株式相場の格言集

相場格言とは、米相場の時代から投資家の礎として受け継がれてきたもの。その中でも特に知っておくべき格言をピックアップ!

※ 格言も万能ではありません。また、学ぶ側の理解が十分でなければ、全く役に立たないことも有りえます。参考と実践は、あくまでご自身の責任で判断してください。
分類は、日本証券業協会の「相場格言集」を参考にさせてもらいました。

 (1)株投資の心得

当たり屋につけとは、自分であれやこれや思い悩むよりは、いっそうのこと、予想が当たり儲かっている人に便乗して、同じように売買した方がよいとする考え方。
当たり屋にチョウチン」とも言います。

日常生活でも、うまくいくときはふしぎに続けてうまくいくいものです。マグレかもしれませんが、そういうケースが、株式投資でも大いにあります。売っても買っても連戦連勝という“当たり屋”が知り合いにいたら、一度その人を真似て売買してみてはいかがでしょうか。

この正反対の格言に、「曲がり屋に向かえ」 という訓があります。
曲がり屋”とは,徹底してツイていない、やることなすことがハズレて貧乏くじばかり引いているような人のことです。曲がり屋に向かえとは、つまり損ばかりしている人の反対の売買をすれば儲けられるという格言です。
現実的には、当たり屋につくよりも曲がり屋に向かう方が成功率は高いと言われています。

また他にも似たような格言に、「当たり屋に向かえ」(相場で当たり(勝ち)続けている人間もいつかは外れる時が来る、つまり当たり屋と言えども百発百中というわけにはいかない) とか、
当たり屋といわれたころから曲がり出し」(当たり屋もずっと当て続けることは難しい、いずれは失敗するのが相場の常であるから一途に信じていてはダメ) という訓もあります。参考にしてください。
買いたい弱気」とは、上げ相場で本音では買いたいと思っていながら、少しでも安く買いたいがために、下がるんじゃないかなと弱気な希望的観測を持つこと。
逆に「売りたい強気」とは、本音では売りたいのだけど、少しでも高く売りたいので、上がるんじゃないかなと強気な希望的観測を持つこと。

何れの場合でも、売買のタイミングを逃して、結局逆目の相場に転じた後に手を出して損をすることになりかねません。
買うと決めたら買う、売ると決めたら売ることが大事である」という格言です。
物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うことのたとえ。

株式投資においても、つい自分が買った株や買おうとしてる株の価格ばかりに目が行きがちですが、日経平均株価や同業種、競合会社の株価の動向、更には世界情勢や社会風潮などにも視野を広げ、相場全体を見ることが重要です。
また、目の前にある材料だけで判断して、直ぐに飛びついたら失敗します。
一歩下がって、その材料がどのような要因から起因しているのか考えることが大切です。少し離れることで、全体を見る余裕や売買のタイミングを計る余裕が生まれます。

逆に、「森を見て木を見ず」(市場の雰囲気に押されて、銘柄をよく見極めずに売買してしまうこと) という格言もあります。参考にしてください。
器用貧乏”とは、なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないことを意味する四字熟語です。

たまたま材料の出た株に乗って、売ったり買ったりと器用に動き回ろうとしても、そうそう上手くいくものではありません。小手先のテクニックにだけ頼って利益を得ようとするのも間違いです。
じっくり腰を据えて相場を見ることを勧めている格言です。
諺にある“備えあれば憂いなし”とは、普段から準備をしておけば、いざというとき何も心配がない とする教えです。

相場格言の「備えあれば迷いなし」も、この諺に似ていますが、少し意図するところが違います。
一つには、投資を行う際には事前に研究や準備を抜かりなく行い、確固たる自信を持って取り引きに向かうことが大切であるという教え。
もう一つは、まさかの時にも動じない資力を蓄えておく必要性も説いている格言。

ただし、時間が経って情勢が変わっているのにもかかわらず、“迷いは禁物”と考えるのは明らかに過ちです。
また、事前に幾ら熱心に研究したとしても、正解が導き出せたとは限りません。
自分の考えに間違いがあると気付いた時には、素直に過ちを認め、素早いポジション変更が必要です。
自分にとって遠い存在、よくわからない会社に投資するのは止めた方がよいとする格言。

