暖房器具のランニングコストを比較、安いのはどれ?

灯油ストーブは灯油を入れるのが面倒。カーボンヒーターは電気代が高くつきそうで心配。そこで、どの暖房器具のランニングコストが安いか比較してみることに!

新着記事 ページの情報を2022年モデルに更新しました(2022/11/6)。
関連ページ、「暖房器具ランニングコスト対決、安いのはどっち?」、「石油ファンヒーターの選び方、比較して賢く選ぼう!」、「エアコンのランニングコスト、電気代は幾ら?」も、ぜひご覧ください。

 1.エネルギーコストについて(電気代・灯油代・ガス代)

器具別の暖房コストを比較する前に、まず電気・灯油・ガスの、単位使用量あたりの単価を計算しておきます。

電気

家庭における電気の使用量(=電気料金)は、家族構成や住居形態によって異なります。そのため、親2人・子2人の家族4人暮らしといった“平均的な一般家庭”を想定して電気料金単価を決めると、一人暮らし等での電気料金単価と異なるため、コスト比較を見誤まってしまう可能性があります。また、昨今では様々な新電力料金プランが登場し、昼間と夜間での料金単価が大きく異なる家庭も多くあります。

そこで、単位電力量あたりの平均単価を設定するにあたり、ここでは全国の家庭部門における総電力消費量から求められた、一世帯あたりの電力消費量(1ヶ月平均≒300kWh/月)から、最も契約件数が多い東京電力の「従量電灯B」という電気料金メニューで電気料金(月額)を計算し、それを消費量で割ることで、電気の単価を求めることにします。ちなみに、300kWh/月というと、2人暮らし世帯の平均(320kWh/月)に近い消費電力量です。

世帯人数 平均電気代 電気代単価
一人暮らし 5,482円/月(158kWh) 34.7円/kWh
2人世帯 9,183円/月(320kWh) 28.7円/kWh
3人世帯 10,655円/月(370kWh) 28.8円/kWh
4人世帯 11,376円/月(400kWh) 28.4円/kWh
5人世帯 12,423円/月(450kWh) 27.6円/kWh
6人以上世帯 14,852円/月(560kWh) 26.5円/kWh
※ 2021年 総務省「家計調査」より

従量電灯B”は、昼間の在宅が多い家庭や、時間帯や曜日を気にせずに電気を使いたい方におすすめの、古くからあるスタンダードなメニューです。10~60A(アンペア)までの契約で、60kVA以上の場合は“従量電灯C”の契約になりますが、基本料金が変わるだけで、従量料金はBでもCでも同じです。一般家庭での契約で最も多いアンペア数は、以前は30Aと言われていましたが、オール電化の家庭が増えて、今では40Aの契約数が多くなっています。

2022年11月現在、東京電力の電気料金単価表(従量電灯)によると、従量電灯B(40A)の基本料金は 1,144円で、ここ何年も変わりありません。また電力量料金は、120kWhまでが 19.88円/kWh、120kWhを超え300kWhまでは 26.48円/kWhで、こちらも数年前と変わりありません。

実はこの他に、燃料費調整(原油・LNG・石炭の燃料費の変動に応じて料金を調整する額)として5.13円/kWhが掛かります。3年前(2019年12月分)は-2.00円/kWhだったので、300kWh/月だと(5.13+2.00)×300=で、2,139円/月も多くなっています。また、再生可能エネルギー発電促進賦課金として 3.45円/kWh(2022年5月分から2023年4月分まで、3年前は2.95円/kWhだったので3年間で0.5円/kWhアップ)が賦課されます。なお、口座振替割引などで減額される分もありますが、ここでは無視させて頂きます。

電気料金の内訳

以上から、一世帯あたりの電力消費量(平均)を 300kWh/月として、従量電灯B(40A)契約により電気料金(月額)を計算すると、8,581円/月となります。

基本料金(1,144円)+電力量料金(7,152円)+燃料費調整(1,539円)+再生促進金(1,035円) = 合計10,870円

※ 3年前(8,581円)と比べると2,289円/月も高くなっています…。

2385.6

したがって、今年(令和4年11月現在)の「電気の使用量あたり単価」は、36.2円/kWh(=10,870円÷300kWh)とします。3年前と比べると、電気料金の単価は 7.6円/kWh(+26.6%増)も高くなっています…(汗)。

