主なメーカーの人気スタッドレスタイヤを一覧にまとめました。
米調査会社「Report Ocean」によると、2021年の世界のタイヤ市場規模は US$144,700百万ドル(約15兆9千億円*1)でした。2020年に世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けて、2018年の $168,625百万ドルと比較すると3年間で約14%の減少となっています。
その2021年の世界のタイヤ業界における市場シェアは、「deallab」のデータによると、第1位はフランスのミシュラン、2位は日本のブリジストン、3位は米国のグッドイヤーとなっています。同業他社とのM&A(合併・買収)や事業再編などに揺れる世界のタイヤ業界において、その覇権を争ってきたトップ2社が、日本のブリヂストンとフランスのミシュラン。その争いが頂点に達したのが1980年代、ブリヂストンが全米2位のファイアストンを買収し、ミシュランがBFグッドリッチなど10社を傘下に収めました。こうした合併買収が繰り返され、、2010年代まではブリヂストンが世界トップシェアを固持してきましたが、ミシュランが2018年7月にカナダの産業車両用タイヤのカムソ社を買収したことで、2020年には世界トップの座を奪還しました。
日本のタイヤメーカーでは、ブリヂストン(世界シェア 18.6%、2位)に続き、ダンロップやFALKENブランドの住友ゴム工業(同 5.0%、5位)や、YOKOHAMAタイヤの横浜ゴム(同 2.9%、8位)、トーヨータイヤ(同 1.9%、12位)が、世界の上位にランクインしています。
*1 円換算した為替レートは2021年の年間平均為替レート(TTSとTTBの平均=110円/US$)による。
2022年11月1日現在、ネットでの売れ筋のスタッドレスタイヤは何か?と調べてみると、価格.com「スタッドレスタイヤ 人気売れ筋ランキング」(過去1週間)では、1位はブリヂストン「BLIZZAK VRX2」(2017年発売開始)、2位は同じくブリヂストンの新製品
「BLIZZAK VRX3
」(2021年発売)、そして3位はYOKOHAMA(横浜ゴム)の「iceGUARD 6 iG60
」(2017年発売)でした!(2022/11/2調べ、サイズ違いによる順位は除く、発売年はその商品が発売開始された年でタイヤの製造年ではありません)。
また、同時期の楽天市場「スタッドレスタイヤランキング」(週間)では、1位がブリヂストン「BLIZZAK VRX2
」(2017年発売開始)、2位がダンロップの商用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX SV01
」(2014年発売)、3位がYOKOHAMA(横浜ゴム)の「iceGUARD 6 iG60
」(2017年発売)でした。
やはり今年も、世界1位のトップメーカーで、日本での『スタッドレスタイヤ装着率で21年連続No.1』と宣伝するブリヂストンが、人気の様です!。特に、雪国でのニーズが高まるシーズン序盤では、ブリヂストンが断トツの人気を誇ります。しかし11月以降になり、首都圏を含め全国でスタッドレスタイヤの販売が動き出すと、数的には旧モデルの安価なスタッドレスが人気化しますのでご留意ください。
しかし、ブリヂストンのタイヤは、確かに人気No.1かもしれませんが、値段もNo.1です(汗)。実績と信頼、人気に裏打ちされた強気の値段設定と、その高値が維持し続けられるブランド力は、『立派』と褒めるしかありません!。