人気化した銘柄は、新聞や雑誌、アナリストレポートといった類で、連日のように推奨する記事が掲載されます。やれ「ゲノム」だ「バイオ」だと言われると、つい「なんか凄そうだなー」と思ってしまいがちですが、日頃から馴染みがない分野のことは、やはりよく分かりません。
馴染みのない銘柄に手を出すときには、より念入りに調べることが大事で、リスクも覚悟しなければいけません。
同じ意味の格言に、「知ってるものだけ買え」 という訓もあります。

それよりは“灯台下暗し”、意外と身近なところに儲け話は転がっているものです。
お花見で人が大勢いるところを避けて裏道を行くと、花がたくさん咲いている場所に出られたという例え話から生まれた格言。

株取引において、人と同じ事をしていたのでは儲けることは出来ません。人気のない株や、売り込まれて誰も買いたがらない時に安く仕入れて、人気が出て株価が上がってまだ騰がるだろうと誰も売りたがらない時に高く売ると、大きく儲けることができます。
もちろん市場の波に乗ることも、相場では大切な事です。特に根拠も無く、単なる天邪鬼から市場の流れと反対のことをしても成功しません。

似たような格言に、「総悲観は買い・総楽観は売り」 という訓もあります。参考にしてください。

 

 (2)相場の法則

下落相場の時に使われる格言。
市場の雰囲気や弱気に押し流されずに、信念を持って待ち続ければ、いつか報われる時が必ず来るという教え。

夜明け前が一番暗い」という喩は、確かに“セリング・クライマックス(selling climax)”という相場の急落現象にも当てはまる表現です。ただし、“備えあれば”(資金面に余裕があれば)、こうしたポジティブな考え方もできますが、なかなかこうは考えられないものです。
しかし、あまりポジティブに構え過ぎるのも問題です。自分が“夜明け前”だと思っていたら、実はまだ“宵の口”だったなんてこともあり得ます。
もうはまだなり まだはもうなり」という格言もあり、過信は禁物です。
車は急に止まれない”という言葉がありますが、相場にも勢いが付くと、予想をはるかに超えて上下に突き抜けることがよくあります。特に、人気が過熱して上に行き過ぎた時は、その反動の下げもきつくなりがちです。
つまり、常識的にあり得ないレベルまで高騰することがある一方で、その反動として常識とかけ離れたレベルまで下落することが相場にはあることを、知っておく必要があるとする格言です。

山高ければ谷深し」 という格言も、ほぼ同じような意味で使われています。

また他にも似たような格言に、「株価はもとの古巣に帰る」 とか、「株価の里帰り」 という訓もあります。
一時人気化して大きく値上がりした株も、その熱が冷めれば結局元の水準にまで値を戻し、逆に下落した株も何れかは浮上に転ずるという、長期投資の勧めを意図した格言です。
安物買いの銭失い」という諺がありますが、株式相場においても、株価が安いと思われる銘柄は上がりにくく、逆に高いと思われる銘柄はさらに値を上げやすい、という格言です。

株式投資において、相対的にみて安いからという理由だけで銘柄を選んで買っても、なかなか儲かりません。株価が安いところに置かれているのには、それなりの理由がある場合が多いからです。
逆に、相対的にみて株価が高いという銘柄にも、それなりの理由があるから高いのであって、単に高いから買わないというのは間違った見方である場合が多いです。

同じような意味を持った格言として、「売りやすい相場は高い、売りにくい相場は安い」とか、「割り高に売りなし、割り安に買いなし」などがあります。
商いが閑散なときに売るのは愚かであり、むしろ買い場である、とする格言。

保合の状態も長く続くと、売買量が減ってきて商いが閑散となります。そこで一部の投資家が嫌気や不安から下値で投げ売ったりすると、そこにつけ込んでわざと空売りを仕掛ける投資家も加わって、適相場はさらに下押しすることになります。
しかし、このように人為的な要因で売り叩かれた相場は、売り物が一巡すれば再び上げ基調へと転じることが道理です。

経験則的に、閑散な商いの時ほど株を買ったほうが有利である、と言われています。
逆日歩が付くような銘柄を買ってはいけないという教え。

逆日歩とは、信用取引において売り建てが増えすぎて株が不足した時に、売り方が買い方に追加で支払う品貸料のことです。逆日歩が付くような銘柄は、実態以上に高く買われ過ぎているか、仕手化した銘柄が多いため、手出ししない方が賢明です。

