【デスクライト】蛍光灯とLEDを比較、おすすめはどれ?

蛍光灯をLEDに変えたら本当に安く済むのでしょうか?またデスクスタンドをLEDライトに変えて目には問題ないの?

 1.はじめに

使っていたデスクライトの蛍光灯が暗くなってきたため、適合するコンパクト蛍光ランプ「FPL27EX」の価格を調べたら、ネットショップでは500円位から買えそうですが、送料が別に掛かります。しかし、近所のホームセンターや電気店で買うと、1,500円以上もします(汗)。だったら一層のこと、いまのデスクライトは8年くらい使っていて古くなったで、そろそろLEDの新しい物に買い替えた方がいいのでは?、と思ったのが事の始まりです。

私が使っていたデスクライトは、山善(YAMAZEN)の「TDS-27(W)」という商品。2009年製で、その頃に近所の電気店で 4千円位で買った記憶があります。

TDS-27

サイズ 幅25×奥15×高40cm、1.1kg
消費電力 22W(100V、50-60Hz共用)
使用ランプ FPL27

買ってからこれまでに、蛍光ランプは2回交換しています。購入履歴から調べると、ほぼ定期的に 2年~2年半で、蛍光ランプの交換時期が来たようです。

毎日平均10時間くらい使っていると思うので、年間300日使っているとして計算すると、1年間で3,000時間。2年で6,000時間、2年半だと7,500時間となります。東芝や三菱の当該蛍光ランプのスペックを調べると、定格寿命は「7,500h」と記されているので、ほぼカタログ通りの寿命だったことが分かります。

照明器具の寿命は?

日本工業規格「LED卓上スタンド・蛍光灯卓上スタンド(勉学用・読書用) JIS C8112」によると、付属書Aにおいて、照明器具には寿命があり、以下の様な長期使用に当っての安全に関する注意項目を、取扱説明書などに表示することが望ましいと記されています。

  1. 照明器具には寿命がある旨。
  2. 交換時期は、8~10年が目安である旨。
  3. 温度や点灯時間など使用条件によって寿命が短くなる旨。 etc

2.蛍光灯とLEDのコスト比較

では、蛍光灯とLEDの「デスクライト」では、ランニングコストはどのくらい違うのか?、調べてみましょう!。

最近のLED機器は安くなっていて、蛍光灯とさほど変わらない様なので、本体価格は無視することにします。条件は、私が今まで使ってきたデスクスタンドの蛍光灯タイプを参考に、毎日10時間、年間300日点灯し、約2年半ずつ蛍光ランプを2度交換して、8年間使った場合の、電気代と、交換したランプ(蛍光灯)代を対象とします。

蛍光灯の場合

まず最初に本体を購入した際に、蛍光ランプは付属していることを前提とすると、8年間の使用で、交換のために新品の蛍光ランプ(FPL27)を2回購入したとします。

蛍光ランプ(FPL27)は、amazonなら送料無料で、約700円前後で購入できますから、ランプの交換代は2回分で、合計1,400円とします。

次に電気代ですが、私が使っていた蛍光灯(TDS-27)の消費電力は「22W」です。一般的な家庭における消費電力あたりの電気代は、26.74円/kWh(参考:エネルギーコストについて)ですから、1時間あたりの電気代は、22W×26.74円/kWh÷1000=0.588円/hと計算できます。

この場合、1日あたり10時間使うと、一日の電気代は約5.88円/日になります。年間300日使うと、一年間の電気代は、約1,764円/年です。8年間使ったとすると、総電気代は、14,112円/8年 にもなります…。

LEDの場合

まず最初に、一般的にLEDライトの照明器具は、蛍光灯の様にランプを交換できる設計になっていません。LEDランプが切れたら(点かなくなったら)、修理に出すか、買い替える必要があります!。

『じゃあ、LEDのデスクライトは、どれくらい寿命が持つのか?』と店員に尋ねると、『8~10年くらいは大丈夫だと思いますが、商品によっては数年でダメになる場合も・・・』と、あやふやです…(汗)。

そこで、Googleで『LED & デスクライト & 寿命』をキーワードに検索してみると、「LED素子の平均寿命は約40,000時間」(ツインバード工業による)だそうです。1日10時間×年間300日使ったとして、1年間だと3千時間、4万時間なら13年以上は使える計算なので、照明器具の耐用年数の8年間は十分に、LEDライトは持つと考えましょう!(運悪く粗悪品に当たってしまった場合はごめんなさい…)。

