関東の「ご当地ラーメン」

全国のご当地ラーメンの特徴と味の情報に加えて、地域の観光情報も。食べ歩きはいかが?

(8)茨城県

水戸藩らーめん

  • 地域エリア:  水戸市
  • 由来や定義:  日本でラーメンを最初に食べたの人は、徳川光圀公(水戸の黄門様)であると伝えられています。光圀公は、当時は禁じられていた肉やチーズを食べ、ワインや牛乳を飲む、好奇心旺盛なグルメ人間であったようです。そして、明国から亡命し、長崎に滞在していた儒学者・朱舜水を大日本史へん算のため水戸藩に招聘した際に、世話になったお礼にと中国式の麺料理(ラーメン)を振舞われたということです。水戸大塚屋にあった古文書によると、それは、藕(蓮根の粉末)を練り込んだ麺で、スープは豚や鶏を炊き上げ、五辛(ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギ、ショウガ)の薬味をかけて食すものであったそうです。このレシピを元に、水戸を代表する中華料理店が、平成5年から週1回の勉強会を1年間続けて、ついに「水戸藩らーめん 」を再現しました。現在、市内の5店舗の中華料理店で提供され、人気を博しています。

スタミナラーメン(茨城)

  • 地域エリア:  ひたちなか市、水戸市、その周辺
  • 由来や定義:  昭和50年代に、JR勝田駅前にあったラーメン店が餡かけラーメンを発案して、客に提供したのが、茨城の「スタミナラーメン 」原点と言われています。その後、地元でスタミナラーメンが人気となると、元祖店等で修行した弟子や、独自に味を工夫した店などが県内各地に増え、今では茨城県を代表するご当地ラーメンとして、地域に根付いています。

豆腐みそラーメン

  • 地域エリア:  常陸大宮市、その周辺(茨城県北部)
  • 由来や定義:  常陸大宮市の「中国飯店」が、豆腐の味噌汁から考案した「豆腐みそラーメン」を客に提供したのが原点とされ、その後人気が出て、当地域に広がっていきました。ホッとする、郷愁を感じる味として、地元の人達に愛され続けています。

(9)栃木県

佐野ラーメン

  • 地域エリア:  佐野市、その周辺
  • 由来や定義:  佐野市周辺では、昔から良質な小麦が採れ、良質な水が湧き、青竹打ちによる製麺技法が伝えられてきたことで、独自のラーメン文化が根付いてきました。そのうち、周辺にゴルフ場が多く開場したことで、ゴルフ客のクチコミで「佐野ラーメン 」の評判が高まると、期せずしてご当地ラーメンブームが起こり、佐野でも町おこしとして1988年に「佐野らーめん会」が発足して、PR活動が行われるようになって、その名が全国に知られるようになりました。

(10)群馬県

上州藤岡ラーメン(上州ラーメン、藤岡ラーメン)

  • 地域エリア:  藤岡市、その周辺
  • 由来や定義:  かつて養蚕業で栄えた藤岡市には、100年の歴史を超えるラーメン店もあり、ラーメンブームが広がった2000年頃には、市内に60店ものラーメン屋が軒をひしめき合っていました。1980年代後半に、ご当地ラーメンがブームになると、市議であった藤居氏の発案に、地域振興を模索していた群馬県が補助を出して、地図作りや市内の店を巡るラーメンスタンプなどが企画されました。これが好評になると、市や商工会の後押しもあって、イベントの運営母体となる「上州藤岡ラーメン会」が、1993年に結成されました。その後、メディアへの露出が高まると、ラーメンスタンプは、ラーメンラリー、ラーメン駅伝へと発展を遂げ、新聞各紙やテレビなど、マスコミに数多く取り上げられるようになり、「藤岡ラーメン」の名前が全国に知られるようになりました。しかし、その後ラーメンブームが沈静化すると、会の活動も下火となり、今ではラーメン店の数も当時の半分以下に減ってしまいました。佐野ラーメンの流れをくむ青竹打ちが特徴とも言われますが、藤岡ラーメンに特に定まったスタイルはなく、麺もスープも、店ごとにバラエティに富んだラーメンが提供されています。

(11)埼玉県

スタミナラーメン(埼玉)

  • 地域エリア:  さいたま市、その周辺
  • 由来や定義:  埼玉の「スタミナラーメン」は、元々は浦和にあった中華料理店「娘々」(にゃんにゃん)で、麻婆麺を試行錯誤して作られたオリジナルメニューで、暖簾分けされる形で、さいたま市や上尾市周辺に、「娘々」(浦和発祥)や「漫々亭」(大宮発祥)の系列店が増え、現在に至ります。
    したがたって、青葉系とか家系と称されるラーメンと同様に、「ご当地ラーメン」の定義とは少し異なりますが、今ではさいたま市民のソウルフードとして地元で熱く愛されていますので、埼玉にご当地ラーメンが無いのも寂しいので(by.元さいたま市民)、あえて紹介させて頂きます。

(12)千葉県

竹岡式ラーメン(竹岡ラーメン)

