【直木賞】受賞作一覧(写真・解説付き)③

1960・70年代に直木三十五賞を受賞した作品と作者の紹介。

直木賞受賞作一覧(1950年代、1960年代、1970年代)

直木三十五賞」(通称 直木賞)は、無名・新人及び中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞です。
 かつては芥川賞と同じく、無名・新人作家に対する賞でしたが、現在では中堅作家が主な対象とされていて、ベテランが受賞することも多くなりました。文藝春秋社社長の菊池寛が、友人の直木三十五を記念して1935年に芥川龍之介賞(芥川賞)とともに創設し、年2回発表されます。

1980年代~最新の直木賞受賞作品の一覧は、「【直木賞】受賞作一覧(1980・90年代)」、「【直木賞】受賞作一覧(2000年~)」をご覧ください。

1970年代以前の作品は、改訂されずに、今では新本(「古書」以外)が買えない受賞作品も少なくありません。そこで、1980年以前の受賞作品は、その初版以後に改訂され、現時点でAmazonで新品または中古で改訂・改版文庫が買える作品のみ紹介します。全ての歴代直木賞受賞作品を知りたい方は、「直木賞-歴代受賞作|全作品一覧」をご覧ください。


 1970年代 直木賞受賞作品

1979年 上半期 第81回

浪曲師朝日丸の話ほか

作者: 田中 小実昌

【内容】 東大に入りながら、駐留軍やストリップ小屋で仕事をしたり、テキヤになって北陸を旅するコミさん。その独特の語り口で世の中からはぐれてしまう人びとの生き方を描き出す傑作短篇集。直木賞受賞作『浪曲師朝日丸の話』『ミミのこと』収録。

1978年 下半期 第80回

一絃の琴

作者: 宮尾 登美子

【内容】 土佐藩の上士の娘・苗は、祖母・袖の嗜みであった一絃琴を5歳の時に初めて聴き、その深い音色に魅せられた。運命の師有伯と死別した後、結婚生活で一度は封印したものの、夫の理解を得て市橋塾を始め、隆盛を極めた。その弟子となった蘭子は苗との確執の果て、一絃琴の伝統を昭和に伝える・・・。

1978年 上半期 第79回

深重の海

作者: 津本 陽

【内容】 紀伊半島は南東部、太地湾辺りは古くから鯨取りで栄えた土地柄である。明治11年12月24日、熊野灘の沖に現われた一頭の巨大鯨。小舟に乗った数百人の男たちが立ち向かう。これが大遭難、世にいう“背美流れ”の発端となり、慶長年間からの伝統的な捕鯨組織が崩壊しはじめる。明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。愛と闘いをドラマチックに描いた感動の長編。


離婚

作者: 色川 武大

【内容】 納得ずくで離婚したのに、ぼくはいつの間にかもと女房のところに住みついているのです─。奇妙な男と女の世界を、独特のほろ苦いユーモアで活写した直木賞受賞作。

1975年 下半期 第74回

復讐するは我にあり

作者: 佐木 隆三

【内容】 列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯・榎津巌。捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された榎津は死刑に―。綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔。

1974年 下半期 第72回

雨やどり

作者: 半村 良

【内容】 男を騙しながらも、なお、一途な女ごころのいじらしさ、哀しさ・・・。新宿裏通りにあるバー“ルヰ”。カウンターの前を通り過ぎるさまざまな人生を描く直木賞受賞作の表題作他7編。

1974年 上半期 第71回

鬼の詩

作者: 藤本 義一

【内容】 212年に惜しまれて亡くなった稀才の代表的傑作集。鬼気迫る落語家の魂を描いて直木賞受賞の「鬼の詩」、師に“追随”する漫才師を描く「贋芸人抄」、三味線の天才娘の悲劇「下座地獄」、運命の師、映画監督川島雄三との決定的な体験を描いた「生きいそぎの記」と講演。その後の作家の姿がここにある。

1973年 上半期 第69回

暗殺の年輪

作者: 藤沢 周平

【内容】 藩の権力争いの陰で、末端の平侍を翻弄する苛酷な宿命。武家の非情な掟の世界を、端正緻密な文体で描いて久々の本格時代小説の登場と評された世評高い直木賞作品。

1972年 上半期 第67回

(ざん)

作者: 綱淵 謙錠

【内容】 “首斬り浅右衛門(あさえむ)”の異名で天下に鳴り響き、罪人の首を斬り続けた山田家二百五十年の末路は、明治の維新体制に落伍しただけでなく、人の胆をとっては薬として売り、死体を斬り刻んできた閉鎖的な家門内に蠢く、暗い血の噴出であった。もはや斬首が廃止された世の中で、山田家の人間はどう生きればいいというのか。豊富な資料を駆使して時代の流れを迫力ある筆で描き、「歴史小説に新領域を拓いた」と絶讃を博した、第67回直木賞受賞の長篇大作。


手鎖心中

作者: 井上 ひさし

【内容】 他人を笑わせ他人に笑われそのために死ぬほど絵草紙作者になりたいと願っている若旦那のありようを洒落のめした直木賞受賞作。面白おかしく悲しい道中「江戸の夕立ち」も収録。