これとは反対の意味で、「逆日歩に売りなし」 という格言もあります。買い方より売り方が多い状態が高まるほど逆日歩は高騰し、たまらなくなった売り方は高値でも買い戻さざるを得なくなり、踏み上げ相場となって株価が高騰することがあるからです。
しかし一般的には、踏み上げ相場で高騰した株価も、逆日歩が解消されたとたんに本来の売り圧力が高まり、急落することが相場の道理です。
「逆日歩に売りなし」より、「逆日歩に買いなし」とよく言われる所以です。
誰が考えても、なかなか思った通りに相場は動いてくれないものです。相場は、理屈では割り切れない、いわゆる「理外の理」で動くものであり、それが「相場は生きもの」といわれる所以です。
したがって、頑なに己の判断を貫き通すばかりでなく、時には相場の動きに耳を傾けて、柔軟な態度で判断すべきという教えです。

相場のゆくえは、相場だけが知っています。どんな天才アナリストでも、到底及びません。
相場の典型的な動きを表した格言。
一般的な株価の動きとは、なだらかな山の稜線を登るようにゆっくり上昇し、最後は急傾斜の山頂に登りつめたと思った途端に一気に急坂を下り、再び次の上昇に転じるまでの長い期間、底値付近で持ち合い状態を続けることとなります。
この値動きを感覚的に捉えたのが、「天井三日、底百日」あるいは「天井三日、底三年」ということです。

短期の売買をする人は、この短いサイクルの期間で勝負を挑まなければなりません。
小回り三月、大回り三年」(短期では三か月、長期では三年を目途に相場のサイクルを捉える)という格言もあります。参考にしてください。

 

 (3)売買のコツ

欲張りすぎるな!”とする戒めの格言の一つで、「売り買いは腹八分」とほぼ同義です。
「頭」とはすなわち株価の天井(最高値)、「尻尾」とは底(最安値)のことで、欲をかいて相場の天底と底を狙うようなことは考えず、腹八分目にしておきなさいという教えです。

個人投資家は、とかく底で買って天井で売りたがるものですが、実際それは不可能に近く、底値で拾おうとするあまり買い時を逃したり、天井で売ろうとするあまり売り時を逃したり・・・。
であれば、買いたいと思った時が買い時で、もっと下がってからなんで思わないこと。また、そこそこ儲かったら、上を望まずとりあえず利確しておきなさい、という格言です。
最安値で買って最高値で売ろうと思うな”という戒めと、“相場に投資する資金は適当にとどめ決して全財産を投入してはならない”という戒めの、二つの意味を持つ格言。

前者は、あまり欲をかかずにここが八分目と思うタイミングで売買した方が間違いなく利益が確保できる、欲をかきすぎると虻蜂取らずとなって売買の機を逸してしまいかねない、という教えです。
株価が値上がりした時に、まだ上がるかも、まだ上がるかも・・・と欲を出していると、売り時を逃してしまうことがあります。逆に、もう底だろうと思って買うと、まだ下がり続けるという場合もあります。つまり、「もうはまだなり まだはもうなり」 という格言にも通じています。
他にも、「バラを切るごとく売るべし」(苦心して育てたバラを八分咲きで切るのは惜しいが、満開になってから切って人にあげても誰も喜んでくれない、株を売るのも同様) という格言もあります。

また後者は、無理な投資は失敗のもと、全財産がと切迫した気持ちで売買していては損が損を呼ぶことにもつながりかねません。株式投資はあくまで余裕資金で行うべき、という教えです。
ウォール街には、「強気でも弱気でも儲けられるが、欲張りはダメ」 という格言があるそうです。
売りは決断したら素早く実行し、買いは焦らずゆっくり実行すべし、という意味の格言。

天井三日、底百日」という格言があるように、買い場は長く続くことが多いですが、売り時は限られるものです。
売りたいと思っても、そこは“売りたい強気”、ついもう少し上がるのではないかと欲張ってしまい売り時を逸してしまいがちです。「利食い千人力」という格言もあるように、「売り買いは腹八分」で満足して、利益を確定することが先決です。売った後でもまだ上がると判断すれば、また買えばよいのですから。