次に電気代ですが、amazon売れ筋ランキングで上位のLEDデスクライトの定格消費電力(最大点灯時)を調べると、6~8Wの商品が多い様です。8Wとして、これに消費電力あたりの電気代 26.74円/kWhを乗じると、1時間あたりの電気代は、8W×26.74円/kWh÷1000=0.214円/hと計算できます。

この場合、1日あたり10時間使うと、一日の電気代は約2.14円/日になります。年間300日使うと、一年間の電気代は、約642円/年です。8年間使ったとすると、総電気代は 5,136円/8年、蛍光灯の場合の約3分の1です!。ただし、調光機能が付いている照明器具をMAXの明るさで使い続けることは滅多にないので、明るさを抑えれば、電気代はもっと安くなります。

8年分を比較した結果は?

以上、蛍光灯(TDS-27)とLED(TT-DL13)のデスクライトについて、1日10時間、年間300日、8年間使用した場合のランニングコストを比較した結果が、下表です。LEDのデスクライトを使った方が、蛍光灯に比べて、ランニングコストは『8年間で約1万円もお得』、という計算結果になりました。つまり、LEDのデスクライトを買うなら、蛍光灯のデスクライトより1万円くらい高い、ステキなデスクライトが買える計算です(笑)。ただし8年間、LEDライトの寿命が必ず持つという前提ですが…。

蛍光灯とLEDのランニングコスト比較(8年間で)
蛍光灯 LED 差額
交換ランプ代 1,400円 0円 ▲ 1,400円
電気代 14,112円 5,136円 ▲ 8,976円
合計 ▲ 10,376円
(1,297円/年)
※ 1日10時間、年間300日、8年間使用した場合。
※ 蛍光灯は定格22W、LEDは8Wで試算。調光機能のあるLEDは明るさを抑えれば更に電気代は安くなります。

3.LEDライトは目に問題は無いのか?

果たして、蛍光灯が目に良いのか悪いのか、全く知りませんが、蛍光灯が日本で製造され市販されるようになったのが1950年前後のことなので、蛍光灯が世に普及して半世紀以上は経っていると思われます。その間、蛍光灯による健康被害訴訟といった話は聞いたことがないので、まぁ大丈夫なんでしょう(汗)。

一方、LEDランプが本格的に世に出だしたのは2009年以降のことなので、まだ10年ほどしか経っていません。しかし、2011年3月の東日本大震災後の政府の節電要請を受けて、補助金制度などの活用もあり、一気に普及が加速しています。矢野経済研究所の調べによると、2018年の照明器具の販売額(見込)は、従来光源照明器具が375億円なのに対して、LED照明器具が7,700億円と、約 20倍にもなっています。2年前の2016年時点では、まだその差は 5倍以下でしたから、この数年間でまさに劇的な変化を遂げています!。政府では、2020年までにフローでLEDランプのシェアを100%に、2030年までにストックでも普及率100%の達成を目指しています。

では、LEDのデスクライトを使っていても、目には、何の問題も無いのでしょうか?

LED照明器具およびランプの普及率の推移

明るさ

デスクライトは、手元を明るく照らして、読書や作業をしやすくするための電気器具ですが、LED式のデスクライトの場合、古い製品や、性能の低い製品だと、そのための十分な明るさが確保できない商品があるようです。

日本工業規格では、卓上スタンドの明るさについて、基準を定めています。「AA形」(可搬式)では、光源から30cm離れた場所で500ルクス以上を、「A形」(据置式)では300ルクス以上と定められています。消費者庁でも、前者を「精細作業用」、後者を「読書用」と表示するよう指導しています。したがって、デスクライトの性能としては、せめて「読書用」と表示できる【A形相当】以上の商品を選択すべきしょう。

卓上スタンドの品質規格「JIS C8112」とは?

