都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
トウモロコシは、イネ科の一年生植物で、人間の穀物や家畜の飼料などとして世界中で大量に生産されており、”小麦”や”米”と並ぶ「世界三大穀物」のひとつです。とても古くから栽培されており、紀元前5000年ごろには大規模栽培が定着、その後に興るマヤ文明の繁栄を支えたとも言われています。しかし、アメリカ大陸からヨーロッパに渡ったのは、1492年のコロンブスによる新大陸発見の時と言われており、ほどなくして日本にも伝来、世界中で栽培される様になりました。
日本語のトウモロコシの語源は、古くに今の中国のことを指した”唐土”(もろこし)の”唐”の国から伝来したからとされており、英語圏では一般的にコーン(corn)と呼ばれています。ただし、cornとは本来は穀物全体を指す言葉で、イギリスでは今でも穀物をcornと呼び、トウモロコシのことはmaizeと呼ぶそうです。日本でも、地域によって”とうきび”や”きび”、”なんば”など、様々な呼び方があり、『日本方言大辞典』には267種もの呼び方が載っているそうです。ただし、時代とともに徐々に方言は薄れ、今では全国的にトウモロコシと呼ぶのが一般的です。
トウモロコシは、種を土に直接蒔く直播きでも、種をポットに蒔いて育てた苗や買ってきた苗を、畑に植え替えても、どちらでも栽培できます。ただし、露地栽培でトウモロコシの芽が出るのは、暖地でも4月下旬、寒冷地では5月以降。種まきから収穫までは約3か月近くかかるので、7月上旬の梅雨入りした頃にトウモロコシが食べたいとなると、どうしてもポット蒔きして、保温下で育苗する必要があります。でも、直播きした方が、植え替えするより生育は早いので、病害虫にも強く、安定した収穫が得られる様な感じがします(笑)。
トウモロコシの鮮度は落ちやすく、一度に全部収穫しても食べきれないので、トウモロコシの種蒔きは、時間差で何回にも分けて蒔きます。4月中旬から6月いっぱいまで蒔けますが、遅くなって猛暑を耐え忍んで育ったトウモロコシはあまり美味しく無いので、食べごろはお盆くらいまで。長野盆地だと、5月上旬から中旬くらいに種まきをし、梅雨明け頃に頂くトウモロコシが、一番食べ応えがあるように思います!。その後のトウモロコシは、単に食べ飽きるからかもしれませんが、イマイチの様な気が・・・(汗)。なお、時間差で種まきをする場合は、受粉しやすい様に、近い場所に固めて蒔くのがコツです!。
株回りの草が伸びてきたら、草取りを兼ねて、2~3回の追肥と土寄せを行います。
土の付け根から別れた脇芽を欠く必要はありませんが、大きく実入りのよいトウモロコシにするためには、一番上の雌花だけを残して、その下の雌花は摘み取りましょう。残しておいても、腹の足しくらいにはなりますが、あまり良いトウモロコシにはなりません(汗)。少し大きく成りだしたくらいに摘み取ると、「ヤングコーン」として食べることが出来ます。私は味噌汁の具にするのが好きですが、糠漬けにしても、結構イケましたよ!。また、雌花のヒゲ(穂、絹糸とも)も、おひたしにして頂くことも出来ます。旬の味として珍重する人もいますが、私はヤングコーンだけで十分です(笑)。
実は、この収穫のタイミングの見極めが、トウモロコシ栽培の中で一番難しいんじゃないか?と思えるほど(笑)。早すぎても、遅すぎても、美味しくありません。かといって、一度には沢山食べきれないし・・・(汗)。
まず、雌花のヒゲが、完全に根本まで茶色く変色するまで待ちましょう。茶色くなったヒゲの実を順番に握ってみて、太ったものから試しに収穫して食べてみましょう。慣れてくれば、先っぽの皮を剥いて実の粒の色艶と大きさを見ただけで、ほぼ食べごろかが判断できるようになります。
トウモロコシの収穫は朝方に行い、出来るだけ鮮度のよいその日のうちに調理することをお勧めします。保存する場合は、茹でて冷凍した方が美味しいそうです。
最近流行りのトウモロコシの食べ方は、数枚の皮を付けたまま、丸ごと焼くか、電子レンジでチンするレシピ!。テレビ番組での情報によると、電子レンジを使う場合は、1本ずつ入れ、500Wで5分。その後、根元側の実と皮が剥がれる位置を包丁で切って、ヒゲを持って振れば、スルッと皮がむけて実が下に落ちます!(笑)。
私もこの番組を観て、さっそく試してみましたが、正直なところ、個人的には茹でた方が美味しいと思いました…(汗)。茹で方にも、水から茹でる方法と、お湯から茹でる方法がありますが、私は“水から”中火で長めに茹でる派!(笑)。湯で時間は、鍋を火にかけてから、だいたい14分くらいです。ちなみに、塩は入れません。
また、「トウモロコシご飯」も美味しいので、絶対におすすめです!。作り方は簡単、ご飯を研いで通常の水加減でセットします。炊く直前に、トウモロコシの実を包丁でそぎ落として中に入れ、残った芯も半分に切って投入。後はスイッチを入れて、ご飯が炊きあがるのを待つだけ。塩や醤油、酒やダシなどは、お好みで入れてもいいですが、私的には一切不要!。また、トウモロコシの実をキレイに外そうなんて思う必要はありません。浅くなろうが深くなろうが、適当に包丁でザクッと削ぎ落とすだけで、炊き上がれば十分キレイな粒になります。さすがに芯は食べられないので、炊き上がったら芯は捨ててください。この芯から、甘みと旨味(ダシ)が出て、とても美味しいトウモロコシご飯に炊き上がりますよ(笑)。
お米の量とトウモロコシの量との関係は、好き好きで!。我が家では通常、お米2合にトウモロコシ1本を入れて焚いていますが、ちょっとトウモロコシの味が勝つ感じで、私は大好きです。お米の味を重視したいなら、3合に1本でもいいですし、逆にトウモロコシ大好きなら、1合に1本でも美味しくいただけます。
美味しすぎて気になるのは、そのカロリー。トウモロコシも立派な穀物なので、お米+トウモロコシは、穀物の二重奏になってしまいますが、美味しすぎて、普段より沢山ご飯を食べてしまいがちです…(汗)。トウモロコシのカロリーは、1本あたり200kcal前後だそうです。お米1合(150グラム)は 537kcalだそうなので、お米2合だと約1,000kcal。つまり、白米よりトウモロコシご飯の方が、同じ白米の量なら、カロリーは2割増しといったところ(お米2合+トウモロコシ本=1,200kcal、お茶碗一杯がその1/4だとすると約300kcalです)。カロリーを控えるなら、何時もよりお茶碗に盛る量を、2割ほど少な目にしないといけません。でも、トウモロコシは食物繊維も豊富ですし、さほど気にする必要はないかもしれません。どうしても気になる方は、おかずの量を少し減らしましょう!。ただし、トウモロコシご飯が美味しいからとご飯をお代わりしたら、あっという間に主食のカロリーが、何時もの2倍以上になってしまいますよ(笑)。