使わなくなった倉庫を、趣味の卓球場に自分でリフォームすることに。
使わなくなった倉庫を、趣味の卓球場に自分でリフォームすることに。DIYで、ブロック塀には石膏ボードを貼り、Cチャンの鉄骨には化粧プリント合板をドリルネジで止め、床は上(重ね)張りにしました!
※ ちなみに、リフォームは和製英語で、英語の”reform”は「改心する、改正する」もしくは広く「作り直す」の意味であり、日本語の「住宅リフォーム」に相当する英語は、”renovation”(リノベーション)と言うそうです(by ウィキペディア)。
※ また建築用語では、床は「張る」で、クロス(壁紙)は「貼る」だそうです。でも、障子は「張る」。ややこしや~(汗)。
使わなくなった倉庫があり、趣味の卓球場にしようと、自分でリフォームすることにしました。3間×3間+αの約10坪の倉庫なので、卓球をするにはだいぶ狭いのですが、致し方ありません。
最初は、数万円で床板だけ張り替えるつもりでしたが、よくよく考えてみると、壁の下の方はブロック積みで、卓球のボールが当たると割れてしまう可能性が大です。卓球の玉も、3スターなら一個で2百円くらいしますので、これでは怖くて強く打てません。隣接する土蔵の土壁も剥げ落ちたりして、ホコリが舞います。そこで、どうせならちゃんとリフォームしようと、一大決心!。
まず、インターネットで、床板の張り替えや、壁板の張り替えなど、リフォームに関する情報を集めて、素人がDIYで工事をするのに適した(最も簡単で安価な)、工法や資材について勉強します。次に、実際にホームセンターに行って、建築資材や必要な工具・用具の値段をチェックします。
リフォーム前の倉庫の写真
すると、壁板の材料としては、「石膏ボード」が一番安価であることを知りました。9.5mm厚の3×6版(サブロク版、約90cm×180cm)なら、近所のホームセンターで、1枚あたり330円ほどです。
注文住宅であれば、12.5mm厚の石膏ボードが通常使われるらしいですが、自分でする倉庫のリフォームなら、9.5mm厚で十分です。また、石膏ボードにも種類があって、強度の高い石膏ボードもあることを知りましたが(当然価格も高く)、これまた今回は不要。しかし、9.5mm厚の石膏ボードでも、相当な重さです。近所にホームセンターがあって、自宅に軽トラがあったからいいものの・・・。最初は、石膏ボードで壁全体を作り、壁紙を貼るのが一番安上がりだと考えましたが、それは断念しました。高い所に、重い石膏ボードを担ぎ上げ、壁の上まで張り上げるのは、とても足場のない所で一人で作業するのは無理です。
石膏ボードの次に安価な壁材が、「プリント合板」(化粧合板)です。複数のホームセンターを見てまわると、在庫限りで2×8版(約60cm×240cm)が半値近くにまで値引きされて、1枚が800円とか、1,200円位で売られていました。正規の値段だと、1枚あたり2千円前後です(模様や溝の数、品質により値段が異なります)。
ホームセンターでは、需要の少ない2×8版は、場所と管理が大変なようで、DIYで扱いやすい3×6版(約90cm×180cm)にシフトしているようです。しかし、今回リフォームする壁の高さは、3×6版の石膏ボードを横にして、その上に高さ2.4mの壁板を貼ると、ちょどよい高さになり、横継ぎ目を出さずに済みます。ただ、在庫限りで値引きされた2×8版は、同じプリント柄で、必要枚数を揃えることができません。しかし、居室に使うわけではないので、多少の色違いは我慢するとして、似た色合いのプリント合板を2種類、それぞれ違うホームセンターから、大特価で調達してきました。足りない分は、正規の値段で買い足すことに・・。
ネットでも買える、石膏ボードとプリント合板
8MO強化紙合板・SHARP・BOARD・ミディアムオークMO2.5t3*6尺高機能プリント合板 価格:1,390円 |