灯油

灯油の価格は、原油の先物相場の変動に大きく影響を受けます。

例えば、代表的なWTI原油価格で見ると、近年は世界経済の発展により上昇を続けてきましたが、それでも2002年ごろまでは1バレルあたり25ドル前後で推移していました。それが、新興国の石油需要の急増と中東地域の地政学リスクの増加により、2008年には145.29ドルという史上最高値を記録します。しかし、その直後のリーマンショックにより、2008年後半には40ドルを割り込むまでに下落します。その後も浮沈を繰り返し、2020年4月には新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて一時は14ドル台まで下落したものの、その後は一転、アフターコロナを見越した投機筋の買いにより急騰、2022年6月には一時120ドルを突破し、過去最高値に迫るまでに…。しかし、その後は世界的な物価高や金利高騰による景気の後退懸念が強まり、2022年11月現在、90ドル前後で推移しています。

2022年10月時点での、東京都区部の灯油小売価格の平均2,187円/18リットル(詰め替え・店頭売り)となっています。3年前の10月は1,849円、2年前は1,710円、去年は1,964円だったので、ここ数年では1~3割近くも高くなっています。

灯油代の推移

今年(2022年11月現在)の「灯油の使用量あたり単価」は、121.5円/L(=2,187円÷18L)で計算したいと思います。

ガス(都市ガス)

最近はオール電化の家庭も増えましたが、一方でガスで暖房までを賄う家庭もあり、世帯ごとで何のガス器具を使っているかや季節によって、ガスの消費量は大きく異なります。一般的には、平均的な家庭における1ヶ月のガス使用量は、30m3~50m3と言われています。そこで、ここでは間を取って、1ヶ月間で 40m3のガスを使ったとして、ガスの使用料あたり単価を計算してみます。

東京ガスのガス料金の計算方法に従って計算すると、1ヶ月のガス使用量が40m3の場合、ガス料金表の「B表」の料金体系が適用になります。東京地区等の場合、基本料金は 1,056.00円(3年前と変わらず)、単位料金は 180.17円/m3(2022年11月検針分、3年前の127.51円/m3と比べると41%増)ですから、40m3のガスを使う家庭のガス料金(月額)は、8,263円/月となります。

基本料金(1,056円)+従量料金(180.17円/m3×40m3=7,207円) = 合計8,263円

※ 3年前(6,156円)と比べると34.2%も高くなっています…。

したがって、今年(2022年11月現在)の「ガスの使用量あたり単価」は、206.6円/m3(=8,263円÷40m3とします。

電気・灯油・ガスの値上がり度を比較

今年(2022年11月現在)と3年前(2019年11月現在)の、電気・灯油・ガスの使用料あたり単価を比べてみると、電気は28.6円/kWhから36.2円/kWhに26.6%アップ、灯油は109.8円/Lから121.5円/Lに10.7%アップ、ガスは153.9円/3から206.6円/m334.2%アップしています。

一番値上がり幅が大きいのはガス料金となっていますが、電気代はここでは大手電力の規制料金を元に計算していますので、原油価格の高騰により逆転した自由料金の契約に比べて割安に抑えられていますが、来年以降はどこまで値上げされるか分かりません。その一方で、灯油代だけは、今のところ比較的値上がり幅が抑えられています!。

 2.暖房機器のランニングコストの計算と比較

つぎに、各暖房機器のランニングコスト(電気代・灯油代・ガス代)を計算して、どの暖房器具が安いか比べてみましょう。

なお、電気料金やガス料金は、基本料金に従量料金が上乗せされる仕組みで、かつ燃料調整費でプラス・マイナス調整されるため、各暖房器具の消費電力量に、単純に従量料金を乗じただけでは、ランニングコストを比較することができません。

そこで、ここでの単位コストの計算には、先に試算した、一般的な世帯における月額料金を使用数量で割った単価を用いて計算することにします。

・電気代=36.2円/kWh
・灯油代=121.5円/L
・ガス代=206.6円/m3
暖房器具のランニングコスト比較(1時間あたり)
電気エアコン
カーボン/グラファイト/シーズヒーター
セラミックファンヒーター
オイルヒーター
電気カーペット
電気こたつ
石油ファンヒーター
石油ストーブ
ガスファンヒーター

(1)エアコン

S22ZTESエアコンの場合、低温から設定温度まで急速に温度を上げるスタート時に、とても大きな電気を消費し、室温が安定すれば省エネモードなどの働きで、比較的消費電力は少なくて済むようになっています。したがって、カタログに掲載されている電力量のどの値を平均的な数値として採用するかが、ランニングコストを計算する上で、とても大きな問題です。