そこで、実際に、ブリヂストンのタイヤが、他のメーカーのタイヤと比べて、どれくらい高いのかを比較してみることにしました。下のグラフは、多く売れている主な3種類のタイヤサイズ(205/60R16、195/65R15、軽自動車に多い155/65R14)について、価格.comに登録されている店舗の最安値を比較したものです。サイズによって異なりますが、基本的に大きいサイズのタイヤの価格順で、今時点で一番高かった「YOKOHAMA iceGUARD 7 iG70」を”100”とした場合の最安値を指数化して、グラフにしてみました。
意外と言っては失礼ですが、2021年新発売の新製品同士なのに、ブリヂストン「BLIZZAK VRX3」より、ヨコハマの「iceGUARD 7(iG70)
」の方が、発売開始の去年に続き2年目となる今年も、今のところ高値で流通している様です。
※ 2022/11/3調べ(売れ筋の3種類のサイズについて、価格.comに登録されている最安値を比較。iG70の価格を100とした場合)。
私はこれまで、30年間もクルマに乗ってきて、タイヤも何本も買い替えていますが、今までインターネットでタイヤを買ったことはありませんでした(汗)。ネットで買うと、送料が余分にかかり、逆に高くなるのでは?と思っていたくらいです。しかし今回、スタドレスタイヤはネットで買った方がずいぶんとお得に安く買えることを、身に染みて知りました!。
今年買い替えたクルマは、1.6Lのダウンサイジングターボ車なのに、17インチ(215/50R17)が標準で、サマータイヤ用には18インチ(225/45R18)のオプション設定もあるくらいです。こんな大きなサイズのスタッドレスタイヤを買うのは、今回が初めて(汗)。そこで、店頭でスタッドレスタイヤを見積もってもらうと、ネットショップの方が格段に安い!。結局、ホイール4本セットのスタッドレスタイヤを、店頭よりだいぶ安い価格でネットショップから買うことにしました。配送は、2本ずつダンボール板に挟まれ、全体をビニールに包まれ、ヤマト運輸さんが丁寧に運んでくれたので、品質的には全く問題なし。問題は、「製造年」。現物が確認できないので、古い製造年のタイヤが送られてこないか心配でしたが、私は幸い前年製造で、全く問題なし。ただし、店頭で買えば無料で履き替えてもらえるのが当たり前ですが、ネットで買ったら、自分で履き替えなければなりません・・・。もちろん、実店舗のあるネットショップでは、ネットで買って店頭で受け取り、取り付けて貰えるサービスもありますし、「楽天Carタイヤ交換
」の様にガソリンスタンドや整備工場と連携して、組み込みのチケットが買えるネットショップもありますよ!。
そこで、タイヤのサイズごとにインターネットショップでの価格帯と、店頭での価格帯で、どのくらい違うのか、調べてみることに。比較するタイヤは、12インチから18インチまでの、代表的なタイヤサイズをピックアップ。タイヤ専門ネットショップ最大手と思われる某ショップで、売れ筋で値段も安定化しているブリヂストンの「VRX」について、ホイール付きの4本セットの、最安値と最高値をチェック(同一ショップなので、この価格差はセットになっているホイールの値段によります)。一方、店頭価格AとBは、近所のタイヤ専門店の折り込み広告に載っていた、2種類のホイール付きのVRX4本セットの価格(2017/12/2調べ)。結果は、以下のグラフの通りです。
セットのホイール価格に左右される部分は大きいと思われますが、それでもタイヤサイズ毎にその価格帯の傾向を見比べると、明らかに、14インチ以下ではネットも店頭も安値に大差ありませんが、15インチ以上、特に17インチ以上のサイズになると、最安値ではネットショップの方が数万円も安く買える状況です。17インチ以上のタイヤをホイールセットで買う人は、必ずネットで価格をチェックすることをオススメします!
