭がデカくてもスタイリッシュに見えるのが人気の秘密?(笑)。

③ 「バイザー/シェード付き」も捨てがたい

しかし今度は、『インナーバイザーは便利だぞ』という意見にほだされてしまいます…(汗)。確かに、ピーカンで太陽が眩しい夏や、日が短くなった秋冬の朝夕などは、自動車を運転していても、サンバイザーは欠かせません。そこで、サングラスを掛けたらイイのでは?と思ったりもしますが、クルマならいざ知らず、バイクではトンネルに入った時に、サングラスを簡単に外すことができません(汗)。次に考えたのは、スキーのゴーグルの様に、スモークやミラーなど防眩シールドを付けたらイイんじゃないの?と。しかし、こうした交換用のオプション・シールド、意外と値段が高くて、数千円から、高いものだと1万円近くもします・・・。

そこで次に選んだのは、OGKカブトの「KAMUI-3」(KAMUI-2の後継として2019年5月新発売、税込:31,900~35,200円)と、SHOEIの「GT-Air2」(GT-Airの後継として2019年4月新発売、税込:56,100~64,900円)。特にGT-Airは、比較的値段は高めなのに、価格.comの売れ筋・注目ランキングで、常に第1位の人気ぶりです!。

また、Araiの「ASTRAL-X」(税込:56,100円~63,800円)は、インナーバイザーではなく、アウトサイドにシェードを付けた”プロシェードシステム”により、運転しながらでもシェードの操作が一段と便利そう。シェード付きの外観が、イマイチ不人気の様ですが、私は結構気に入っています(笑)。ただし、あご紐(ストラップ)の留め具が、ワンタッチ式ではなく古式ゆかしい”Dリング”で、アライは値引き率が悪いのが欠点・・・(汗)。

 

こうして選んでいると、だんだんと価格に対する感覚が、麻痺してくる自分が怖い・・・(汗)。結局、だったら一層のこと、初心者バイカーには似合わない高額商品ですが、究極の贅沢?、SHOEIのシステムヘルメット「NEOTEC II」(税込:69,300円~77,000円)を買ったらいいんじゃないの?と・・・。

結局、行ったり来たり、元に戻ったりしながら、ぜんぜん決まりません(汗)。そこで、私が購入候補に挙げたヘルメットを比較できる、一覧表を作ってみることに!。

ヘルメットの選び方、ポイントは?

ヘルメットを購入する際に、一番気になるのは、やっぱり相反する「安全」と「価格」でしょう。しかし、どこかで妥協しなければ、次に進めません。そこで、ヘルメットの選び方としては、次に自分が重視するポイントを絞り込みましょう!。ヘルメットを選ぶ際に気を付けたいポイントは、「安全性」や「価格」、コストパフォーマンス以外にも、「快適性」や「利便性」にも注目したい所です。

ヘルメットの選び方のポイント快適性」としては、①ヘルメット内に湿気がこもらずシールドが曇り難いことや、②外気を取り入れやすく夏でも涼しいこと、③逆に冬では外気の流入を完全にシャットアウトできることなど、密閉性やベンチレーションの秀逸さが気になります。また、④帽体が小さくコンパクトで、⑤空力特性に優れた形状であればあるほど、風切り音が抑えられると同時に、頭や首への風圧による負担が軽減されます。ただし、⑥視界は出来るだけ広いに越したことはありません。

利便性」としては、⑦ヘルメットの脱着が容易なことや、⑧内装が取り外せて洗えること等のほか、⑨インナーバイザーやシェードが付いていること、さらには⑩システムヘルメットの様に開放性が欲しい人など、様々でしょう。

これ以外にも、人によっては、⑪メガネを掛けていてもかぶりやすいことが必須であったり、モトブログを始めたいとか、グループでツーリングに出かけたい人には、⑫「インカム」を装着しやすいことや、静粛性(遮音性)が大事になることでしょう。