床板を何で張り替えたらよいか?と、ネットで調べてみると、まず、① 既存の床板を剥いで、根太(ねだ、床板を張るために303mm間隔に渡された約45mm角の材木)に、床板を張り直す方法(張り替え工事)と、② 既存の床板の上にそのまま新しい床板を張ってしまう方法(上張り工法、重ね張り工法とか二重張り工法とも)があります。
前者は、床板を剥ぐための工事が必要で、多量の廃材が発生するのが難点です(デメリット)。ただし、床下の状態を確認し、根太や大引(おおびき)に腐食等の問題個所があれば、補修することができ、床の高さも現状と変わらなくできるため、段差ができたり戸が開かなくなったりという問題は避けられます(メリット)。
一方、後者の上張り(重ね張り)工法であれば、床板を剥ぐための工事も必要なく、廃材も発生しません。また、既存の床に構造的な問題(腐食等)が無ければ、床板が二重になる分、床の強度が増すことも期待できます(メリット)。ただし、床の厚み(高さ)が増すことで、段差が生じたり扉が当たったりする可能性があります(デメリット)。
根太に直接張る床板は、強度の高い「根太張り用」を用いる必要があります。根太に直接床板を張るのではなく、下地として根太の上に12mm厚程度の合板を張り、その上から床板を張る工法を”捨て張り工法”と言い、この場合は比較的安価な「捨て張り用」の床板を使うことができます。なお、上張りにする場合は、既存の床板が直張りの捨て張り合板と同様の役割を果たすので、安価な「捨て張り用」の床板を使うことができます(メリット)。
さて、倉庫の床の状態はと言うと、17mm厚で30cm幅の硬い樫の木の板が、びっしりと張られているので、多少飛んだり跳ねたりしたところで、びくともしません。もちろん、キシミや振動はありますが・・・。ただ問題は、いかんせん古いことと、床板が反って相当な凸凹が出来てしまっていることです。このまま重ね張りをしてしまって大丈夫なものか、また、種類ある床板の中から、卓球をするのには、どんな床材を選んだら良いのか?、ネットで情報を探しても、答えは見つかりません。
そこで、価格も安く品揃えも多そうなショップを楽天市場で探して、「アウトレット床材本舗楽天市場店 」(株式会社ダイショウ)さんに、直接メールで問合せをすることに。すると、利用目的に適したお勧めの床材を紹介してくれただけでなく、施工方法のアドバイスや、床材の割付図面まで作ってくれて、大変助かりました。
リフォーム前の床板の状態
床材本舗さんから購入した床板は、「リフォームに!汚れや傷に強い天然木化粧の床材 1ケース(1坪)あたり4300円(送料込み)」で、10坪分(2ケース)で43,000円(税込、送料無料)です。
重ね張りの方法は、床材本舗さんから、『既存の床の上に新しい床板を仮置きして、上で飛び跳ねてみると施工後のイメージがつかめるかも』と、アドバイスをもらいました。そこで、そのまま新しい床板を重ねた場合と、試しに12mm厚の合板を敷いた上に床板を置いた場合とで、床を踏んだ感触を比較してみました。もちろん、釘止めしていないので、実際の感覚とは異なると思いますが、明らかに合板を敷いた方が、床を踏んだ時に足に伝わる”床板のしっかり感”が違います。結局悩んだ末、コストアップにはなりますが、後から後悔しても張り直せないので、既存の床板の上に12mm厚の合板を敷き詰め、その上に新しい床板を上張りすることにしました。
合板は、特に湿気がある場所ではないので(湿気の多い所では1類(あるいは特類)規格の構造用合板を使用)、近所のコメリで一番安かった針葉樹合板(12mm厚の3×6版、998円/枚)を使い、ウレタン系のフローリング用ボンド「床職人 」と、コーススレッド (タッピングネジ)を使って、頑丈に既存の床板の上に敷き並べました。コーススレッドは、コメリの「黒コース」が使いやすかったです。10坪の既存の床板の補強と、捨て貼り用の合板を張るのに、合わせて2千本近くのネジを打ち込みました。腰と肩が痛くなり、ドリルを持った親指の付け根の皮が剥けそう・・・。
