四阿山(あずまやさん) - 登山

紅葉が盛りの四阿山へ、鳥居峠の林道終点にある登山口から登ってきました。

写真:四阿山の山頂

 1.四阿山の概要

四阿(あずまや)

四阿山(あずまやさん)は、長野県(上田市・須坂市)と群馬県(嬬恋村)との境にある山で、標高は2,354m。四阿(=東屋、あずまや)は、庭園などに建てられる眺望を楽しんだり休憩したりするための簡素な建屋のことで、四方に軒を下ろした寄棟や、宝形造などの屋根を持ち、壁は無いのが一般的です。四阿山は、この四阿(東屋)にその山容が似ていることから、四阿山と名が付いたそうです。お隣の根子岳(標高2,207m)と同様に、南西側から南東側にはダケカンバ林の緩やかな斜面が広がって、麓には菅平高原からキャベツ畑で有名な嬬恋村へと通じますが、反対の北側は、爆裂火口壁の急斜面となっています。

四阿山への登山ルートは、長野県側からは主に5コース、群馬県側からは主に2コースもあります。スキルや登山レベルに応じて、いろいろなコースを選べば、『何度でも美味しい』登山が楽しめます(笑)。

長野県側からだと、最も人気なのは、隣接する根子岳と四阿山をセットで縦走するコース。根子岳には、駐車場やトイレが整備された登山口のある、峰の原高原(集会所)から登る「峰の原高原コース」と、菅平牧場から登る「菅平牧場コース」がメインで、根子岳山頂から尾根伝いに四阿山を目指します。ただし、最も距離の短い菅平牧場から根子岳~四阿山~中・小四阿と「菅平牧場コース」から「中尾根コース」と周遊するルートでも、所要時間は約6時間半と、気軽に出掛けるにはちょっとハードルが高くなります。近隣の市町村から、朝ゆっくり家を出て、夕方までに帰って来るには、鳥居峠から伸びる林道終点ロータリーにある登山口から登る「鳥居峠コース」なら、登山時間は往復で4時間ほどなので、何とか可能です。他に、四阿高原別荘地にあるあずまや高原ホテルから登る「四阿高原ルート」もあります。

群馬県側からは、嬬恋村の奥にあるバラギ湖・バラギ高原から茨木山(ばらきさん、標高1,615 m)と四阿山を縦走する「茨木山・四阿山コース」と、パルコール嬬恋スキーリゾートのゴンドラ(パラレルキャビン)の山頂駅から四阿山を目指す「ゴンドラコース」の、2ルートがメインとなります。茨城山経由で四阿山を目指すルートは、往復距離で約13キロ、時間は6時間半と、やや健脚向きとなります。一方のゴンドラを利用した場合には、登り片道1時間半ほどなので、途中に2ヶ所の鎖場はありますが、比較的誰でも容易に登ることができます。ゴンドラ山頂駅にほど近い浦倉山(うらくらやま、標高2,076m)もセットにして、茨城山から四阿山と浦倉山を周遊するルートも人気です。

根子岳・四阿山への登山コース・マップ

四阿山への主な登山コース
コース 所要時間
(登りのみ片道)
峰の原高原コース 約4時間30分
菅平牧場コース 約4時間
中尾根コース 約3時間30分
四阿高原コース 約3時間30分
鳥居峠コースコース 約2時間30分
茨木山・四阿山コース 約4時間30分
ゴンドラコース 約1時間30分

【参考】ページ移動根子岳 - 登山のページへ


菅平高原へは、車だと、上信越自動車道の上田菅平ICか須坂長野東ICから24km、約35分です。お隣の峰の原高原もすぐ近く。電車だと、JR北陸新幹線上田駅から、上田バス「菅平高原行き」で、終点の菅平高原ダボス停留所まで約55分、バス停から菅平牧場までは徒歩で約30分です。

一方、鳥居峠やバラギ高原、パルコールつま恋リゾートを目指す場合は、車オンリーとなります。JR上越・吾妻線の万座鹿沢口駅からは、タクシーで20分~30分。JR北陸新幹線の上田駅からもアクセスは可能です。
(↓地図をクリックすると、googleマップが別ウインドウで開きます。)