 2.人気のフルフェイスを比較、一覧表

これまでに私が欲しいと思ったヘルメットを、見比べながら比較できる一覧表を作ってみました。

人気のヘルメットを比較、オススメはどれ?
メーカー
モデル名
(メーカーHP)
ヤマハ
ZENITH YJ-21
ゼニス YJ-21
OGKカブト
KAMUI-III
KABUTO カムイ・3
OGKカブト
AEROBLADE-5
エアロブレード・ファイブ
OGKカブト
RYUKI
リュウキ
SHOEI
Z-8
Z-8
SHOEI
GT-Air II
ショーエイ GT-Air2
Arai
ASTRAL-X
アライ アストラル-X
SHOEI
NEOTEC II
ショーエイ ネオテック・2
ポイント 格安システム インナーバイザー付 軽量フルフェイス 最新システム 軽量フルフェイス インナーバイザー付 アウトシェード付 SHOEIシステム
規格 JIS JIS JIS SG JIS JIS スネル・JIS JIS
製品重量※1
(重量比※2
1,860 g※2
(1.31)
1,645 g※2
(1.16)
1,450 g※2
(1.02)
1,730 g
(1.22)
1,415 g
1.0
1,579 g
(1.10)
1,630 g※2
(1.12)
1,704 g
(1.20)
価格(税別)
Graphic
28,000円
30,000円
29,000円
32,000円
32,000円
35,000円
33,000円
36,000円
51,000円
60,000円
51,000円
59,000円
51,000円
58,000円
63,000円
70,000円
ネット安値
(目安)
20,000位~
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楽天市場へ
YAHOO!へ
21,000位~
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26,000位~
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31,000位~
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※4
※4
44,000位~
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YAHOO!へ
※4
※1 製品重量は、Lサイズ(ソリッドタイプ)の重量を比較。SHOEIの製品仕様を参考にすると、MサイズはLより30g前後軽く、XLサイズはLより50~90gほど重くなっています。
※2 ゼニスYJ-21(YJ-19と同等と判断)は、ブログ主(YSP門真さん)の計測値(1.8kg少々)と、ブログ主(MT-07さん)の計量値(1.9kg)との中間値を選びました。OGKカブトのAEROBLADE-5は、Web!keニュースの実測値。ただしKAMUI-3は、KAMUIの重量。SHOEIのヘルメットは、カタログ値。アライASTRAL-Xはブログ主の計測値。
※3 重量比は、最軽量のSHOEI「Z-7」を1とした場合の比率。
※4 SHOEIは2019年6月3日より保証書制度を開始し、それに伴い現在ショウエイのヘルメットを正規購入できるのは「SHOEI正規販売店」のみとなっています。そのため、ネットショップでの購入には制約がある点、ご留意ください。
ヘルメットの重さと価格のグラフ

カラーリングモデル・グラフィックモデル、ラインナップ一覧

① ヤマハ「ZENITH YJ-21」

ゼニスYJ-21 色違い
ゼニスYJ-21グラフィック・デザイン違い

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② OGKカブト「KAMUI-III」

カムイ3 カラーバリエーション
カムイ2 デザインバリエーション(グラフィック)

 

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③ OGKカブト「AEROBLADE-5」

エアロブレード5 単色の色違い
エアロブレード5 ヴィジョン・ラッシュ

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④ OGKカブト「RYUKI」

RYUKI(リューキ) 単色の色違い
RYUKI(リューキ)・グラフィックモデル

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③ SHOEI「Z-7」

Z-7 カラーラインナップ
Z-7 色違い・デザイン違い

 

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⑤ SHOEI「GT-Air」

GTエアー カラーラインナップ
GTエアー デザイン一覧

 

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⑥ Arai「ASTRAL-X」

ASTRAL-X カラー一覧
ASTRAL-X デザイン違い

 

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⑦ SHOEI「NEOTEC II」

ネオテック2 カラーラインナップ
ネオテック2 グラフィックモデル・エクスカーション

 

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 3.おすすめのフルフェイス、写真で見比べてみよう!