【注意】 捨て張り用の合板を敷き詰める際に、既存の床板の釘の位置(根太の位置)を、合板に印を付けておくのを忘れないように!。
リフォームの主な手順は、以下の通りです。
ところで、DIYでリフォームするには、釘や金槌などの大工道具が当然必要ですが、電動工具があると無いとでは、作業効率が全然違います。しかし、職人さんであれば毎日使うものでしょうが、素人だと滅多に使う機会が無いので、一時のためだけに高価な電動工具を買い揃えるのは躊躇してしまいます。それでも、最低限あった方が良い、安くて便利な電動工具を、紹介しておきます。
マキタ makita 充電式 インパクトドライバー 10.8V 白 TD090DWSPW [A070204] 価格:10,927円 |
一般に、素人が「電気ドリル」と言うと、ネジを回すことができる工具という認識ですが、いざ買うとなって調べてみると、実は、「ドリルドライバー」と、「インパクトドライバー」という、二種類の電動工具があることを知りました。(なお、狭義の「電気ドリル」は、電動の”ドリルドライバー”のことを指します。)
ドリルドライバーと、インパクトドライバーの違いは何か?。
そもそも、”ドリル”は、穴を開ける工具で、”インパクト”は、回転方向に打撃を加える工具を意味しています。
種類 | 木材や金属の穴あけ | 短いネジ (50mm以下) の締付 |
長いネジ、 (50mm以上) 硬い木材への締付 |
---|---|---|---|
ドリルドライバー | ○ | ◎ | × (反動大きく危険) |
インパクトドライバー | △ (六角軸ビット要) |
△ (締付過ぎ要注意) |
◎ |
(参考)カインズホームの掲示板より
ドリルドライバーは、本来は穴あけを目的とした(ネジ回しにもなる)工具であり、クラッチが内蔵されていて、設定したトルクになると空回りするようになっています。それで、無理な力が加わることを避け、ドリルの刃が折れたり、ネジの締めつけ過ぎを回避できます(メリット)。ただし、インパクトドライバーに比べると、大きく、重くなりがちです(デメリット)。また、ドリルやビットを止める方式は「キーレスチャック」になっていて、丸軸のドリル錐をセットすることができます。ただし、キーレスチャックにドリル錐やネジ回しのビットを取り付け・取り外しするには、チャックを手で回す必要があり、頻繁に付け替えるには不便です(デメリット)。
インパクトドライバーは、本来はネジ締めを目的とした工具で、回転方向に打撃を加えながら締め付けるので、一旦これで締めたら、人力では緩められないほどしっかり締め付けることができることを旨としています。そのため、ネジを締める効率性には長けていて、同程度の回す力のドリルドライバーと比較すると、軽量でコンパクトです(メリット)。ただし、ネジを締める材料や素材に適した出力の工具を選ばないと、締め付け過ぎて、材料を壊してしまったり、ドリル錐が折れて危険なことも(デメリット)。なお、インパクトドライバーの取付口は、規定サイズの6角形をしていて、6角軸のどのビットや工具でも、ワンタッチで装着・脱着が可能です(メリット)
次に悩ましいのが、コード式と充電式(バッテリー式)で、どっちがいいか?という事です。
コード式は軽量ですが、電源が近くに無い場所や、移動しながらの作業では、電気コードの取り回しが面倒です。一方の充電式は、バッテリーが付くことで重く大きくなり、バッテリーの寿命による買い替えの必要性と、バッテリー切れが厄介ですが、取り回し性は、コード式より格段に効率的です。