JIS規格AA形とは日本工業規格「LED卓上スタンド・蛍光灯卓上スタンド(勉学用・読書用) JIS C8112 : 2014」では、可搬式の卓上スタンド(AA形)の場合、光源中心直下の点を中心としたスタンドの前方半径50cmの1/3円周上において「250ルクス以上」、半径30cmの1/3円周上において「500ルクス以上」の照度が必要とされています。この試験に適合しないと、JIS規格は貰えません(汗)。なお、据置式(A形)の場合は、それぞれ150/300ルクス以上となっています。

区分半径50cm半径30cm
AA形250Lx以上500Lx以上
A形150Lx以上300Lx以上

なお、消費者庁では、卓上スタンド用蛍光灯器具の『製品別品質表示の手引き』において、JIS C8112に規定する測定方法により、半径30cmの1/3円周上での照度に応じて、以下の様に表示することを指導しています。
 「精細作業用」… 500ルクス以上
 「読書用」  … 300ルクス~500ルクス未満
 「一般作業用」… 300ルクス未満

ただ、LEDデスクライトの商品スペックを調べても、なかなかこうした詳細なデータが示されていない商品も多数存在します。そこで、PanasonicのLEDデスクスタンドで調べてみると、2021年6月発売の新製品新製品SQ-LD420」は【JIS規格:A形相当】を、同じく2021年6月発売の「SQ-LD560」は【JIS規格:AA形相当】を達成しています。

これ以外にも様々な商品のスペックを見比べてみると、JIS規格相当が表示されていない商品で、かつ照度(ルクス、Lx)のスペックも記されてない場合は、光束であれば最低でも400ルーメン以上、できれば800ルーメン以上を、消費電力は少なくとも7ワット以上の商品を選んだ方が、明るさ的には安心できそうです(あくまで私見です・・・汗)。
ちなみに、「光束」とは、照明器具から発せられる光の束の量を示し、単位は『ルーメン(Lm,lm)』です。一方、「照度」とは、光に照らされた机上や部屋の明るさを示し、単位は「ルクス(Lx,lx)」です。

見やすさ

LEDのデメリットのひとつに、「多重影」(マルチシャドウ)の問題があります。多重影とは、放射状に幾つもの影が出来ること。LED照明の場合、光源となる小さなLED球を幾つも並べて、全体で明るさを確保するため、至近距離で利用するデスクライトだと、その光源の数だけ影が発生する、「多重影」が起きやすくなります。多重影は、眼精疲労などの原因にもなると言われており、目への負担が大きくなります。

ただ、最近の性能のよいデスクライトだと、この多重影が技術的に発生しないように処理されています。

また、「見やすさ」という点においては、①より自然光に近い演色評価数(演色値)であること(Ra値が大きいほど太陽光(100)下での見え方に近い)、②眩しすぎない明るさに調節できるよう多段階や無制限の「調光機能」があること、さらに出来れば、③部屋の照明とデスクライトの色温度を合わせられる「調色機能」が付いていると、「目に優しい」商品と言えるでしょう。

LEDデスクライトを選ぶポイントは?

したがって、LEDデスクライトを選ぶ際には、以下の点に留意して、商品を選ぶ必要があります。

ちなみに、蛍光灯の卓上スタンドの場合は、比較的安価な商品でも、明るさ的には十分な性能が確保されているものがほとんどです。私がいま使っているデスクライトの蛍光ランプ「FPL27EX」の場合で調べてみると、全光束は1,800Lmで、演色性は84Raとなっています。そこそこ高価なLEDデスクライトと比較しても、遜色ないか、上回るスペックです。

光色(色温度) 3波長形昼白色(5000K)
全光束100時間後 1800Lm(66.7Lm/W)
演色性 84Ra

4.おすすめの目に優しいLEDデスクライト

確かに性能は良いに越したことはありませんが、全部の性能を高次元で要求すればするほど、価格的にも高額な商品になってしまいます(汗)。ここでは、購入金額の目安ごとに、人気の商品をピックアップして、「おすすめの目に優しいLEDデスクライト」のスペックを比較してみることに!。

①5千円位までなら

DS-LE85AG-W (オーム電機) https://www.ohm-electric.co.jp/

【JIS規格 A形相当】
 【主要スペック】 470Lm、Ra-、8.5W
 【主要機能】 3段階調光、3段階調色

【おすすめPoint】 2020年3月発売の商品なのに、この価格にして3段階の調色機能を搭載!。30%・60%・100%の3段階調光はちょと残念ですが、コストカットのためと割り切れば、コストパフォーマンスはとても高くておすすめです(笑)。

LDL-501RN-W (アイリスオーヤマ) https://www.irisohyama.co.jp/

【JIS規格 AA形相当】
 【主要スペック】 2200Lx(直下)、Ra85、9.2W
 【主要機能】 無段階調光

【おすすめPoint】 2020年7月発売の商品です。旧モデルの「LDL-501」なら、今だと3,500円くらいで買えますが、1千円くらい高くても、新型にはUSB電源とスマホスタンドが付くので便利です。片側に張り出す形のスタンドですが、なんと土台とライトの向きを反転でき、右利き・左利きの両方に対応しています!。