長野県北信の地図と四阿山の位置


 2.四阿山 山行

朝8時半ごろ家を出て、夕方5時までには家に戻りたい私は、最短ルートの鳥居峠林道終点にある登山口から、登りは的岩を経由する「的岩コース」を、下りは花童子(げどうじ)の宮跡を経由する「上州古道コース」を通って、四阿山へ登ってきました。登山時間は、正味で4時間ほど。私は、3年前の2015年7月31日にも同じく鳥居峠から登っていますが、今回も登りは的岩、下りは上州古道コースを選択しました。上州古道コースの方が、比較的整備されているので、本当は逆ルートの方がイイかも?しれません(汗)。

行程 (2018年10月16日)
10時00分 鳥居峠
10時07分 林道終点(駐車場)到着
10時10分 登山開始(的岩コース)
  ↓  (20分)
10時30分 的岩
  ↓  (40分)
11時10分 古永井分岐(的岩・花童子宮コース出会い)
  ↓  (60分)
12時10分 四阿山山頂 到着(登り:2時間)
 
12時40分 下山開始
  ↓  (50分)
13時30分 古永井分岐(上州古道コース)
  ↓  (30分)
14時00分 花童子の宮跡
  ↓  (15分)
14時15分 林道終点(駐車場)帰着(下り:1時間35分)
登山コース図

鳥居峠
鳥居峠(とりいとうげ)は、国道144号の長野県上田市と群馬県吾妻郡嬬恋村の境に位置し、標高は1,362m。
国道沿いにある駐車場に車を停めて、ここから登山を始める人もいますが、ここから3km奥まで続く林道の終点までは、車で行くことが可能です。林道入口には、「一般通行禁止」の看板がありますが、嬬恋村役場のご厚意で、林道を試行的に通行できる措置が取られている様です。
車なら10分もかかりませんが、歩くと1時間近くかかるので、高級外車に乗っている人は置いておいて、少々車の腹を擦っても気にならない人は、林道の終点まで行った方が楽です!。林道終点のロータリーには、約20台くらいは駐車できるスペースがありますので、平日であればまず大丈夫でしょう。もし満車だった場合は、Uターンして鳥居峠まで戻ってください(汗)。
鳥居峠の林道入り口 鳥居峠林道

鳥居峠林道終点(登山口)
鳥居峠の脇にある林道入口からは、未舗装の林道を進むこと約3km、車で約7~8分。終点にある登山口に到着します。Googleマップには、「四阿山鳥居峠駐車場」で登録されています。この地点の標高は、約1,520m。
林道終点のロータリーには、約20台くらい駐車できるスペースと、簡易トイレがあります。林道を試行的に通行可能としている効果を検証するために実施している嬬恋村役場のアンケート箱と、トイレや登山道整備に係る協力金の募金箱が設置されていますので、何卒ご協力を!。
四阿山鳥居峠駐車場1 四阿山鳥居峠駐車場2

登山開始
鳥居峠林道終点の駐車場(標高1,520m)から、左側の登山口から登るのが「的岩コース」。右側の登山口が、花童子の宮跡を経由する「上州古道コース」(花童子宮コース)です。
的岩コースは、山の中を進むので景色は開けていませんが、ダケカンバ林の落ち着きのある登山道です。国の天然記念物にも指定されている「的岩」は、一見の価値ありなので、ぜひ行きか帰りには立ち寄るべきです。
上州古道コースは、的岩コースよりは歩きやすく、景色も開けています。周遊する場合は、どっちから登って、どっちを下るか、難しいところ・・・。私は前回も今回も、的岩コースを登りに選びました(笑)。
的岩コースの登山道

的岩
登山口から約20分、標高は約1,780m(登山口から+260m)。
的岩(まといわ、屏風岩とも呼ばれる)は、国の天然記念物に指定されている奇岩です。幅2~3メートル、高さ15メートル、長さ200メートルにも及ぶ「柱状節理」が発達した岩脈は、まるで天然の「万里の長城」。さらに、石積みの一個だけが抜け落ちて風穴を開けている様子が、誠に奇なり!。その昔、善光寺参詣の途中に菅平を訪れた源為朝(あるいは源頼朝)が、巻狩りを楽しみ、自慢の弓を披露した際に、この岩に矢を命中させたからだという伝説が言い伝えられています。
的岩を過ぎて5分ほど山の中を登ると、ようやく視界が開け、眼下にキャベツ畑で有名な嬬恋村が開けてきます。
的岩 的岩コースからの景観