逆に、買う時は焦る必要はなく、じっくりと構えて相場を読んでいた方が安く買えるということが往々にしてあります。結果的にたとえ買えなかったとしても、損をするわけではありません。買い場は、いくらでもまた巡ってきます。悠然と構えて待っていましょう。
相場で利益を得るためには、“売り”の方が“買い”より何倍も重要である、という意味の格言。

売りは早かれ、買いは遅かれ」という格言もあるように、買いのタイミングは少々間違えても、売りのタイミングさえ間違えなければ、利益を上げることができます。
また、たとえ損失が出てしまったとしても、そこは「見切り千両」。売りの機を逸することなく最小限の損で食い止めることが重要です。

つい買いばかりに目が行きがちですが、売り時こそ大切にすべきです。
投資対象の株を選ぶことも、もちろん大事だが、それ以上に、投資のタイミングを間違えないことの方が、はるかに大切である、という意味の格言。

例えば季節変化とか、あるいは地政学的な変化(戦争や天災等)など、大きな時間軸に従って注目される業界というものがあります。その業界の中でA社かB社かと悩むより、売買のタイミングを間違えないことの方が、より重要です。
麦ワラ帽は冬に買え」、「天災は買い向かえ」、「突発事件は売るな」 といった格言もあります。参考にしてください。

ウォール街には、「株を選ぶ前に時を選べ」 という格言があるそうです。
何か好材料が出て相場が急騰を始めたとしても、焦ってすぐに飛びついて買ってはいけない、という意味の格言。
焦りを戒め、機会をじっくり待つことの重要性を説いています。

一日でも何日間かでも、その材料が何なのか、よく調べてから買っても決して遅くはありません。材料が本物で、実際に株価上昇につながるものなら、少々後から買ったとしても、利益にどれほどの差が出るでしょうか。
それよりも、慌てて飛びついたら、そこが目先の天井で、翌日には下落に転じたというケースが多々あります。皆がこぞって飛びついた時の相場は、不自然な動きをしがちで危険です。じっくり待ってから買いを入れても、決して遅くはありません。

ウォール街には、「売り買いは三日待て」 という格言があるそうです。
ひっきりなしに売買ばかりを繰り返していると、そこは「木を見て森を見ず」、相場全体の動きを見失って、大きな落とし穴にはまることがあります。
相場が判断の難しい局面にあったり、損を出したりした時には、一歩退いて(売買を休んで)、冷静に研究や分析、反省をして出直すことが大切である、という教えの格言です。

また時には、売り買いのポジション調整を見直したり、あるいは持ち株を極端に減らしてポジションをゼロに戻したりすることも、株取引では重要です。

休むも相場」、「売り買い休みの三筋道」 という格言も、同じ意味の訓です。
株を売って利益を確定することは、何にも増して強みがある、という意味の格言。

利益が乗っているとつい欲張って、もう少し上がるかもと思っているうちに売り時を逃して儲け損なうことを戒め、そこは「売り買いは腹八分」、ある程度のところで儲けを確定させるのが賢明だという教えです。
売りは早かれ、買いは遅かれ」という格言もあります。

この正反対の訓として、「見切り千両」 という格言があります。
含み損の状態にある株は、反転を期待して保有し続けるのでなく、できるだけ早々に売って損切りすべきだ、という意味です。
保有する株の値が下がり出すと、人は売ろうかどうしようか迷いますが、多くの場合、株価が戻ることを期待してそのまま持ち続けてしまいがちです。しかし株価はなお下げて、ついには底値に近いところで投げ売る羽目に陥るのが常です。
少しの損で収まるなら、さっさと売った方が、持ち続けて大損するより、“千両の価値がある”ということです。

この訓ほど、実践が難しい格言はありません。なので似たような格言として、「損切りはすばやく」、「引かれ玉は投げよ」、「迷いが出たら売れ」 など、数多くの訓があります。 ウォール街には、「損は落とせ、さらば利益は大ならん」 という格言があるそうです。

 

 (4)売買のタイミング

人気が出て上昇中の株を買おうと思うが、このまま一本調子で上がることはないだろう、どこか一旦下げたところ(押し目、押目)で買おうと思っていると、結局「押し目待ちに押し目なし」(「押目待ちの押目なし」とも)となり、買いのタイミングを逸したり、相当高くなってから買う羽目になったりする、という教えです。