  • 地域エリア:  富津市、その周辺(内房地域)
  • 由来や定義:  「竹岡式ラーメン 」の発祥は、漁師町の富津市竹岡にあるラーメン店「梅乃家」と「鈴屋」とされています。創業は昭和20年代後半で、既に60年の歴史があります。調理を手伝う漁師の主婦たちでも作りやすいように、今では珍しい乾麺を使ったラーメンで、スープも、醤油ダレに麺の茹で汁を加えた、シンプルなものです。ただ、醤油ダレには肉のうま味がしっかりと溶け込んでおり、薬味として加えられた玉ねぎと一緒に、七輪で煮込まれることで、麺が芯までスープを吸って、ダイレクトにその旨味が味わえるラーメンとして、地元のみならず、観光客にも人気です。今では、暖簾分けされた店や、このラーメンを真似て工夫を凝らした竹岡式ラーメンを提供する店が、内房周辺には数多く存在しています。したがって、ダシの取り方や使用する麺も、店によってまちまちです。
竹岡式ラーメン

勝浦タンタンメン(勝浦式タンタンメン)

  • 地域エリア:  勝浦市、その周辺
  • 由来や定義:  「勝浦式タンタンメン 」とは、もともとは、漁から戻った漁師の冷えた体を暖めるメニューとして、タンタンメンを模倣して創作された地元オリジナルメニューでしたが、B級グルメのブームに乗り、全国から「勝浦タンタンメン(勝タン)」として注目されるようになり、今では勝浦市内の多くの店で提供されるようになりました。通常の勝浦タンタンメンだけでなく、今では、つけ麺や焼きそばなど、バリエーションも豊富になって、独特の進化を遂げています。ちなみに、最近のB-1グランプリでは、4年連続して「熱血!!勝浦タンタンメン船団」が、上位入賞を果たしています。

船橋ソースラーメン

  • 地域エリア:  船橋市、その周辺
  • 由来や定義:  「船橋ソースラーメン」は、ソース味をベースにしたラーメンで、戦後に船橋駅近くの中華食堂「花蝶」で、ソース焼きそばをヒントに考案されたラーメンが、その原点と言われています。それが人気となると、同様のメニューが、地域の周辺の店でも出されるようになり、ご当地ラーメンとして認識されるようになりました。2012年には、市内外の店主が集まり「船橋ソースラーメンプロジェクト」 を立ち上げて、キャンペーンが展開されています。このプロジェクトは、戦後に生まれたソースラーメンを、今の技法と食材で再構築して、”21世紀スタイルの船橋ソースラーメン”を創作することを目指しています。ですので、昔からの味や伝統のスタイルを守り続けている店のソースラーメンとは、全く異なる路線の新しいソースラーメンが誕生していますが、新旧競い合って、さらなる発展が期待されます。なお、このプロジェクトでは、既存のソースラーメンには当てはめられませんが、参加する店の中では、1)ソース味のスープであること、2)ラーメンもしくはつけ麺のいずれかであること、3)商品名は「船橋ソースラーメン」「船橋ソースつけ麺」のいずれかとすること、が決められています。なお、2014年3月には、サンヨー食品から「サッポロ一番 ふなっしーの船橋ソースラーメンなっしー!」が発売されました。

(13)東京都

八王子ラーメン

  • 地域エリア:  八王子市
  • 由来や定義:  八王子ラーメンとは?1959年に、北野駅前にあった惣菜屋が区画整理で移転してラーメン屋に転身するにあたって、北海道旅行で食べた刻み玉ねぎが入ったラーメンを参考に、油を使って玉ねぎの辛味を抑えて甘味を引き立てた独自のラーメンを創りだしました。それが「八王子ラーメン 」の原点とされる「初富士」のラーメンで、それが評判となって、玉ねぎを入れたラーメンが、その後、八王子の各地に広がって行きました。当初は、刻みタマネギが入ったラーメンがオリジナリティの高いものとは認識していなかった地元民ですが、ご当地ラーメンブームが起こると、これを街おこしに使わない手はないと、2003年に八王子市役所職員や地元大学生ら、八王子をこよなく愛するラーメン好きが結集して、「八麺会」を設立しました。八麺会では、この刻み玉葱の入った地元のラーメンを、「八王子ラーメン」と名づけて、町おこしに繋げる活動を展開しています。八麺会によると、八王子ラーメンの定義として、1)醤油ベースのタレ、2)表面を油が覆っている、3)きざみ玉ねぎを具として用いられている、の三点を挙げています。
    なお、東京には、「青葉系ラーメン」や「ラーメン二郎」、「油そば」などの”ご当地ラーメン”があるとも言われますが、これらはある店舗や系列店のオリジナルメニューであって、地域に根付いた住民のソウルフードとまでは言えないことから、ここでは”ご当地ラーメン”とは位置付けません。

(14)神奈川県

サンマーメン

  • 地域エリア:  横浜市、その周辺(湘南地域)
  • 由来や定義:  戦前以前から食べられていたようですが、発祥は諸説あって、元祖を名乗る店も複数あり、その由来は定かでありません。「サンマーメン 」は、漢字では生碼麺、あるいは生馬麺、三碼麺とも表記され、魚のサンマとは全く関係がありません。生きのよい具材(碼)という意味や、三種類の具(モヤシ、豚肉、ターサイ)を使ったため、あるいは馬のような生気がつくという意味が込められているようです。桑田佳祐さんが、自身の番組「桑田佳祐の音楽寅さん」で紹介したり、小泉元総理が神奈川サンマー麺の会の顧問をしていたことなどが、ご当地ラーメンとしての人気度を一層盛り上げています。
サンマーメン

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