ピーマンの育て方

都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。

 1.ピーマン栽培のキモとコツ

ピーマンとは

ピーマンは、ナス科トウガラシ属の一年草で、南米が原産地とされています。甘トウガラシがヨーロッパで品種改良され、日本には明治初期に、欧州あるいは米国を経由して伝わったようです。一般的に日本で食されているピーマンは緑色をしていますが、これはまだ青い未成熟果を食用にしているからです。成熟すると、赤や黄色、橙色等に変色しますが、そうした性質を改良したカラーピーマン(パプリカを含む)も登場しています。ピーマンを嫌う子供が多いのは、未熟果の青臭さと苦みが一番の原因です。その昔、子供が大好きな物の代表として、『巨人・大鵬・卵焼き』と謳われた時代に、子供の嫌いな物の代表として、『江川・ピーマン・北の湖』と揶揄されたことも(笑)。しかし、ピーマンの栄養価はとても高く、特にビタミンCの摂取量はレモンを遥かに凌駕するほど!。たくさん食べましょう(笑)。

【品種】
昨今、パプリカやとうがらし系の品種改良は盛んに行われており、色や形も様々な品種がありますが、ここでは一般的な緑色をしたピーマンを紹介しておきます。そのピーマンの二大巨頭が、京みどりとエース。
京みどり」は、中型のやや長めの形状で、果皮が薄くて食べやすく、病気に強くて豊作が期待できるため、市場でも家庭菜園でも、もっとも人気の品種です。一方の「エース」は、比較的大型のだるま型で、肉厚で味も良いので、肉詰め料理などにおすすめです。それぞれ品種改良が進み、「京ひかり」や「ニューエース」といった新しい品種もあります。
【連作障害】
ナス科の野菜は連作障害を起こしやすいので、3~4年は空ける様にとのことですが、ピーマンだけでなくナスやジャガイモ、トマトなど他のナス科の野菜とも輪作を避けるとなると、なかなか困難です(汗)。せめて昨年、ナス科の野菜を植えなかった場所で育てることにしましょう(笑)。ただ少なくとも、ナス科の野菜を好むテントウムシダマシなどの害虫を寄せ付けやすいャガイモとは、できるだけ離して栽培した方が無難です。
【病害虫】
病害虫による被害は比較的少ない野菜です。連作を避け、枝が混み合わないように剪定し、風通しをよくしてしておきましょう。もし、青枯れや立ち枯れが発生した場合は、速やかにその株を撤去し、残りの株で収量をカバーするよう努めます。

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とは言え、たまにピーマンの実に小さな穴が開いていて、中に虫が入っていることがあります(汗)。同じナス科のトマトにも同様の穴を開られてしまう害虫、タバコガの幼虫ですね!。ピーマンやミニトマトの実は1株に沢山成るので、一つ二つ穴を開けられても実害は少ないですが、大玉トマトではタバコガの被害は最小限に食い止めたいところ。しかし、タバコガの幼虫を先に見つけて「手でトール」で駆除するのは困難なので、農薬の力に頼りましょう。おすすめの殺虫剤は、速攻性の高い「プレオ フロアブル」や、収穫前日まで使える「フェニックス顆粒水和剤」。幅広いチョウ目害虫に高い効果が期待でき、キャベツなど葉物野菜でも役立つので、一本買っておくと助かりますが、値段はちょっと高めです(汗)。

 2.種まきと定植

ピーマンは種から栽培することも可能ですが、ピーマンやトウガラシ、シシトウなどの苗は育つのにとても時間がかかるため、特に種蒔きの時期が遅くなる寒冷地では、苗を買って育てることをお勧めします。とは言え、私は買った苗の他に、自分でも種から苗を育てていますが、収穫が始まるのは、買った苗より2か月近くも遅くなってしまいます(汗)。

【気象環境】
発芽・生育適温は20~30度、南米原産らしく、温暖な気候と日照を好みます。夏に収穫期を迎える野菜なので暑さには強いですが、耐寒性は弱く、霜の被害を受けやすいので、苗を定植する時には遅霜に注意が必要です。
【播種の適期】
種まきから定植可能な苗に育つまでの育苗期間は、最低でも2か月以上、寒冷地では3か月以上も掛かります。7月に収穫できるようになるには、5月に定植する必要があり、そのためには2月に種まきをしなければなりません(汗)。すると、寒冷地はもちろん、団地でも保温が不可欠。ビニールトンネルで発芽・育苗ができるようになる3月中旬~下旬に種まきをすると、収穫が始まるのは8月以降になってしまうため、今度は暑さで株の成長が滞ります(泣)。そのため、ベテラン農家でも、ピーマン類は購入苗を定植するのが一般的です。
種まきと収穫時期
【土壌・施肥】
酸性土を嫌うため、定植前に中性寄りになるよう石灰を施しましょう。通気と、排水・保水性を好むため、肥料をたっぷり加えた高畝で育てるのがベストです。
【植え付け】
本葉が6~8枚になったころが、定植の適期。畝間は80cm~1m、株間は40~50cmで定植しますが、カラーピーマンとして収穫する場合やパプリカの場合には、株間を60cmくらいと広めにします。
ピーマンは浅根なので、定植したら直ぐに支柱を立て、紐で8の字に結んでおきます。定植後、生育が本格的になると、どんどん脇芽が出てきますので、脇芽は早めに摘み取り、2~3本仕立てで育てます。

 3.管理と収穫、保存

定植後の管理

ピーマンは分岐性が強く、放っておくとどんどん脇芽が伸びてしまうので、早めに脇芽は摘み取ります。基本的な仕立て方は、主枝と元気な2本の測枝を残した、3本仕立て。そこから伸びる脇枝も、混み合わないように適宜剪定します。

ピーマンの虫食い穴実がついたら、最初の追肥。以降、2週間おきに追肥をします。ピーマンの実に穴が開いていたら、タバコガの幼虫が中に入っていますので、切り取って焼却するなどし、補殺しましょう。

収穫

定植後、1ヶ月くらい経つと実が付きだしますが、はじめの実は小さいうちに早めに収穫すると、株への負担が減り、大きな株に成長します。同時にいくつもの実が収穫できるようになったら、株も大きく育った証拠。食べごろサイズの実を順番に切り取って収穫します。

お盆前の猛暑の頃には、水涸れや株疲れに注意し、水不足が続くようであれば灌水し、畝に藁を敷くなどして地温を下げてやると、再び実付きがよくなりますよ。

 


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