都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
ホウレンソウ(法蓮草、ほうれん草)は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属の野菜です。”ヒユ科”なんて聞いたことが無いとウィキペディアで調べると、世界には70属800種もありますが、日本では5属10数種があるだけで、ほとんどが雑草だそうです…(汗)。私でも知っている花では、ケイトウ(鶏頭)やセンニチコウ(千日紅)など!。野菜としては、ホウレンソウの他には、オカヒジキが含まれる程度です。そんなホウレンソウは、根が赤いことから、赤根草とも呼ばれています。
ホウレンソウの原産地は、中東のイランの辺りとされていますが、定かにはなっていません。中世末期には、アラブ諸国からヨーロッパに伝わり、栽培が盛んになったようです。日本に渡来したのは、江戸時代の初期に中国から東洋種が伝わり、西洋種が持ち込まれたのは幕末から明治にかけての事ですが、西洋種はほとんど広まらなかったそうです。ホウレンソウが日本で広く栽培される様になったのは、大正末期から昭和初期にかけてで、東洋種と西洋種の交配品種が作られたことによります。現在、日本で栽培されているホウレンソウの品種の多くは、西洋種に東洋種の交雑固定種か、西洋種と東洋種の一代雑種(F1)です。
発芽・生育適温は15度~20度で、冷涼な気候を好みます。耐寒性は極めて強く、雪の下はもちろん、マイナス10度以下になる長野の冬にもよく耐えて、年内に大きな苗に育ってしまえば、春先には寒さで甘みが増した、美味しい”雪下ほうれん草”が収穫できますよ!。特に、縮み(ちりめん)葉のホウレンソウは、寒さで甘みがよく増します。逆に、暑さには弱く、25度以上で発芽すると、トウ立ちしやすく、病気にもかかり易くなります。そのため、ホウレンソウの種まきは、3月から5月の春と、9月から10月の秋が適期とされていますが、品種を選んで上手に発芽させれば、一年を通じて長い期間、収穫を楽しむことが出来る野菜です。
本葉が広がり隣り合う株の葉が混み出したら、間引きを始めます。最終的に、株間10cmくらいまで間引きます。結構密植させても育ちますが、株の姿形が立性になります。逆に株間を広く取ると、伏性になり葉を広げます。
また、草が生えてきたら、草取りしてから発酵鶏糞を追肥し、中耕しておきます。ほうれん草は比較的肥料食いで、肥料(窒素等)が足りないと葉の緑が濃くなりません。葉の色が薄いなと感じたら、窒素分の多い化成肥料や苦土石灰を追肥します。ただし、多すぎても病気になりやすいので、長雨が続く場合などは、液肥を一度与えて様子を見ましょう。
ほうれん草は、比較的病気にもかかりやすい野菜です。我が家の様な水はけの悪い粘土質の畑で、春の長雨や秋の長雨に当たってしまうと、萎凋病やべと病が発生しやすいです。私は生育期間中に1~2度、予防と治療を兼ねて、必ず殺菌剤を撒くようにしています。
草丈が20cmくらいになったら、収穫可能です。一斉に収穫期を迎えるため、少し早めに収穫を始めても構いません!。
葉を持って根を引き抜こうとすると、葉を痛めるため、鎌で根を切って、1株ずつ丁寧に収穫しましょう(笑)。