ところで、私の様なフトコロ寒い消費者が、『ブリヂストンのタイヤは高過ぎる!』とひがんでみても、『何とかの遠吠え』と言われかねません(泣)。そこはきちんと、『イヤ、違うんです! 私は、自分の住んでいる地域の気候条件や、タイヤの性能や特性、価格を総合的に判断して、合理的に選んだんです!』と、胸を張って反論できる根拠を持たねば・・・(汗)。
そこで、特に売れている人気のスタッドレスタイヤについて、価格が高い順番に、ネットで口コミや評判を参考に、メリットやデメリットを探って、一覧表にまとめてみました。価格指数は、先の価格帯調査において、205/60R16サイズの最安値でVRX3を100とした場合の指数値です。
メーカー | 特徴 |
---|---|
![]() ブリザック VRX3 (2021) ![]() |
【価格指数】 100![]()
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![]() ICE NAVI 8 (2021) ![]() |
【価格指数】 92![]()
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![]() WINTER MAXX 03 (2020) |
【価格指数】 90![]()
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![]() X-ICE SNOW X-ICE SNOW SUV (2020) |
【価格指数】 82~84![]()
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![]() OBSERVE GIZ2 (2020) |
【価格指数】 80![]()
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![]() ブリザック VRX2 (2017) |
【価格指数】 78![]()
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![]() ice GUARD 6 (2017) |
【価格指数】 68![]()
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![]() WINTER MAXX 02 (2016) |
【価格指数】 64![]()
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![]() ICE NAVI 7 (2017) |
【価格指数】 55![]()
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各タイヤメーカーから、2021-2022年の冬シーズン用に新発売された最新スタッドレスタイヤだけでなく、昨年以前に発売された前期モデルも含めて、それぞれ商品ごとの特徴や人気の理由、価格などを比較してみます。
株式会社ブリヂストンは、世界中のタイヤの売上高で9年連続世界1位を誇る、日本のトップメーカーです。1931年に、日本足袋株式会社(現:アサヒシューズ)のタイヤ部門が独立し設立されました。社名は創業者の石橋(ストーン・ブリッジ)氏の名にちなんで付けられたそうです!。1988年に、当時世界3位だったブリヂストンは、3,300億円で米国第2位のタイヤメーカー・ファイアストンを買収し、ミシュランと対峙する世界最大手に登りつめました。
ブリヂストンのスタッドレスタイヤの技術的最大の特徴は、「発泡ゴム」です。その歴史は、1998年に発売された「PM-10」に始まり、1997年には連鎖発泡ゴムの「MZ-02」、2000年のメガ発泡ゴムの「MZ-03」へと進化し、2003年にはレボ発泡ゴム「REVO 1」が発売されました。2006年にはレボ発泡ゴムZの「REVO2」が、2009年にはレボ発泡ゴムGZの「REVO GZ」が発売。そして、2013年にアクティブ発泡ゴムの「VRX」が、2017年にはアクティブ発泡ゴム2へと進化した「VRX2」が、そして2021年にフレキシブル発泡ゴムと新トレッドパタン技術を採用した「VRX3」が発売されました。
それぞれのタイヤの性能比較は、その都度のテスト環境が違うため一概には比較できませんが、ブリヂストンが公表しているカタログデータから、VRX/REVO GZ(10%短縮)と、VRX2/VRX(10%短縮)、VRX3/VRX2(20%短縮)のそれぞれのテスト数値を相対的に合算してみると、以下の様な結果となります(REVO GZの氷上制動距離を1とした場合、VRXは0.9、VRX2は0.81、VRX3は0.65)。
ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック」シリーズは、スタッドレスタイヤにおいて北海道・北東北主要5都市での一般ドライバー装着率46.2%、札幌市のタクシー装着率は69.5%。この装着率は、2002年調査開始から20年連続No.1です!。
調査年 | 2013年 | 2014年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北国*1一般装着率 | 44.3% | 44.9% | 45.8% | 43.0% | 46.2% | 45.7% | 46.2% |
札幌Taxi*2装着率 | 71.6% | 70.7% | 73.3% | 73.1% | 72.5% | 70.3% | 69.5% |
※1 2021年調査では、1月~2月に、札幌市、旭川市、青森市、盛岡市、秋田市の5地区において、二段無作為抽出法により抽出された乗用車を保有している一般世帯を直接訪問して、乗用車の装着スタッドレス銘柄を調査。
※2 2021年調査では、2月~3月に、札幌市においてタクシー営業車1,039台を対象に、調査員が直接装着スタッドレス銘柄を調査。
ミシュランは、1949年に世界で初めてラジアルタイヤを製品化した、フランスのタイヤメーカーです。1982年に、日本で最初にスタッドレスタイヤを発売したのもミシュランでした。以前は世界最大の売上高を誇っていましたが、2005年にブリヂストンに抜かれて以降、世界2位に甘んじてはいるものの(2018年実績)、この2社は現在でもトップシェアで拮抗しています。そんなミシュランは、2018年にカムソ社(カナダ)、2019年にはマルチストラーダ社(インドネシア)などを次々と買収し、再び世界一位の座を射程に収めました!。
ミシュランのスタッドレスタイヤは、2004年に発売された「X-ICE」シリーズが主力製品です。2008年に「X-ICE XI2」が、2012年に「X-ICE XI3」が発売され、2017年には最新技術Mチップがたくさん詰まった「表面再生ゴム」を採用した「X-ICE3+」が発売されました。そして2020年、日本の冬季路面をあらゆる角度から分析し開発した新製品「X-ICE SNOW & X-ICE SNOW SUV」を新発売!。
グッドイヤーは、アメリカにある世界最大のゴムメーカーで、タイヤでもブリヂストンやミシュランに次いで世界3位のシェアを誇ります。グッドイヤーは、1999年に日本の住友ゴム工業と包括的資本提携を結び、両社の「グッドイヤー」と「ダンロップ」ブランドについて、北米・欧州市場ではグッドイヤーが、アジア市場では住友ゴム工業がそれぞれ製造・販売することとなりました。この提携は2015年に解消することになりましたが、その後も日本国内を含むアジア市場向けグッドイヤー製品の開発と製造・販売は、住友ゴム工業が担当しています。
グッドイヤーのスタッドレスタイヤは、「ICE NAVI」(アイスナビ)シリーズが主力製品です。2013年に発売された「ICE NAVI 6」に続き、2017年には7代目となるが「ICE NAVI 7」が日本市場に投入されました。また、SUV用の「ICE NAVI SUV」や、商用車(バン)用の「ICE NAVI CARGO」もラインナップされています。
コンチネンタルは、ドイツのタイヤ及び自動車部品メーカーで、タイヤでは世界4位の市場シェアを有しています。しかし近年は、タイヤ以外の車両システム部門の成長が著しく、2016年の同社の売上高のうち、タイヤ部門は26%しかありません。
日本では、過去にはヤナセが、2002年からは横浜ゴムが総輸入販売元となっていましたが、2014年以降は日本法人を設立し、現在は横浜ゴム・ヤナセ・阿部商会の3社が代理店となっています。しかし、日本での流通量はあまり多くなく、カー用品店の店頭でコンチネンタル製のタイヤを見かけることは滅多にありません。
ピレリは、イタリアのタイヤメーカーで、世界5位の市場シェアを有しています。1991年に一旦はF1から撤退しましたが、2011年からはF1とGP2の単独公式タイヤサプライヤーとなっています。フェラーリやポルシェ、マセラティ、ランボルギーニなど、欧州の多くのプレステージ・スポーツカーが新車にピレリのタイヤを採用しています。
しかし2015年、1,300億円もの負債に苦しんでいたピレリは、中国の国有化学大手「中国化工集団」による買収提案をすんなり受け入れ、中国資本の傘下に下ります。買収額は、71億ユーロ(約9,200億円)で、中国製造業の国外買収では過去最大級。1988年に、当時世界3位のブリヂストンが米国第2位のファイアストンを買収した金額は3,300億円でしたから、その約3倍近い金額です。