そこで、私的にDIYにお勧めなのは、まずは、何処のホームセンターでも売っているような、1~2千円前後のミニ充電式ドライバー。これは、大工道具や電動工具というよりは、ハサミやカッターと同じく、家庭の備品として、とても重宝します。それに、トルク調整が無い分、回転速度は遅いですが、そこそこネジ締め能力は高く、押し込む力さえ加えてあげれば、そこそこのネジ締めや穴あけに使うことができます。
そして本題ですが、そこそこのDIYの利用頻度があるなら、締め付けトルクが30N・m前後の、充電式の電動ドリルドライバー(バッテリーが2個付いた「マキタ M655DWX」等)がお勧めです。
一年に一回とか、たまに使う程度というなら、7N・m前後の、充電式の電動ドリルドライバー(コストパフォーマンスに優れた「リョービ BD-710」等)か、コード式の電動ドリルドライバー(必要なパーツがキットになった「RYOBI FDD-1010KT」等)が、価格面でも能力的にも、DIY用にマッチするのではないでしょうか。
もちろん、バッテリー式を選ぶことで、重くなることは覚悟して下さい。ただし、上方向の作業には向きませんが、下方向の作業であれば、工具自体の重さで、逆に作業がしやすくなる面もあります。また、バッテリーには寿命があって、使用頻度に係らず、何年かの後には買い換える必要があります。出来るだけ信頼性の高いメーカーの物を選び、時期が来たら、壊れたと思わず、最新の良い工具になったと、前向きに考えましょう!。
なお、各人の使用状況や頻度、場所等によって、選択肢は異なると思いますので、それぞれの今後の使用機会を想像しながら、どれを選んだらよいかご判断ください。
価格:6,151円 |
以前より「電動ジグソー 」は持っていたのですが、細い角材などを切るには十分ですが、長い板材を切るには、やはり「電気丸のこ 」の方が便利です。
丸ノコの能力は、主に最大切り込み深さ(刃の大きさ=切断できる材料の厚み)によります。小さい丸ノコで、厚い板を切ることは出来ませんが、かといって、大きい丸ノコで薄い板を切る時には、刃の出る量を材の厚さに応じて少なく調整する必要があります。先の電動ドリルドライバーは、大は小を兼ねてくれる機会が多い工具ですが、DIYで扱う材の厚さは限られますので、あまり大きな丸ノコを買っても、無用の長物になり兼ねません。一般のDIY用途であれば、シリーズの中で一番小さい機種で十分ではないかと思います。
丸ノコを使う際の注意点ですが、丸ノコで切ると、上に向けた面(丸ノコの刃が出てくる方向)の切断面に、バリ(カエリ)が出てしまいます。まず基本ですが、丸ノコを使う場合には、材の表になる側を下にして、裏から切ります。そのため、切断する線の印は裏面に付ける必要があり、表裏で向きが逆になります。これを忘れて、私などは何度材料を無駄にしたことか・・・(汗)。
バリを出さないようにするには、丸ノコをゆっくり送るのがコツで、どうしても出したくないときは、バリが出るところに紙テープを貼っておくと、防ぐことができます。
丸ノコには、真っ直ぐ切ったり、並行に切ったりするための、丸ノコ用ガイド(定規)が何種類も売られています。「丸鋸ガイド(定規) 」があると、作業も楽ですし、切り口を曲げてしまってキックバックを起こすような事故も防止できます。
キックバックとは、機械の刃が材料に噛んで(挟まって)しまい、後ろ向きの反発力が働いて、機械が自分の方に跳ねかえってきてしまうことです。刃が回転したままの丸ノコを、投げつけられたと想像してください。電動工具は、扱い方を一歩間違うと、大変危険な工具に変身してしまうので、取扱説明書をよく読んで、正しく使いましょう!。キックバックは、材料の切り始めと切り終わりによく起こりますので、特に注意が必要です。
1.DIY リフォームに挑戦 (このページ)
2.鉄骨の柱と土蔵の扉を塗装
3.ブロック塀に石膏ボードを貼る
4.Cチャンネルにプリント合板を張る
5.床板の張り換え(上張り工法)