【直木賞2016】候補作・受賞作 紹介

平成28年度の直木三十五賞において、候補作として選考にノミネートされた全小説の一覧です。

※ 2016年度の芥川龍之介賞の候補作・受賞作は、【芥川賞2016】のページへ!

 2016年下半期 直木賞

候補作 一覧

第156回(2016年下半期)直木賞にノミネートされたのは、5作品。そして直木賞に選ばれたのは、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』でした。

恩田おんだりくさん(女性)プロフィールは、青森県青森市生まれ、宮城県仙台市出身の52歳。早稲田大学教育学部を卒業後、生命保険会社に勤めながら執筆活動を始めますが、多忙で本が読めずに4年で退職。退職後に書き終えた『六番目の小夜子』が第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補に選ばれ、1992年に刊行デビュー。2004年には『夜のピクニック』が第26回吉川英治文学新人賞に選ばれ、第2回本屋大賞を受賞。これまで直木賞の候補には、2005年の第133回に『ユージニア』 、第134回に『蒲公英草紙』、2008年の第140回に『きのうの世界』、2011年の第146回に『夢違』、2013年の第149回に『夜の底は柔らかな幻』が選ばれ、今回が6度目で嬉しい受賞となりました。なお、同作品は第14回本屋大賞も受賞。直木賞と本屋大賞のW受賞、ならびに、同作家の2度目の本屋大賞受賞は史上初めて。受賞作の『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを舞台に、亜夜、明石、マサル、塵(じん)という世界を目指す若き4人のピアニストたちの挑戦、才能、運命、そして成長を描いた作品です。


第156回直木賞 候補作一覧
 

十二人の死にたい子どもたち
冲方丁
直木賞 受賞

蜜蜂と遠雷
恩田陸
 

室町無頼
垣根涼介
 

また、桜の国で
須賀しのぶ
 

夜行
森見登美彦

候補作紹介(内容、あらすじ)

十二人の死にたい子どもたち

著者:冲方丁

子どもたちが選ぶのは死か、それとも

安楽死をするために集まった十二人の少年少女。そこには謎の十三人目の死体があった――。彼らは、このまま安楽死を実行できるのか。(文藝春秋)

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蜜蜂と遠雷(受賞作)

著者:恩田陸

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。 養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。 彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。 第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?(幻冬舎)

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室町無頼

著者:垣根涼介

応仁の乱前夜、富める者の勝手し放題でかつてなく飢える者に溢れ返った京の都。ならず者の頭目ながら骨皮道賢(ほねかわどうけん)は権力側に食い込んで市中警護役を任され、浮浪の徒・蓮田兵衛(はすだひょうえ)は、ひとり生き残った用心棒を兵法者に仕立てようとし、近江の古老に預けた。兵衛は飢民を糾合し、日本史に悪名を刻む企てを画策していた……。史実に基づく歴史巨篇。(新潮社)

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また、桜の国で

著者:須賀しのぶ

一九三八年十月一日、外務書記生の棚倉たなくら慎まことはワルシャワの在ポーランド日本大使館に着任した。ロシア人の父を持つ彼には、シベリアで保護され来日したポーランド人孤児の一人、カミルとの思い出があった。 先の大戦から僅か二十年、世界が平和を渇望する中、ヒトラー率いるナチス・ドイツは周辺国への野心を露わにし始め、緊張が高まっていた。 慎は祖国に帰った孤児たちが作った極東青年会と協力し、戦争回避に向け奔走、やがてアメリカ人記者レイと知り合う。だが、遂にドイツがポーランドに侵攻、戦争が勃発すると、慎は〝一人の人間として〟生きる決意を固めてゆくが……。(詳伝社)

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夜行

著者:森見登美彦

私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。(小学館)

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 2016年上半期 直木賞

候補作 一覧

第155回(2016年上半期)直木賞にノミネートされたのは、6作品。そして直木賞に選ばれたのは、荻原浩さんの『海の見える理髪店』でした。

荻原おぎわらひろしさんプロフィールは、埼玉県大宮市出身の60歳。大学卒業後、広告代理店の社員を経て、35歳でコピーライターとして独立。39歳から小説を書き始め、1997年に『オロロ畑でつかまえて店』で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。これまで、『あの日にドライブ店』で2005年の第134回直木賞候補に、『四度目の氷河期店』で2006年の第136回直木賞候補に、『愛しの座敷わらし店』で2008年の第139回直木賞候補に、『砂の王国店』で2010年の第144回直木賞候補に選ばれており、今回が5回目のノミネートでの受賞となりました。受賞作の『海の見える理髪店』は、海辺の小さな町の理髪店を舞台に、老店主と若い客の1時間あまりの静かで熱い邂逅(かいこう)を描いた物語です。


第155回直木賞 候補作一覧
 

天下人の茶
伊東潤
直木賞 受賞

海の見える理髪店
荻原浩
 

家康、江戸を建てる
門井慶喜
 

暗幕のゲルニカ
原田マハ
 

ポイズンドーター・ホーリーマザー
湊かなえ
 

真実の10メートル手前
米澤穂信

候補作紹介(内容、あらすじ)

天下人の茶

著者:伊東潤

絢爛豪華たる安土桃山文化の主座をしめていた茶の湯。その文化を創出した男・千利休と現世の支配者となった豊臣秀吉との相克は、利休が秀吉に切腹を命じられたことによって終わりを告げた。果たしてこの争いの裏には何が隠されていたのか――。

著者は、秀吉を「野心と自己顕示欲が極めて旺盛な人物。そのやろうとしたことは信長の模倣にすぎない」と分析する。一方、黄金の茶室を自ら作った芸術センスを「秀吉は独自の侘びを発見した」と評す。そこから利休との対立が発生し、さらに関係が悪化していく過程にも、新たな解釈で斬り込んでいく。(文藝春秋)

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海の見える理髪店(受賞作)

著者:荻原浩

人生に訪れる喪失と、ささやかな希望の光── 心に染みる儚く愛おしい家族の小説集。

店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが……「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は……「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。(集英社)

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家康、江戸を建てる

著者:門井慶喜

「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」 天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた……。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!(祥伝社)

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暗幕のゲルニカ

著者:原田マハ

反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した――誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか?

ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。(新潮社)

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ポイズンドーター・ホーリーマザー

著者:湊かなえ

女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが……。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く。(「ポイズンドーター」)

呆然、驚愕、爽快、感動――さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!(光文社)

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真実の10メートル手前

著者:米澤穂信

滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執──痛みを引き受けながらそれらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。

『王とサーカス』後の六編を収録する垂涎の作品集。(東京創元社)

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【関連ページ掲載】
※ これまで、「本屋大賞・芥川賞・直木賞」の全受賞作を、一覧(リスト)にしていましたが、あまりに数が多くなってしまったので、各賞を切り出した、それぞれのページを作りました。
→ 【芥川賞】 歴代受賞作|全作品一覧
  → 芥川賞 歴代ノミネート作一覧
→ 【直木賞】 歴代受賞作|全作品一覧
  → 直木賞 歴代ノミネート作一覧
→ 【本屋大賞】 歴代受賞作|全作品一覧
  → 本屋大賞 歴代の大賞受賞作一覧

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