よく家電量販店のポップ広告で目にする「年間電気代」は、製品のカタログに掲載されている期間消費電力量(JIS C9612:2013)に、平均的な電気料金(約27円)を掛けて計算されたものですが、東京をモデルにしているとは言え、実際の使用時間などを考えると、あまり現実的では無いように思います。具体的に示すと、東京にある平均的な木造住宅(南向)において、冷房期間(5月23日~10月4日の135日間)と暖房期間(11月8日~4月16日の160日間)に一日18時間、エアコンをONにしていた場合、どれほど電気を消費するかを外気温の変化から計算し、全期間の消費電力量を合算した値です。ところが実際には、めちゃくちゃフル稼働している時間帯もあれば、まったく使われない期間もあるため、これを均して求めたランニングコストは、通常の使用時のランニングコストの感覚とは、ちょっと開きがありそうです(汗)。

例えば、2022年11月5日現在、価格.comの「壁掛けエアコン」部門で、売れ筋ランキング&注目ランキング共に1位の「ダイキン S22ZTES」の場合、カタログ(右図)に掲載されている期間消費電力量は 717kWhです。これに今年の電気代の単価(36.2円/kwh)を掛けると、1年間のトータルの電気代は、25,955円であると計算できます。これを冷房期間135日間と暖房期間の160日間の年合計295日間、一日18時間のトータル5,310時間で割ると、4.9円/hとなり、とてもリーズナブルなランニングコストが弾き出されます!

しかし、実際に冷暖房で使用している際には、もっとフル稼働に近い状態で利用していると思うので、この総平均単価が通常のランニングコストの平均だと考えてしまうと、大きな間違いです。そこで、ここでは、定格出力の状態を基に、ランニングコストを計算してみたいと思います。

例えば、S22ZTESの暖房時の消費電力は、定格で470W、製品能力的には130W~1,280Wの範囲となっています。この定格出力(470W)で運転している状態の電気代は 17.0円/hです。ちなみに、アイドリング状態の最低能力の130Wなら 4.7円/h、MAXパワーでフル出力状態の1,280Wなら 46.3円/hとなります。つまり、期間消費電力量から計算したランニングコストは、『ずっとアイドリング状態で動かし続けているエアコンのランニングコスト』とほぼ同じ結果となってしまいます。したがって、ここでは、期間消費電力量ではなく、定格出力の方を採用することにしました。

この考え方に従って、まずは 大型エアコンの場合を、計算してみましょう。

令和4年11月5日現在、価格.comの“エアコン・クーラー”の「売れ筋ランキング」で、“暖房29畳まで(23~29畳)”の最大クラスで売れ筋の商品は、ダイキンの「うるさらX S90ZTRXP」(ネットの最安値で 20万円前後)です。

このエアコンの暖房消費電力は、2,970W(120~3,960W)となっています。したがって、定格出力時の電気代は 約 108円/h(=2.97kW×36.2円/kwh)となります。ちなみに、このエアコンは暖房だと23~29畳用なので、中間を取って26畳の部屋で使うとすると、1畳あたりでは 4.1円/h畳となります。


次は、小型エアコンの場合です。

同じく価格.comで、小型・低価格帯のエアコンの中でトップに君臨しているのは、先ほど紹介したダイキンの「S22ZTES」(最安値で 4万円台から)です。

このエアコンの暖房消費電力は470W(130~1,280W)なので、定格出力時の電気代は 約 17.0円/h(=0.47kW×36.2円/kwh)となります。ちなみに、このエアコンは暖房5~6畳用なので、5.5畳の部屋で使うとすると、1畳あたりでは 3.1円/h畳となります。


大型エアコンと小型エアコンでは、ランニングコストが約108円/hから17.0円/hと、その差は6倍以上にもなります。だったら『小型の方がいいじゃん?』とはなりませんので、ご注意を!。それぞれ、暖房のめやすは鉄筋洋室で29畳程度と6畳程度と謳われているとおり、その大きさの部屋を同じ温度に温めるのに必要な電気代です。エアコンで暖房した場合、「1畳あたり 3~4円/時間」程度と考えたら良さそうです。もし小型のエアコンで、29畳もの部屋を暖めようとしたら、電気代はもっと掛かってしまうかもしれませんし、そもそも目的の温度まで温められないか、途中で壊れてしまうかもしれません…(汗)。部屋の大きさに見合った性能のエアコンを使うのが、電気代を節約することにも繋がります!。


(2)カーボン/グラファイト/シーズヒーター(遠赤外線ヒーター類)