ここに挙げた人気でおすすめのヘルメットのカタログ写真を集めて、そのスタイリングやイメージカラーを見比べられるように、スライドショーにしてみました。ウェアやバイクのカラーとのマッチングなどにも、参考になるかも?。

3秒ごとに自動でスクロールするスライドショーですが、ご覧の環境によってはうまく動かないかもしれません(汗)。その場合は、左右の矢印ボタンをクリックしてください。

バイカー’sファッション・ギャラリー

 4.歴代ヘルメット・オブ・ザ・イヤー

webBikeWorldwebBikeWorld」は、北米を中心に、ヘルメットやウエアーなどバイク用品の評価を発信しているWebサイトです。メーカー等からの製品提供や広告を一切受け付けず、独自で製品を購入して評価することで、ユーザー目線の公平な評価を掲載。時に辛口な評価も下すこのWebサイトは、一般ライダーからの信頼も厚く、多くのライダーが用品購入の指針としているとか。

そこで、webBikeWorldが毎年実施していた「モーターサイクル・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた、2009年から2016年までのヘルメット・オブ・ザ・イヤーの製品を一覧にしてみました。

日本メーカーでも、過去に Arai(2015年)、Shoei(2013年、2010年)、OGK(2008年)が選ばれていますが、2013年に選ばれた SHIOEIの「GT Air」は、今でも大人気の売れ筋No.1のヘルメットです。

webBikeWorldの「モーターサイクル・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」は、2017年以降は行われていませんが、2020年2月に「Best Full Face Motorcycle Helmets [2020 Update]」が発表されました。最優秀賞に選ばれたのは、やはりSHIOEIの「GT Air Ⅱ」でした!。

SHOEI フルフェイス ヘルメット GT-Air ll ジーティー エアー ツー バイク用品 ショーエイ ショーエー ショウエイ ヘルメット

価格:65,800円
(2020/7/18 14:47時点)

Motorcycle Helmet Of The Year
第12回
2016年
Nolan(伊) N87
 
第11回
2015年
Arai(日) Corsair X
(日本モデル名 RX-7X
 

SCHUBERTH(独) M1
 
第10回
2014年
Nexx(葡) SWITX SX.10
第9回
2013年
Shoei(日) GT Air
 

HJC(韓) CL-17
 
Of The Year(~2012)
第8回
2012年
Nolan(伊) N85
第7回
2011年
SCHUBERTH(独) SR1
Caberg(伊) HyperX
第6回
2010年
Shoei(日) Qwest
 

Nolan(伊) N90
第5回
2009年
Nolan(伊) N43 “Air”
第4回
2008年
OGK(日) FF-5
 

HJC(韓) FS-15
Xpeed(米) XF-705
第3回
2007年
GMAX(米) GM68S
第2回
2006年
Akuma(米) V-1 Ghost Rider
第1回
2005年
HJC(韓) CL-14

ちなみに、webBikeWorldの「Updated for 2020 Best Helmets」の各賞に選ばれたヘルメットは、以下のとおりです。

Full Face Helmet Guide(フルフェイス)

Best Full Face Motorcycle Helmets [2020 Update]

Best Overall Best Value Sleek And Simple

Shoei
GT-Air II

Scorpion
EXO-AT950

Schuberth
R2

Modular Helmet Guide(モジュラーヘルメット)

Best Modular Helmets [2020 Edition]

Best Overall Best Value Fully Loaded

Shoei
Neotec II

Scorpion
EXO-AT950

SCHUBERTH
C4 Pro

Dual Sport Helmet Guide(デュアルスポーツ)

