都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
オクラは、アオイ科トロロアオイ属の植物です。アオイ科と言うと、梅雨から夏にかけて花が咲くタチアオイやハイビスカス、ムクゲのほか、食用のドリアンやカカオも同じ仲間。オクラも、とてもキレイで大きな花を咲かせます!。原産地はアフリカ北東部の熱帯で、もともとは多年草ですが、日本では越冬できないため一年草です。夏の暑さが大好きな野菜で、昨年の強烈な猛暑続きの中でも、オクラだけは豊作で、採れ過ぎて困るほどでした(汗)。英語名が、なんと”Okra”。日本に入ってきたのは明治初期で、和名は”アメリカネリ”、古くから栽培されていた地域では”ネリ”とか、”陸蓮根”(おかれんこん)と呼ばれる地域もあるそうです。
オクラには、ネバネバの元となる食物繊維が豊富で、コレステロールを減らす効果があり、ビタミンやミネラルも含まれるため、夏バテ防止の効果も期待できて、夏にこそ食べたい野菜のひとつです。小さく刻んで粘りを出し、朝ごはんの納豆に混ぜたり、そうめんのつゆに入れたら、美味しく沢山食べられますね!(笑)。元は、ハイビスカスやムクゲと同じアオイ科なので、その花を綺麗に咲くように改良した、「花オクラ」という品種もあります。ただし花オクラは、実を食べずに、花を食べます。きれいに咲いた花を、サラダやおひたし、天ぷらなどにして食べます。私はヌルっとした食感がちょっと苦手ですが、好きな人は実オクラは育てずに花オクラだけ栽培している人もいます!。
買ってきた苗や育てた苗を定植して育てることも出来なくは無いですが、オクラの根は直根で、移植すると根を痛めやすいので、直播き栽培がおすすめ。特に、大きく育ち過ぎた苗を移植しても、うまく育ちません!。たまに、ホームセンターなどで売れ残って徒長したオクラの苗が半値で売られていたりしますが、私はたとえ10円でも欲しくありません…(汗)。
しかし、オクラの発芽・生育適温は高く、遅霜にあうと枯れてしまうので、種を蒔くのは遅霜の心配が無くなり、地温が十分に上がった5月以降。そうなると、どうしても収穫が始まるのは遅くなりがちなので、どうしても早くから収穫したい人は、苗を買うか育てるかして、慎重に定植する必要があります。
種まきから一月半~二月ほど経つと花が咲き、それから1週間ほどで実の収穫が始まります。株の生育を助けるため、最初のうちは早め早めに収穫しましょう。
また、受粉が済んで閉じた花弁は、しばらくすると枯れ出し、手でつまむとスポッっと抜けて、中から小さなオクラが頭を出します。枯れた花弁は早めに取ってしまった方が、きれいな色形のオクラを収穫できますよ!。
オクラの株は、高さが1メートル半から2メートル位まで大きく育ち、脇芽も出て大きな葉を広げるので、倒れやすくなります。柔らかい土の畑では、早めに支柱を立てて茎を縛るか、追肥と同時に土寄せを行います。とは言え、台風が滅多に通過することのない長野県において、我が家の畑が粘土質で土が固いせいもあってか、簡単に土寄せするだけで、これまで倒れたことは一度もありません。でも、大きく傾いたことは、何度かあります…(笑)。オクラは肥料食いの野菜ですので、2週間に1度は追肥をして、土寄せをしてあげましょう。
葉が茂ってくると、収穫の際に、収穫し頃の大きさの実を、つい見落としてしまいがちです。しかし、”博多華丸・大吉”の漫才じゃないですが、オクラとゴーヤは育つのが早い!(笑)。翌日か翌々日に見つけたときは、食べられないほど巨大化していることも…(汗)。そのため、私はここ数年は、丸オクラを育てる様にしています。味的には、角オクラの方が美味しい様な気がしますが、丸オクラの方が大きくなっても食べられて便利です(笑)。
オクラの実は、株の成長と伴に下から順番に収穫していきますが、葉も、株の成長した先から次々に新しい葉が開きます。一方、下の方に付いている、大きくて古い葉は、光合成の役目を終え、やがて枯れて自然と落ちていきます。葉が茂りすぎると、風通しが悪くなり、病気や害虫も発生しやすくなるので、実を収穫すると同時に、その実の付いていた節から出ている葉も一緒に切って、欠き落としてしまいましょう!。古くなった葉は、勝手にそのうち落ちるので、下葉欠きは特にやらなくても構いませんが、大した手間ではありませんし、古い葉は落としてしまった方が、畑がスッキリします!。収穫の都度でなくても、時々まとめて刈っても構いません。実が付いている下か上かなんてあまり気にせず、古くなった葉から順番に、さっさと欠き落としてしまいましょう(笑)。
ただし、脇芽(側枝)は欠かずに、伸ばして育てた方が、収量が増えます。しかし側枝も、あまり数多く伸ばし過ぎると、株のバランスが悪くなり、倒れやすくなってしまいます。側枝が生えやすい品種では、株のバランスを見ながら、ほどほどの数の脇芽を残すようにしましょう(笑)。
もし、巨大化してしまったオクラを見つけたときは、採らずにそのまま置いておいて、来年用の種取りをしましょう!。ただしF1品種(交配種)の場合や、同じ畑で違う品種のオクラを育てている場合は、いい種が採れないので、自家採種はできません。固定種であれば、自家採種した種で、翌年もオクラが栽培できます。一株に1本、大きなオクラを残したら、実の付け根に目立つ色のテープ等を巻いて、間違って採ってしまわない様に、目印を付けておきます。
秋口になって実が枯れたら、収穫してネットに入れ、風通しの良い日蔭の場所に吊り下げておけば、そのまま来年の種蒔きの時期まで保存しておけます。1本の鞘から、最低でも20粒くらいの種が採れますよ!(笑)。