古永井分岐
的岩を過ぎて約40分、登山口からは約60分、標高は約2,030m(登山口から+510m)。「上州古道コース」(花童子宮コース)との出会い(合流)地点が、古永井分岐(こながいぶんき)。休憩や雷避難のための東屋が建っています。
つい、ここで中間と思いがちですが、これからが本番と、気を締めた方が無難です(汗)。
古永井分岐

山頂が見える
古永井分岐から約30分、ようやく四阿山の山頂が見えてきます。まだまだ遠い・・・(汗)。
尾根の右手の眼下には、バラギ湖のあるバラギ高原や嬬恋村が広がり、尾根の左手には私もよく行く菅平高原のパインビークスキー場が見えます。
四阿山山頂 バラギ湖

嬬恋清水
古永井分岐を過ぎて約40分、登山口からは約1時間40分、標高は約2,190m(登山口から+670m)に、「嬬恋清水」への分かれ道があります。ここから100mほど下った先に、関東最高地点にある嬬恋清水の湧水地(標高2,179m)があります。
古くは、「四阿山信仰の山の霊水」として崇められ、この地で修業した山伏や修験者を支えた命の水、別名「熊野清水」とも言われていたそうです。
嬬恋清水

根子岳への分岐
嬬恋清水への分かれ道から約15分、根子岳からの登山道と交わる尾根に出ます。四阿山山頂は、もう直ぐ。
根子岳への分岐

四阿山 山頂
根子岳との分岐から5分、古永井分岐からちょうど1時間、登山口からは2時間、四阿山の山頂(2,354m、登山口から+834m)に到着!。
山頂には、信仰の山の象徴となるような、立派な祠が建てられています。ただ、群馬県側に位置するようで、嬬恋村の山頂標識が建っていました。長野県民としては、ちと残念・・・(笑)。
直ぐ向かい側には、四阿山と対峙する根子岳が眼前に迫ります。ただ、この日はガスが出てしまい、遠方のアルプスなどの山並みを望むことは適いませんでした(泣)。
山頂 根子岳

下山(古永井分岐まで)
下山を開始して間もなく、あやうく鳥居峠への分岐点を見過ごして、根子岳へ向かってしまいそうになり焦ります(汗)。
四阿山山頂から、的岩コースと上州古道コースの古永井分岐までは、約50分。眼下に広がる菅平高原やバラギ高原、嬬恋村のキャベツ畑などを眺めながら下って行きます。紅葉も、もう終わりに近づいている様です。
山頂 根子岳

花童子の宮跡
下りは、上州古道コース(花童子宮コース)を選択。古永井分岐から約30分で、花童子の宮跡に到着します。
花童子(げどうじ)は、718年に加賀国白山比売(しらやまひめ)大明神を四阿山に歓請した修験者で、後に花童子大権現として花童子の宮に祀られたそうです。現在は、その宮の崩れた跡を窺うことしかできませんが、周辺には東屋や木道が整備されています。
花童子の宮跡 花童子の宮跡2

駐車場(登山口)帰着
花童子の宮跡から約15分、下山を開始してから1時間35分で、登山口となる駐車場へ到着。最後は、滑る降りたらあっという間というような緩斜面の直線道で、逆に歩いて降りるには辛くて、太ももが悲鳴をあげます(泣)。
やっぱり、登山した後は、何と言っても温泉に限ります。鳥居峠からは、群馬県方面なら嬬恋バラギ温泉「湖畔の湯」か、鹿沢温泉の旅館日帰り入浴、長野県方面なら真田温泉「ふれあいさなだ館」が近場でおすすめ。
私は、家の近くにある行きつけの戸倉上山田温泉の銭湯へ。湯船に入る時は、太ももが痛くて、湯船に転げ落ちそうになりますが、浴槽内でストレッチとマッサージを繰り返し、湯船から上がる時には、だいぶ痛みが取れていました!(笑)。

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