②6~9千円位なら

TT-DL13 (TaoTronics) https://www.taotronics.jp/

【主要スペック】 410Lm、Ra93、12W
 【主要機能】 7段階調光

【おすすめPoint】 アマゾンで売れ筋No.1商品!。93以上という高い演色指数を実現し、長時間の読書でも疲れにくい読書モード、脳の活性化・問題の分析・処理能力に適し勉強集中を促すスタディモード、疲れを癒す落ち着いたリラックスモード、就寝時に最適なスリープモードと、目的に合わせた4つの色温を標準装備。

AS-L60M-K (オーム電機) https://www.ohm-electric.co.jp/

【主要スペック】 660Lm、Ra-、10W
 【主要機能】 無段階調光

【おすすめPoint】 大きく見える拡大レンズ約2.25倍の L-ZOOM ルーペ付きLEDアームライト。クランプタイプのデスクライトで、上アームの長さが49cm、下アームが48cmと、可動範囲が広いです。2020年4月発売の製品ですが、旧モデルの「AS-L8095-2B-W」(2017年3月発売)なら、ショップによっては5千円以下の価格まで値下がりしています。在庫のあるうちがお買い得ですよ!(笑)。

③1万円位なら

Z-LIGHT Z-10R (山田照明) https://www.yamada-shomei.co.jp/

【JIS規格 AA形相当】
 【主要スペック】 1055Lm、Ra90以上、12W
 【主要機能】 無段階調光(5~100%)

【おすすめPoint】 色の再現性に優れた高演色LEDを採用し、高いデザイン性と機能性で大人気の、山田照明のZライトシリーズ!。従来モデル「Z-10N」に、高演色LEDを搭載した「Z-10R」が2020年新登場!自然光に近い光で目に優しく肌色もきれいに見えます。色もブラック・シルバー・ホワイトの3色展開、ステキな在宅テレワークの仕事場を演出してくれます!(笑)。

SQ-LD515 (Panasonic) https://panasonic.jp/

【JIS規格 AA形相当】
 【主要スペック】 1025Lm、Ra83、11W
 【主要機能】 無段階調光(20~100%)

【おすすめPoint】 大人気のパナソニック SQ-LDシリーズ、実は私も SQ-LD525 を愛用しています(笑)。以前のタイプより上アームが長くなり、高さを一定に保ちながら水平方向に動かせるなど、高い可動性が魅力です!。安心のパナソニック製も、おすすめポイント。「SQ-LC516」は、ベースがクランプ式になっています。旧型の「SQ-LD525」なら、少しお安くなっています(笑)。

④何万円でも!なら

L01A-BK (バルミューダ) https://www.balmuda.com/

【主要スペック】 430Lm、Ra97以上、14W
 【主要機能】 6段階調光(15~100%)

【おすすめPoint】 2015年に、トースター界に革命を起こした「BALMUDA The Toaster」。あのバルミューダが、2018年10月に発売したのが、子どもたちの目を守るために開発したデスクライト「BALMUDA The Light」です!。医療用の手術灯をヒントに開発した独自の構造で、離れた場所から広く手元を照らし、利き手の反対側に置くことで、子どもの目線の先に影を作らない光を実現しています。演色評価数(Ra)は97以上、自然界の波長に近い太陽光LEDを搭載し、本来の色を再現します。さらに、ブルーライトのピーク波長は、一般的な白色LEDライトの約半分というから驚きです!。お値段も驚きの、37,000円(税別)。

CSYS Desk (ダイソン) https://www.dyson.co.jp/

【主要スペック】 808Lx(4000K)、Ra80、12W
 【主要機能】 無段階調光

【おすすめPoint】 あのコードレス掃除機で世界中を席巻するダイソンが開発した、リラックス空間のための強力なタスクライト「CCYS」(シーシス)。ヒートパイプテクノロジーを活用したという強力な光と、バネや軸接手が全く無いのに平行、垂直、360°回転、いずれにも自在に調節できるという、革新的なスタイリッシュさが最大の魅力!。高精度の調光機能も有し、タッチセンサー式連続調光機能が、どんな場面にも最適な明るさを実現します。メモリ内蔵で、お好みの明るさを再現します。ベースがクランプタイプの「CSYS Clamp」、高いフロアースタンドタイプの「CSYS Floor」もあります!。

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