The Best Dual Sport Helmets For The 2020 Season

Entry-Level Mid-Range High-End

Scorpion
EXO AT950

AGV
AX9

Shoei
Hornet X2

Bell
MX-9 Adventure MIPS

Klim
Krios Valiance

SCHUBERTH
E1 Adventure

Open Face Helmet Guide(オープンフェイス)

he Best Open Face Helmets For The 2020 Season

Entry-Level Mid-Range High-End

Bell
Mag 9

SCHUBERTH
M1 Pro

Arai
Ram-X

LS2
Spitfire

Shark
S-Drak Carbon

Shoei
J-Cruise

 5.ヘルメットの安全基準について

バイクに乗るのに一番大事な物は、頭を保護してくれるヘルメット!。自分の命を預けるのですから、多少値段は高くても、安心・安全で信頼のおける製品を買いたいものです。そこで、中型二輪の免許を取るにあたって、知識ゼロのオートバイ初心者が、ヘルメットのことについて少し調べてみたので、出来るだけ簡単に、サルでも分かるレベルで整理してみました。より詳しくは、他をググってみてください(汗)。

なお、私が最初に免許を取るためにamazonで買ったヘルメットは、「298(ニーキュッパ)」のジェットヘルメット!。人に話すと、『最初はそのくらいのが手頃でいいんじゃない!』と言ってくれますが、『実は、2万9,800円じゃなくて、2千980円なんだけど・・・』と話すと、呆れ返られます(笑)。でも、ちゃんと「中型以上のバイクでも、このヘルメットで公道を走っていいですよ」というお墨付きが謳われていましたので、買うことに、何の躊躇もありませんでした。それが、「PSCマーク」と「SGマーク」です。

ヘルメットの最低限の基準 PSC基準 SG基準

オートバイに乗る際には、法律(道路交通法、第71条の4)で、『大型・普通自動二輪あるいは原動機付自転車(原付)の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで運転してはならない』と、定められています。もちろん、ヘルメットをかぶらない者を同乗させることも禁止されています。そのうえで、当然ながら、乗車用ヘルメットの基準は、法令(道路交通法施行規則、第71条の4)で別途定められていますが、その基準は以下の様に結構アバウトな内容です。

  1. 左右、上下の視野が十分とれること。
  2. 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
  3. 著しく聴力を損ねない構造であること。
  4. 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
  5. 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
  6. 重量が二キログラム以下であること。
  7. 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。

しかし、こんな大雑把なレベルの法令基準では、とても安心してヘルメットを購入できません。そこで登場するのが、一般消費者の保護を目的に定められた「消費生活用製品安全法」。乗車用ヘルメット以外にも、登山ロープや石油ストーブ、乳幼児ベッド、ライターなどの製品について、その安全性基準を定めています。そして、この基準を満たす製品には、必ず「PSCマーク」を表示することが義務付けられています。これは、外国製の輸入ヘルメットについても当てはまります。たとえ「SNELL規格」(後述)のヘルメットであっても、日本国内で使うのに「PSCマーク」の認証を受けていなければ、法律違反になるので、国内のお店で販売すること自体禁止されています。海外から個人輸入で買う場合などは、ご注意ください。なお、原付と排気量が125cc以下の自動二輪車では、ハーフ形またはスリークォーターズ形のヘルメットであっても規格に適合できますが、125cc超の自動二輪車では規格に適合しませんので、ハーフ形などのヘルメットは、そもそも使うことが出来ません。

さらに、消費者を保護し、万一消費生活製品により損害が生じた場合にてん補するために設置された一般財団法人 製品安全協会が、そのヘルメットが消費者にとって安全であるかどうかを認証する、「SGマーク」を付与しています。なお、SG基準は、PSC基準と同等か、またはそれ以上の基準となっています。

したがって、ヘルメットを購入する際には、必ずこの「PSCマーク」と「SGマーク」の二つのシールが貼られている製品を選ぶようにしましょう。法令で定められた、PSC基準の最低限の安全性を担保しつつ、もし製品の不具合により損害を受けた際には、SG基準により損害が補てんされます。ちなみに、ヘルメットに貼られている、この二つのシール、絶対に剥がしてはいけないそうです!。もしマークを剥がしてしまうと、事故調査に影響を及ぼす可能性があります。