ダンロップ社は、元々は1889年にアイルランド(当時はイギリスに併合)で創業したゴム製品企業です。1909年に、ダンロップ社の工場が日本に誘致され、我が国初の近代的ゴム工場が作られます。この日本工場の組織が、その後にダンロップ護謨株式会社として法人化され、1960年には住友グループが資本参加、1963年に住友ゴム工業と社名が改められました。
一方、本国のイギリスのダンロップ社は、1971年にイタリアのピレリと合併し、当時はGoodyear(米)とFirestone(米、1988年に日本のブリヂストンが買収)に続く世界3位のタイヤメーカーとなりましたが、たった10年でその合併は破綻。ダンロップ社は、この間に積み上がった負債により経営難に陥り、1985年に英国のコングロマリットであったBTR社に買収されてしまいました。その後、ダンロップ社は世界中の事業部門やブランドごとに解体され、それぞれ売却されてしまいます。
なお、日本の住友ゴム工業の会社自体は、BTRによる買収前の1983年に、ダンロップ本社からその持ち株を引き取って経営的に独立を済ませており、BTRによる買収・解体の影響を受けることはありませんでした。逆に、1984年にダンロップの英独仏の6工場およびタイヤ技術中央研究所をBTRから買収、1986年には米ダンロップを買収し、世界中のダンロップのタイヤブランドを掌握していきます。1999年に、住友ゴム工業は米国のグッドイヤーとタイヤ事業におけるアライアンス契約を締結、アジアでのダンロップタイヤは住友ゴム工業が、北米・欧州ではグッドイヤーがダンロップタイヤの製品を供給することとなりました。2015年にグッドイヤーとの提携は解消されましたが、この供給体制は今も変わっていません。なお、北米における日系の自動車メーカー(四輪・二輪)向けタイヤの供給に限っては、住友ゴム工業がその商標使用権を有しています。
住友ゴム工業では、「DUNLOP(ダンロップ)」ブランドの他に、「FALKEN(ファルケン)」というタイヤのブランドも展開しています。
「ヨコハマタイヤ」は、富士通なども属する旧古河財閥系の古河グループのタイヤ・ゴムメーカーである 横浜ゴム株式会社のタイヤブランドです。1971年に、現在の古河電工と米国のBFグッドリッチとの合弁により、横浜に創業しました。ヨコハマタイヤを販売している「タイヤガーデン」は、同社の関連会社の一社です。
ヨコハマ初のスタッドレスタイヤは、1985年に発売された「ガーデックス」(GUARDEX)ですが、2002年からは、凍結路面の水膜を除去する吸水ゴムを開発・採用し、「iceGUARD」(アイスガード)にブランド名を一新。その後、2008年に「iceGUARD 3x」(トリプルZPS、iG30)、2010年に「iceGUARD 3x PLUS」(トリプル プラス、iG30)を発売。2012年には「iceGUARD 5」(ファイブ、iG50)を、2015年に「iceGUARD 5 PLUS」(ファイブ プラス、iG50プラス)を、2017年に「iceGUARD 6」(シックス、iG60)発売。そして2021年、初代GUARDEXから数えて第7世代となる「iceGUARD 7」(iG70)が新発売されました。
トーヨータイヤは、1904年創業の兵庫県伊丹市に本社を置く TOYO TIRE株式会社のタイヤブランドです。以前の社名は「東洋ゴム工業株式会社」でしたが、2019年1月1日に商号変更しました。トーヨータイヤでは、売上の約8割を占めるタイヤ事業部門において、トーヨータイヤのほか、ブランド吸収したNITTO(ニットー)とSILVERSTONE(シルバーストン)も生産・販売しています。その他2割のゴム関連事業では、自動車部品や建設資材なども手掛けており、2015年に発覚した「免震ゴム」の性能データ改ざん問題は、まだ記憶に新しいところです。ただし、タイヤ事業に関しては、2008年に世界トップのブリヂストンと業務・資本提携をし、国内では第4位、世界では第11位の売上高を誇っています(2018年実績)。
トーヨータイヤのスタッドレスの最大の特徴は、凍った路面を強力にひっかくために独自に配合した、天然の「鬼クルミの殻」。中心となるスタッドレスタイヤは、「GARIT」(ガリット)シリーズですが、2009年発売の「GARIT G5」の次に登場した2014年発売の「OBSERVE GARIT GIZ」(ガリット ギズ)には、新たに”OBSERVE(オブザーブ)”シリーズの名称が冠されました。そして2020年新発売の「OBSERVE GIZ2(オブザーブ ギズ ツー)」では、逆にGARIT(ガリット)の名称が落とされました。この他、SUV/CCV専用の、「OBSERVE GSi-6」(2021年発売)や「OBSERVE W/T-R」
