都会からリタイアして地元の田舎に戻り始めた家庭菜園、少しずつ学んだ野菜の育て方のコツをまとめてみました。
ネギ(葱)は、何やら学術上は難しい分類に含まれるようですが、ネギ属の一種で、日本では大きく分けて、下仁田ネギや深谷ねぎに代表される、根元の軟白部分を主に食べる「根深ねぎ(長ネギ)」と、九条葱やワケネギ(分けつネギ)に代表される、主に葉の部分を食べる「葉ねぎ(青ネギ)」とに分類されます。長野県内では、「松本一本ねぎ」(一本太ねぎ)という根深ねぎの品種が、とても多く流通しています。土地や気候に合っているのでしょうね。なお、関東以北では「根深ねぎ」が、関西以西では「葉ねぎ」が一般的に多く流通していますが、当地で栽培されるネギは、松本一本太ねぎに代表される根深ねぎ(長ネギ)が主流なので、こちらを中心に紹介します。
さび病やべと病、黒斑病などの病気が発生することがあります。一番多く発生しやすいのが赤さび病です。植え付けの時に、根元にワラや積んでおいた落葉、半熟堆肥などをかけると、アブラムシや赤さび病の予防になるそうで、私は毎年実践しているのですが、やはり赤さびは発生してしまいます(汗)。
長ネギ(根深ねぎ)は、一般的に秋まき・年内収穫と、春まき・年明け収穫という2つの作柄シーズンがあります。しかし、長野県のように冷涼な地域であれば、秋まき栽培だけで年内から翌春まで収穫することも可能ですし、ネギの収穫は鍋が始まる12月以降でよければ、春まき栽培だけで済ますことも可能です。
ただし、ネギの栽培は、植え替え作業と、特に一本太ねぎのように軟白部が長い根深ねぎは、土寄せ作業が大変。春まき栽培だと、植え替えが、7月の一番暑い盛りの作業となるため、できれば避けたいところです。しかし逆に、秋まき栽培だと、栽培期間が長くなるので、草取り作業が余計にかかるのが難点。どっちもどっちですね(汗)。
一方、春に株分けする分けつ種のワケネギ(分けつネギ)は、秋に定植し、翌年の春から夏にかけて収穫します。

ネギの種子発芽は、嫌光性です。しかし、覆土が厚いと発芽し難くなってしまいます。5mmくらい薄く覆土し、軽く鎮圧したら、灌水後、新聞紙や稲わら、寒冷紗を掛けて、遮光と乾燥防止を図ります。春まきした苗の定植時期は、6月から7月の暑い時期。また、寒冷地で秋まきした苗も、一旦4月に定植しますが、8月の暑い最中にもう一回植え直すことで、甘みと柔らかさとが増すそうです。しかし、この暑い時期の植え替え作業は、殊のほか大変。とは言え、この時期はネギの畝間は草でボウボウのはず。草取りを兼ねて植え直すか、草取りだけしてそのままにしてしまうか、悩みどころです(汗)。
この夏の植え替えに合せて、掘り起こしたネギを縛って、1~2週間ほど風通しのより軒下に吊るしておくと、乾燥への耐性が高まり、病害虫の発生も抑制され、成長がよくなると言われています。
株間は、7cm~10cm。この時、ネギの苗をよく見ると、ネギの葉は、左右に並んで付いているのが分かります。ネギの葉は、その方向にしか展開しないので、その向きを揃えて苗を植えると、その後の管理が楽になります。畝の向きに対して、45度の方向に斜めに揃えて植えると、隣の株と葉が重ならず、株間も畝間も狭められ、密植が可能。かつ、土寄せ作業も楽です。
ネギ苗を、植え溝の片側の壁に寄せて立て、根本に土を掛けます。ネギは成長に多くの酸素(空気)を必要としますので、定植時は、根が隠れるぐらいの浅植えとし、絶対に深植えしない様にします。しかし、浅植えしたままだと苗が倒れてしまうので、植え溝に、稲ワラや籾殻、落葉、半熟堆肥などを入れて苗が倒れないように押さえ、風に飛ばされない様に上から軽く土を掛けておきます。半熟堆肥を根元に入れておくと、赤さび病などの発生予防も期待できるそうです!。秋から冬にかけて収穫期を迎えますが、1~2回は霜にあてた方が甘みを増します。
温暖地では、畑に植えたまま、必要な量を都度収穫してもいいですが、雪の降る当地だと、雪の下からネギを掘るのは大変。そこで、雪の降る前に収穫し、天日で乾かした後に、土蔵や倉庫に入れ貯蔵します。しかし全部は掘らず、春先まで食べられるように、ひと月分くらいは畑に残します。雪が溶けてきたら、順番に掘り起こして、収穫します。
暖かくなりだすと、急速にネギは固くなり、芯が出来てしまいます。そうなりだしたら、一旦全部掘り起し、畑を掘って新聞紙を敷き、ネギを横に寝かせて積み上げ、土をかけておきます。そうすれば、もう暫くは食べることができますが、そうは長く持ちません(汗)。
なお、自家採種する場合は、全部収穫してしまわず、畑に数本残して、葱坊主の花を咲かせましょう!。
ネギは、在来種・固定種が多いので、自家採種しやすい野菜のひとつです。
4月になると、長ネギには芯が出来て、硬くなって食べられなくなります。残っていても、そのまま耕耘して処分してしまいますが、自家採種する場合は、数本だけ残しておきます。すると、5月にはネギ坊主が大きくなり、小さな花をいっぱい咲かせます。そして、そのままにしておけば、5月下旬か6月上旬には種が採れますよ。たった1個のネギ坊主から、商売が出来るほど沢山の種が採れますが、種集めが手間なので、数本残しておくと楽です。
5月下旬から6月上旬ごろ、ネギ坊主を覗くと、黒い種が沢山出来ているのが分かります。種を包んでいる薄皮が白く乾燥し、種が熟すと、指で突いたくらいで、種が飛び散ります。そうなったら、種取りをしましょう。ビニールシートか、新聞紙を広げて、その上で切り取ったネギ坊主を叩くと、種がいっぱい飛び散って、シートの上に落ちます。一緒に、花柄や小さな虫もいっぱい落ちて、混ざってしまいますが、シートを揺らしたり、団扇で煽ったりすることで、花柄や虫を避けて、黒い種だけ集めることが出来ます。種だけ集めたら、数時間から数日、陽の下に広げてよく乾燥させたら、虫がいなくなったことを確認してから紙封筒などに入れて、秋か翌年春の種まきまで保存します。私は面倒なので、広げた新聞紙でそのまま包んでレジ袋に入れ、畑の納屋に吊るしておきます。その代わり、種まきする時に、『あれ、どこに置いたっけ?』と忘れがちですが…(笑)