電気ストーブの様に発熱体に電気が流れることによって発光し対象物を温めてくれますが、カーボンヒーターや最近流行のグラファイトヒーター・シーズヒーターは、遠赤外線を発生させることで、人体の表面だけでなく内側も温まることができ、電気ストーブより熱効率が高いのが特徴です。以前は、ハロゲンランプを発熱体に使った「ハロゲンヒーター」も多く売られていましたが、エネルギー効率がカーボンヒーターより劣ることや、ハロゲンランプが眩しいうえ耐久性が短いので、最近は炭素繊維を使った「カーボンヒーター」が主流になっています。そして最近では、同じ炭素繊維でも黒鉛を発熱体に使った「グラファイトヒーター」が売り出され、人気になりつつあります。カーボンヒーターよりも立ち上がりが早く、赤外線の照射量もカーボンヒーターより多いのが特徴です。また、ニクロム線を絶縁体で包んで金属管で覆ったものを発熱体にした、「シーズヒーター」も最近の流行りです。遠赤外線放射量がカーボンヒーターより高く、発熱体が破損しにくいメリットがあります。そして最近では、カーボンヒーターの速暖性とシーズヒーターの遠赤外線効果を兼ね備えた「ツインヒート」タイプのヒーターも発売されています!。ただし、何れのタイプも空間的な暖房能力は期待できず、スポット暖房としての利用に限られます。

こうした遠赤外線ヒーター類の中で、現在価格.comの人気売れ筋ランキングで最も注目度が高い製品が、日本エー・アイ・シーの「Aladdin AEH-G100B」(最安値で 11,000円前後)です。

この機種の消費電力は1,000Wなので、これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 36.2円/hとなります。


 

一方、消費電力が900W以上の高出力カーボンヒーターで今の売れ筋商品は、YAMAZENの「DC-W092」(最安値で 9千円前後)です。

この機種の出力設定は、450Wと900Wの2段階で切換が出来ます。それぞれの消費電力に電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は約 16.2円/h~32.6円/hです。冬の間、弱と強とで半々に使うと想定すると、1時間あたりの電気代は、中間を取って 約 24.4円/hとなります。出力を強弱切り替えできるタイプのカーボンヒーターだと、使い方によって電気代を節約できるのがメリットですね!。


 

一方、低出力・低価格のカーボンヒーター(遠赤外線ヒーター)で、今の売れ筋商品は、テクノスの「CHI-310」(最安値で 4千円前後)です。

この機種の出力は、1灯式の300Wです。これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 10.9円/hとなります。

上記の900Wクラスの機種とは、電気代に2倍もの差がありますが、その分暖かさが違うということなので、何卒ご留意を。


(3)セラミックファンヒーター

セラミックファンヒーターとは、電気を熱源としたファンヒーターのことで、簡単に言えば電気ストーブにファンを付けて温風を送ることで、照射範囲が限られる電気ストーブより空間的に広い範囲を暖めることが出来ます。コンパクトで軽いので、簡単に持ち運べて、コンセントさえあれば石油ファンヒーターの様に給油の手間も要らないメリットがあります。一方デメリットとしては、エアコンほど広い部屋を強力に暖めることは出来ませんし、エアコンのヒートポンプの様に省エネ性能も高くありません。暖かい地域であれば、冬に台所や勉強部屋で机の下の足下を温めたりする使い方、寒い地域では人感センサー付きのセラミックヒーターをトイレ内で使うと便利です。

セラミックファンヒーターの価格.comでの人気は「パナソニック DS-FS1200」(最安値で 8千円台)ですが、寒い長野に暮らす私はトイレで使いたいので、人感センサー付きの「アイリスオーヤマ PCH-125D」(最安値で 5千円位)を断然おすすめします(笑)。

この機種の消費電力は1,200Wですから、これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 43.2円/hとなります。


(4)オイルヒーター

オイルヒーターの一番の売れ筋製品は、DeLonghi(デロンギ)の「アミカルド RHJ35M1015」(6~10畳用/1,500W、最安値で3万円前後)です。

この機種の消費電力は、弱:600W/中:900W/強:1500Wの3段階切換式で、設定温度に応じて自動的に最適な消費電力で運転してくれます。オイルヒーターは、電気ストーブやカーボンヒーターなどの様に、局所的な暖房効果を期待する暖房器具ではなく、エアコンと同様に、部屋全体を暖めて快適に過ごすための暖房器具です。部屋全体が温まり、平常運転になれば消費電力も少なくて済みますが、急速に部屋全体の温度を上げる能力は乏しいのが実情です。そのため、部屋全体が温まるまでには、結構な時間がかかるので、その間の消費電力は大きくなります。