(2021年発売)、「OBSERVE GSi-5」(2013年発売)、ミニバンやSUVなどハイト系専用となるウィンタートランパス・シリーズ「WINTER TRANPATH TX」(2017年発売)もライナップ。
2018年2月の大雪で、福井県から石川県にかけての国道8号線で、約1,500台もの車が動けなくなり、解消までに3日間もかかったという、大規模な立往生が発生しました。これに限らず、近年、雪による大規模な立ち往生が、全国各地で発生し、大きな社会問題となっています。このため国土交通省では、大雪が予想される際には過去に大規模な立往生が発生した区間などで、タイヤへのチェーンの装着を義務づけることにし、平成30年12月10日に対象とする全国の13の区間を公表しました(チェーン規制について(Q&A))。
チェーン規制は、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに、立往生の発生防止や通行止めとなる時間を短縮する目的で、事前に定められた実施区間で発令されます。なお、チェーン規制時には、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認が行われます。スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)を着けていても、タイヤチェーンをしていない自動車は、チェーン規制中は当該区間の道路を通ることはできません。チェーン規制(タイヤチェーン義務化)の実施区間は、2019年1月現在、高速道路は全国で7区間、国道は全国で6区間です。ちなみに、北海道には規制区間が1か所もありません。
タイヤを新調した際には、一皮剥いて本来のタイヤの性能が発揮できるまでは、慣らし運転をした方がいいと、タイヤメーカーも推奨しています。では、どのくらい慣らし運転をしたらいいのでしょうか?。一概に決めらていませんが、だいたい100kmくらいが目安とされています。
当然、新車を購入した際も、タイヤも新品でしょうから、慣らし運転をした方がイイのですが、タイヤのことよりエンジンに気を使い、1,000kmくらいの慣らし運転をして、最初から無理な運転をしないのが当たり前ですから、こちらは問題にならないかと・・・。
そもそも私には、新品スタッドレスタイヤの慣らし運転が必要なシーンが、まったく想像できません(汗)。『雪が降った、さぁ大変、スタッドレスタイヤを買わなきゃ!』と言ったところで、普通は店が大混雑していて、直ぐに買えるとは、到底思えません。『急に来週スキーに行くことになった、すぐスタッドレスタイヤを買わなきゃ!』ってことは、無きにしも非ずでしょうが、慣れない雪道の運転の方がよっぽど心配で、そんなにスピードを出すとは、とても想像できません。まして、直前まで冬用タイヤに替えていない都会のドライバーであれば、雪国に到着するまでに、既に100キロ位は走っているでしょうし…(汗)。
それより何より、雪のシーズンが近づいたら、早め早めにスタッドレスタイヤに履き替え、冬の装備を整えるのが肝要かと思いますよ(笑)。
私が住む長野県でも、毎年のように、初雪が降った日の夕方になると、カー用品店などで『タイヤ交換、●時間待ち!』なんてニュースが流れます。みんな、そろそろ雪が降ると分かっているのに、面倒くさがって、タイヤ交換を先延ばしにしているからです・・・。
中には、雪が降らないのに冬用タイヤを履いたら、『減ってしまって、勿体ない』という人も多くいます。確かに、夏用タイヤより冬用タイヤの方が、柔らかい素材が使われているので、同じ条件で走行したら減りは早いかもしれませんが、11月・12月ともなれば雪が降らなくても、さすがに外気温も下がりますし、路面温度も低下します。そんな環境で、夏用タイヤと冬用タイヤで、減りの加減に、どれほどの違いがあるでしょうか?。そもそも通常の運転で、年間に1~2万キロ前後の走行距離だと、タイヤの消耗がタイヤの賞味期限より早く来るとは、とても思えません。
ただし、夏用タイヤと冬用タイヤでは、確かに限界性能の違いはあると思うので、早めに冬タイヤに履き替えた場合は、無理な運転は控える必要があります。ムリな運転をせず、ドライやウェット(雨)路面での制動距離が伸びることによる危険回避を心がけるなら、むしろ雪が降る前に、少しでも早めにスタッドレスタイヤに履き替えておいた方が、私は安全運転に繋がると思うのですが、如何でしょうか?(笑)。