上げ相場の株でも、上下の波を繰り返しながら徐々に上がっていく場合が多いですが、上げ圧力が強く魅力的な株ほど、参加している投資家全員が押し目は何処かと買いのタイミグばかりを待っているわけですから、そうそう一服することもなく、一気に上昇トレンドを形成しがちです。
しかし、だからと言って“押し目を待たずに買ってしまえ”という意味ではありません。上昇中の株もいつかは必ず下げに転じます。うっかり高値で買ってしまわないよう、チャンスが無ければ買いを見送るのも賢い選択です。

“押し目待ち”の反対に、「戻り待ちに戻りなし」 という格言もあります。
言わんとしている教えは、「押し目待ちに押し目なし」と同じことです。
売り損なって下げ相場に転じた時に、少しでも高く売りたいと欲張って値が戻るのを待ったりすると、その期待とは裏腹に相場は下がりつづけ、結局売ることができずに損含みのまま持ち続けることになったり、最悪なのは底値で投げ売って大損を出す羽目になりがちです。
一般的に、株価が上昇している時は、参加者も増えて出来高も大きくなります。それが一転して下げ始めると、大勢の高値で買った投資家が大量の含み損を抱えることになり、下げれば下げるほど売り圧力が強くなって、結局「行き過ぎもまた相場」と言われる水準まで下げ続けることになります。

なお、“押し目”と“戻り”については、「初押しは買い 初戻りは売り」(経験則的に、上げ相場で初めて押し目の場面があったら買ってもいい、反対に下げ相場で初めて戻す場面があったら売ってもいい) という格言もあります。
経験則として、上げるも下げるも3割の辺りが相場の転換点になることが多い。したがって、3割上がったら売り、3割下げたら買ってもいい、という意味の格言です。

時に投資家は「売りたい強気」で、利益が上がれば上がるほど、まだ上がるかもと売りの判断ができなくなります。逆に、下げ相場では「買いたい弱気」で、なかなか買いを出せません。
そこで、「3割上がったら利食う」、「3割下がったら買う」、と予め自分の中でルールを定めておくと、迷いがなく投資判断ができるというメリットもあります。
総悲観とは、相場に悪い材料ばかりが重なって重しとなり、株価が低迷して浮上の目途が立たず、ほとんどの投資家が損失を出したり含み損を抱えている状態のこと。
誰も買いたがらないこの時期こそ、実は大底の状態で、むしろ買い時であるとする格言。

逆もまたしかりで、良い材料が重なり株価がこぞって上昇していて、ほとんどの投資家が買いたがっているような時こそ、実は天井で、むしろ売り時であるとする格言です。
自分の投資判断が正しいかどうかは、後になってみないと分かりません。いくら判断に自信があっても、売買を一度機に実行するのはリスクが高くなります。
そこで、一度に大量に売買するのではなく、まずは少しだけ売買してみて、予想通りの方向感が確かめられたら、次は自信を持って買い(売り)増しをしたらよい、とする格言です。

損をするよりは、「相場は明日もある」、慎重に行動するに越したことはありません。
もう”底だろうと思って買うと、“まだ”まだ下がる。
まだ”上がるだろうと思って売らないでいると、“もう”天井で値下がりに転じる。

このことから、もう底だろう思うような時には、まだ下値があるかもしれないと考えてみるべき、逆に、まだ上がるだろうと思った時は、もうそろそろ下がり出すかもしれないと考えてみるべき、という戒めの格言です。

相場は相場に聞け」という格言があるように、相場のことは相場にしか分かりません。自分の独断的な判断ばかりに頼っていては、身を滅ぼします。
ニューヨーク(NY)のマーケット(Wall street)関係者の間で言われ続けている格言というか定説。
ユダヤ教の祭日に絡み一定の株式取引ルールがあると言われており、「ユダヤ教の新年祭で売り、贖罪の日で買戻し」(Rosh Hashanahで売り、Yom Kippurに買戻す)というもの。

ユダヤ教の“新年祭”や“贖罪の日”が来る9月末から10月半ばにかけては、会計年度末に絡んだヘッジファンドの手仕舞いなど大きな資金の移動が起こる時期とも重なり、言い得て妙な格言です。

海の向こうでの出来事ですが、“NY市場がコホンと咳をすれば、東京市場が風邪をひく”と言われるくらい、むしろ影響が大きくなりがちなので注意が必要です。

 


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