都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
枝豆とは、大豆を未熟な状態で収穫したものです!。……えぇぇ!?。
そんなの当たり前と言う人もいるでしょうが、私も含めて多分、枝豆が大好きだと言う人でもその大多数が、『枝豆と大豆は同じもの』だとは、知らないのでは無いでしょうか?(汗)。「チコちゃんに叱られる! 」の森田アナ風に語ると、『枝豆は大豆と同じとも知らずに、やれ”ビールには枝豆が欠かせない”だとか、”やっぱ枝豆は茶豆に限る”とか、居酒屋で酔っぱらって騒いでいるお父さん方の、何と多いことか!』(笑)。
大豆(だいず)は、中国が原産といわれる、マメ科の一年草です。とても古くから世界中で農作物として栽培されており、日本でも縄文時代には食べられていたそうです。『畑の肉』とも称されるとおり、植物の中では唯一肉に匹敵するだけのタンパク質を含有する、とても優秀な農作物ですが、意外と大豆を現代でも食用しているのは、世界中でも日本だけが突出しているそうです。日本では大豆の消費量の約5分の1を、豆腐や納豆、味噌・醤油などに加工して食べていますが、世界の多くの国では、ほぼ大半を搾油の原料として使用し、その搾りかす(大豆ミール)を飼料用に回したりしています。さらに、その大豆を未成熟な状態で収穫し、枝豆として食用しているのは、日本と中国、台湾、タイ、ベトナムなど、アジアの数カ国だけで、それも日本から広まったものだそうです!(驚)。
ただ、大豆と枝豆では、違っている部分も多々あります。通常、枝豆は莢ごと収穫して流通しますが、大豆として収穫する時には莢は既に乾燥してボロボロになっているので、豆だけを収穫します。また、大豆として適している品種と、枝豆として食べて美味しい品種とでは異なり、枝豆用の品種改良は今でも盛んにおこなわれています。
エダマメ栽培の肝は、何と言っても芽出し!。種を蒔いて、芽さえ揃って出てくれれば、後は草取りと害虫駆除くらいで、収穫まで見守っていれば、7月か8月には、美味しいビールと枝豆が待っています(笑)。
エダマメの種まきで発芽しない失敗続きの人は、水耕栽培で強制的に発芽(発根)させてから、種を蒔きましょう!。底の平らな容器にペーパータオルを敷き、紙が浸かる程度に水を張り、その上に種を並べます。できれば、種にある黒っぽいスジが横を向くようにします。枝豆の種は”嫌光性”なので、真暗になるよう覆いをして、部屋の暖かい場所に置いておきます。できれば水は、1日ごとに入れ替えてあげると、カビが生えません。すると、3日ほどで、種から白くて尖がりした芽(根)が出ますので、その幼根を痛めないようにして、その状態のまま種を静かにポットか畑に掘った蒔き穴に置き、上から土を優しく掛け、軽く押さえておきます。後は適宜水やりをすれば、遅くとも1週間ほどで発芽するはずです!。
なお、鳥害を避け、発芽率を高めるために、ポット蒔きを勧める人が多いですが、私は豆類の種は、直播きに限ると思っています。定植時に根を痛めやすいですし、その後の発育速度にも差が出ます。鳥害については、我が家ではまず経験が無いので断定はできませんが、播種した畝の上に、防鳥糸
かミシン糸を一本張っておけば、ほぼ安心の様な気がします。ただし、不運にも発芽率の悪い種に当たってしまった場合は、ポット蒔きしておけば良かったと後悔することも…(汗)。
エダマメの主根は直根で、大きくなった苗を植えかえると主根を痛めやすいため、ポット育苗した苗を定植する場合は、双葉が開き本葉が展開し終わる前、若苗のうちに定植します。
種まきから1月半ほど経つと花が咲き、2ヶ月も過ぎるとエダマメの莢の形が確認できるようになります。この頃に、草取りを兼ねて中耕と土寄せをして、株の倒伏を防止します。葉の色が薄かったり、葉の繁りが足りない様なら、追肥もしましょう!。
逆に、葉が茂りすぎて、株の丈が腰高くらいまでに伸びているのに、実付が確認できないようだと、ツルボケしているかもしれません。株の頭を20cmくらい切って、ツルボケを抑えます。もちろん、追肥は不要ですよ(笑)。
エダマメの天敵、メイガが侵入するのも、この頃です!。開花が終わったころから莢ができ始めるまでの間に、「トレボン乳剤」などを散布して、防除しましょう。無農薬に拘るなら、防虫ネットを掛けた方が無難です。何もしないと、収量が激減してしまいますよ(汗)。
エダマメの収穫時期は、膨らんできた莢を見たり触ったりすれば、おおよそ判断できるはずです。が、そこは人間、どうしても欲が勝り、『もう少し待てば…』と思ってしまい、得てして採り遅れがちです(汗)。
採り遅れを防ぐ一番の手段は、種まきからの日数を確認すること!。早生種だと、種まきから75日前後、中生種は85日前後、晩生種は110日前後です。ゴールデンウィークに早生種を種まきすると、7月下旬には収穫適期を迎えます。ちなみに、極早生の「奥原早生」だと、収穫の適期は開花後30~40日だそうですが、さすがに開花の時期まで覚えていられません…(汗)。
収穫時期を迎えたら、3~4株を抜いて莢をもぐと、中くらいのキッチンボール一杯の枝豆が収穫できます。実は私、枝豆のもぎ取りが、大嫌いです!。面倒臭いし、手も痛くなるし…。収穫ハサミを使うと、きれいには採れますが、手間が掛かって大変です。結局、溜まっているストレスをぶつけて、『このやろ~』と思いつつ、もぎ取ることになります(笑)。
枝豆をもぐときは、あまり選りすぐりしないことです(笑)。店で売っているような枝豆を期待すると、収穫量は半分にも足りず、ほとんどを捨てることになり兼ねません…(汗)。多少は虫に食われていようが、3粒莢に2粒や1粒しか入っていなくても、茹でてしまえば大して気になりませんし、痛んだ実は食べる時に気を付ければ済むことです!。これも、家庭菜園ならではの醍醐味。採れたて茹でたての枝豆の味は、冷凍枝豆とは比べ物にならないくらい美味しいので、できるだけ捨てずに、全部頂きましょう!(笑)。