ヘルメットの望ましい基準 JIS規格

JIS規格日本国内で工業製品の品質を広く保証する基準として、最もオーソライズされた規格が、「JIS規格(日本工業規格)」です。JIS規格の、PSC基準やSG基準との違いは、JIS規格は消費者の安全保護を図るのはもちろんですが、それ以前の目的として、工業製品の品質の標準化が至上命題となっています。PSCやSG基準による、最低限の安全確保に加えて、工業製品としての品質を保証するのがJIS規格です。日本を代表する世界に冠たるアライ(Arai)やショーエイ(SHOEI)のヘルメットは、必ず「JISマーク」を取得しているので、出来ればJISマークが付いているヘルメットを選びたいところです。

JIS規格の内容なお、JISは日本独自の基準レベルと誤解されがちですが、きちんと世界各国とも連携も図られており、輸出入の障壁とならない様に、時間はかかっても、必ずすり合わせが行われていますので、ご安心あれ!。乗車用ヘルメットのJIS規格の内容を知りたい方は、JIS検索ページで、JIS規格番号「JIST8133」、あるいはJIS規格名称「乗車用ヘルメット」で検索してください。ちなみに、「JIST8133:2015」で規定されているヘルメットの種類は、「1種」が原付または125cc以下の用に供するハーフ形またはスリークォーターズ形で、「2種」が主に自動二輪で使われるオープンフェース形あるいはフルフェース形のヘルメットの規格です。

ヘルメットのその他の基準

もちろん命は惜しいし、安全は大事ですが、ある程度信頼できるレベル以上の製品なら、『コストパフォーマンスも大事』と思ってしまう私・・・(汗)。そんな胸中の人には、猫に小判、豚に真珠の域になってしまいますが、世界最高水準の安全性を担保したいという欲求に、上限を被せることは出来ません!。世界中には、JIS規格以上に厳しい安全基準を設け、ヘルメットの品質を認証する制度や仕組みが、幾つか存在しているようです。

MFJ規格
MFJ公認シールMFJ(財団法人日本モーターサイクル協会)が主催するレースに出場するためには、MFJが定める安全基準をクリアしていると認定された、「公認部品・用品(ヘルメット)」を、必ず使用しなければなりません。公認の基準は、JISマークの取得が前提となっています。
SNELL規格
snell2015公認マークアメリカのスネル記念財団によるヘルメットの安全規格です。民間による認証制度ですが、Snell(スネル)基準の試験は、世界中のヘルメットの安全基準の中でも一番厳しいと評判です(ただし諸説あり)。その規格は5年ごとに見直しが実施されており、最新の規格は「M2015」です。
ECE規格
UNECE(国際連合欧州経済委員会、単にECEとも)は、欧州の45ヶ国をはじめ、米国やカナダ、中央・西アジアの9ヶ国も加盟する、影響力の大きな地域経済委員会のひとつです。残念ながら、日本は参加していません。そのECEによるヘルメットの安全規格(最新)が、「UNECE R22-05」です。SNELL規格が、頭部への外傷を減らすためにヘルメット自体の強固さを追及しているのに対して、ECE規格は、衝撃を吸収・分散し、脳へのダメージを軽減することを重視しているスタンスの違いから、Snell基準よりECE基準を満たす方が厳しいとの意見もあります。
その他
アメリカ合衆国およびカナダの「DOT規格」、イギリスの「BSI規格」、オーストラリアとニュージーランドの「AS/NZS規格」など、日本のJIS基準に該当する各国の規格が、世界中に存在しています。それぞれの国の製品(ヘルメット)を買いたいと思っている人は、参考にしてみてください。ただし、国内で使用するには、最低でも「PSCマーク」を取得していることが前提ですよ!。
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