1970年 上半期 第63回

軍旗はためく下に

作者: 結城 昌治

【内容】 陸軍刑法の裁きのもと、祖国を遠く離れた戦場に処刑された帝国軍人たちの知られざる真実と非情を追求した力作。


光と影

作者: 渡辺 淳一

【内容】 一人は腕を切断されて軍籍を去り一人は切断されずに栄光の道を歩むという人生の明暗を緊密に構築した直木賞受賞作「光と影」のほか、「宣告」「猿の抵抗」などを加えた秀作短篇集。

 1960年代 受賞作

1967年 下半期 第58回

火垂るの墓

作者: 野坂 昭如

【内容】 直木賞の表題作のほか、中年男の意識の底によどむ進駐軍コンプレックスをえぐる「アメリカひじき」(直木賞受賞作)など、著者の“焼跡闇市派"作家としての原点を示す6編。

1966年 下半期 第56回

蒼ざめた馬を見よ

作者: 五木 寛之

【内容】 近来まれに見る精神宇宙のサスペンスドラマと評された表題作のほか、赤い広場の女、バルカンの星の下に、弔のバラード、天使の墓場を収録して、著者の"初心"を鮮かに示す短篇集。

1964年 下半期 第52回

炎環

作者: 永井 路子

【内容】 頼朝の挙兵、それはまたたくまに関東の野をおおい、鎌倉幕府が成立した。武士たちの情熱と野望を激しく描く。

1963年 下半期 第50回

巷談 本牧亭

作者: 安藤 鶴夫

【内容】 有名な講談席「本牧亭」を舞台に、芸人たちや周辺の人びとの悲喜こもごもを鮮やかな筆致で描いた安藤鶴夫の代表作。

1962年 下半期 第48回

江分利満氏の優雅な生活

作者: 山口 瞳

【内容】 江分利満氏は昭和の年号と同じ年齢。社宅に住み、遅刻の常習者で、無器用で・・・。都会的センスでサラリーマンの哀歓を謳いあげる。

1961年 下半期 第46回

螢の河

作者: 伊藤 桂一

【内容】 烈な戦場での日々に、死を凝視しつつ、なお友情、青春が息づく、その刻々を淡々と描く。温かく深い感動を伝える戦記文学の傑作短篇。芥川賞の純文学と、直木賞の大衆文学の壁を取り払った記念すべき作品と評価の高い名作。

2006年 上半期 第135回

雁の寺

作者: 水上 勉

【内容】 頭の鉢が異常に大きく、おでこで奥眼の小坊主・堀之内慈念は寺院の内部になにを見、なにをしたか。京都の古寺、若狭の寒村、そして滋賀の古刹を舞台に、慈念の漂流がつづく。著者の体験にもとづいた怨念と、濃密な私小説的リアリティによって、純文学の域に達したミステリーである。昭和36年上期(第45回)直木賞を受賞した第一部の「雁の寺」につづく「雁の村」「雁の森」「雁の死」の四部作に新たに加筆し一冊に収めた、著者の代表作だ。

1960年 下半期 第44回

はぐれ念仏

作者: 寺内 大吉

【内容】 念仏宗の内部にてくりひろげられる俗臭ふんぷんたる選挙戦の人間模様をコミカルかつ軽快な筆致で描き、第44回直木賞を受賞した表題作ほか、仏教テーマの哀感を誘う3編を収録。


背徳のメス

作者: 黒岩 重吾

【内容】 産婦人科医・植秀人は、腕は確かだが無頼な男。当直の夜、何者かが巧妙に自分を殺そうとしていたことに気づき戦慄する。病院関係者の仕業か。産婦人科での医療ミスが原因の脅迫事件と関連があるのか。犯人を捜す植を、院内での愛憎入り混じった複雑な人間関係が包囲する。苛酷な医療現場を舞台に人間の生々しいエゴイズムを極限まで描き切り、直木賞に輝いた医療ミステリーの傑作。

1960年 上半期 第43回

錯乱

作者: 池波 正太郎

【内容】 信州松代十万石の藩士堀平五郎は、武骨だが諸事円満な性情で、将棋の駒づくりを唯一の趣味にする、妻女久仁との間には息子がひとりという平凡な人好きのする人物であった。藩祖真田信之にも好かれていたが、一大事が出来した。現藩主の信政が卒倒し、城下は騒然となった。卒倒三日後、信政は没した。死の床にあって信政を悩ましたのは、暴君型の甥、分家の信利の存在であった。はたして愛児への家督は無事に許されるのか・・・。堀平五郎の目は異様な鋭い光を放っていた。

 1950年代 受賞作

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 これ以前の受賞作品

続きは、

 → 「直木賞-歴代受賞作|全作品一覧」をご覧ください。

【関連ページ掲載】
※ これまで、「本屋大賞・芥川賞・直木賞」の全受賞作を、一覧(リスト)にしていましたが、あまりに数が多くなってしまったので、各賞を切り出した、それぞれのページを作りました。
 → 芥川賞-歴代受賞作|全作品一覧
 → 直木賞-歴代受賞作|全作品一覧
 → 本屋大賞-歴代受賞作|全作品一覧

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