オイルヒーターはエアコンと同じく使用環境によって大きく変わるので一概に評価することは難しいのですが、ここでは比較的長時間使用することを想定し、電気代の計算には中間の消費電力 900Wを使いたいと思います。これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 32.6円/hとなります。


(5)電気カーペット(ホットカーペット)

電気カーペット(ホットカーペット)の、価格.comにおける売れ筋商品は、パナソニックの「DC-2NK」(2畳用、実売で12,000円前後)です。

この2畳用ホットカーペットの消費電力は490Wで、これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 17.7円/hとなります。ただし、ホットカーペットは温度調整ができるので、メーカーが公表している1時間当たりの電気代(目安)は、室温15℃で中設定だと約 6.2円/h、高設定だと約 9.0円/hとなっています。しかし、昨今電気代が高騰しているので、これの3割増しと考えると、約 8.1円/h~11.7円/hとなります。私の住む長野だと冬に室温が15度というのは条件が緩すぎるので、常に高設定として、ここでは1時間当たりの電気代(目安)は 約 11.7円/hを採用したいと思います…。


(6)電気こたつ

電気こたつの、価格.comにおける今の売れ筋ランキング・トップは、YAMAZEN(山善)の「ESK-607」(60cm×60cmの正方形、最安値で 8千円前後)です。

このコタツの消費電力は300Wですが、無段階で温度を調整できます。電気コタツは温まるとサーモスタットが働きますし、普通はコタツを最強で使うことは無いですから、平均的な消費電力量は半分の 150Whと想定します。これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 約 5.4円/hとなります。


(7)石油ファンヒーター

石油ファンヒーターの、現在の売れ筋人気商品は、「ダイニチ FW-32S3」(木造9畳・コンクリート12畳用、最安値で 15,000円前後)です。

この石油ファンヒーターの暖房出力は 3.20~0.74kWで、タンク容量と燃焼継続時間から計算した燃料消費量は(大火力)0.311L/h~(消化力)0.072L/hです。また石油ファンヒーターは、燃焼と温風を吹き出すために電気を使い、その消費電力は弱で52W・強で98Wです。なお、点火時には370W、待機時でも1.0Wを消費しますが、ここでは無視します。

灯油の平均的な消費量は、強と弱の中間値と想定すると、1時間あたり0.192L/hで、これに灯油代単価 121.5円/Lを掛けると、灯油代は 23.3円/hとなります。また電気代の計算では、こちらも強と弱の間を取って75Wと想定すると、これに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 2.7円/hとなります。灯油代と電気代を合計すると、1時間あたりのランニングコストの合計は 約 26.0円/hとなります。

※「石油ファンヒーター、比較して賢く選ぼう!」のページも、是非ご覧ください!


(8)石油ストーブ

石油ストーブの、現在の人気売れ筋商品(木造6畳・コンクリート8畳用)は、「コロナ RX-2222Y」(最安値で 9千円前後)です。

この石油ストーブの暖房出力は2.24kWで、燃焼継続時間は約17時間、石油タンク容量は3.7Lです。タンク容量と燃焼継続時間から計算すると、燃料消費量は約 0.218L/hとなります。これに灯油代単価 121.5円/Lを掛けると、1時間当たりの灯油代は 約 26.5円/hとなります。


(9)ガスファンヒーター(ガスストーブ)

ガスファンヒーターの、現在の売れ筋一番人気は、「リンナイ RC-U5801PE」(木造15畳・コンクリート21畳用、最安値で 5万円前後)です。

このガスファンヒーターの暖房能力は 5.81kWです。燃料(ガス)消費量は、都市ガス(13A)の場合で5.81kW(5,000kcal/h)となっています。またガスファンヒーターは、燃焼と温風を吹き出すために電気を使い、その消費電力はプラズマクラスターとの同時使用で18Wです。

平均的なガス消費量として、石油ファンヒーターの場合に強と弱の中間値としたことに準じて、仕様の半分の2.905kW(2,500kcal/h)と想定します。ちなみに、ガス機器のガス消費量は、おおよそ1kcal/h=1.163Wです。また、都市ガス(13A)の1m3あたりの発熱量は、45メガジュール(10,750kcal/h)ですから、1時間あたりのガス消費量は、約0.233m3(=2,500÷10,750)となります。これに、ガス代単価 206.6円/m3を掛けると、都市ガス代は 48.0円/hとなります。また電気代の計算では、18Wに電気代単価 36.2円/kwhを掛けると、1時間あたりの電気代は 0.65円/hとなります。ガス代と電気代を合計すると、このガスファンヒーターの1時間あたりのランニングコストの合計は 約 48.7円/hとなります。


 

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