鶴瓶の家族に乾杯 | 熊本県益城町・西原村(藤井フミヤさん)

各回の放送内容(あらすじ)と、ロケ場所となったお店の名前や取り上げられた名物・特産品の情報を集めてみました。

「鶴瓶の家族に乾杯」は、NHK総合テレビで、毎週月曜日の夜7時30分から放送されている、バラエティ番組です。
「家族」をテーマにして、司会の鶴瓶さんとその時々のゲストが旅人として田舎を訪れ、地元の人々と触れ合いながら、ステキ(素敵)な家族を求めて日本中をめぐる、“ぶっつけ本番”の旅番組です。

今後の放送予定や、収録地・出演者(ゲスト)、再放送の予定などは、「放送予定のロケ地とゲスト情報!」のページをご覧ください。

 平成30年5月21日放送 熊本地震から2年 藤井フミヤと益城町・西原村で出会い旅

旅のゲストは、ミュージシャンの藤井フミヤ(ふじいフミヤ)さん。福岡県久留米市出身の55歳。言わずと知れた、元チェッカーズのリードボーカルです。チェッカーズは、1983年に「ギザギザハートの子守唄」でデビューし、数多くのヒットを飛ばして、1992年に解散。まさに、バブル景気の全盛期を駆け抜けた、昭和世代にとっては思い出いっぱいの人気ポップスバンドです。フミヤさんは、チェッカーズ解散後もソロで活躍されています。バブル時代といえば、この4月からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」でも、主人公の楡野鈴愛(永野芽郁さん)が高校3年生最後の夏休み、恋に進路にと揺れる年頃を描いたシーンは、バブル絶頂の1989年のこと。岐阜県の東濃地方では、バブル景気といっても「ぎふサンバランド」建設計画が話題になっただけでしたが、これから漫画家を目指して上京する東京では、ひょっとしてチェッカーズが登場するかも!?(笑)。

藤井フミヤさんが「家族に乾杯」にゲスト出演するのは、今回が3回目。2013年9月の放送では「香川県三豊市」を、2016年9月の放送では「福井県鯖江市」を旅しています。今回の旅の舞台は、熊本県上益城郡益城町(ましきまち)と、その東隣の阿蘇郡西原村。熊本市の東側に位置し、熊本空港のすぐ南側と東側に隣接しています。2年前の、2016年(平成28年)4月に発生した熊本地震では、最大震度「7」の揺れが襲った、益城町と西原村。益城町では、市町村別で最も多い20人もの死者が出ました(西原村でも5人の死者が発生)。震災から2年が過ぎた現在でも、2000人の人が仮設住宅で暮らしています。震災1年後となった昨年4月の放送では、鶴瓶さんは佐渡裕さんと一緒に、再び熊本県南阿蘇村へ旅しました。震災から2年となる今回の旅人は、同じ九州、福岡県出身のフミヤさん。鶴瓶さんもフミヤさんも、震災直後に被災地を訪れた際には、益城町と西原村には入ることすらできなかったそうです。震災から2年が経ち、どこまで復興は進んでいるのでしょうか?。


ロケが行われたのは、平成30年4月25日(水)。益城町のちょうど中央部にある、「秋津川河川公園」で待ち合わせた、鶴瓶さんと藤井フミヤさん。さっそく秋津川沿いに住む女性と出会い、『大変やったでしょ?』と当時の様子を尋ねると、この女性のお宅は、『どがんもならんへん』と。しかし、隣の住宅は、1回目の地震までは建っていたのに、翌日の2回目の地震で倒壊したとのこと。震度7の揺れが、28時間おいて2度も襲った益城町。1回目の前震の翌朝には電気が通り、家に戻ってホッとしていたところ、その深夜に本震が襲い、建物の下敷きになって亡くなった人が多く出てしまったそうです。

次に二人が訪ねたのは、隣にあった「木山神社」。1185年の創建と伝わる本殿は1752年に建てられたそうですが、地震で倒壊し、現在は屋根が地面の上に乗っている状態です(汗)。ようやく解体作業が始まったそうですが、保存すべき部材や彫刻を取り出しながらの解体作業なので、時間が掛かりそうです。なお、御神体は既にプレハブ小屋に移され、現在はそこでお参りをすることができます。

二人が木山神社を後にすると、表通りで出会ったのは、地元の年配の女性陣。中でも82歳になるという米山さんは、とてもパワフル(笑)。この場所で70年間も食料品卸の店を営んできたそうですが、地震で被災し店をたたみ、現在は仮設住宅暮らし。でも、家に帰ってくるのは深夜12時半になるという、バス掃除の仕事は今でも46年間続けてきていて、死ぬまでやるつもりと(汗)。90歳になるご主人も健在で、仮設住宅に居るというので、鶴瓶さんは会いに行ってみることに。

二人が訪ねたのは、「木山仮設団地」。益城町には18もの仮設団地があり、木山団地は2番目に大きく、総戸数は220戸。二人はまず、撮影の許可を貰おうと集会所を訪ねます。すると、集まっていた女性陣に歓待された鶴瓶さんとフミヤさん、ちょうど皆でぜんざいを食べるところと、ご相伴にあずかることに。この日は、YMCAの支援を受けて「地域支え合いセンター」が週に2回開催しているサロンの日で、手芸の会が催され、入居している女性陣が集まり、楽しいひと時を過ごされていました。すると、エアロビクス(体操)をしていたグループの女性陣も集まってきて、さらに一層賑やかに!(笑)。

ここでスタジオから、益城町の自慢の名産品を紹介。紹介してくれるのは、バスケットボールのBリーグで活躍する「熊本ヴォルターズ」の選手の皆さん。震災前は、益城町総合体育館(地震の影響で解体)を拠点に活動していました。益城町のおすすめと言えば、何といっても「スイカ」。熊本県は、スイカの生産量が日本一。なかでも益城町のスイカは、出荷が早いのが特徴。温暖な気候を活かして、12月~6月上旬まで出荷されています。自然豊かな益城町では、トマト、ダイコン、メロン、ニラなど新鮮な野菜が沢山採れます。

次に賑やかな集会所に入ってきたのは、団地一の人気者の芳子さん。鶴瓶さんが齢を尋ねると『70歳』だそうですが、先ほどの別の女性も『35歳』と言っていたので、熊本の女性は3つ4つではなく、2桁単位で鯖を読むのがお好きな様です(笑)。今でこそ明るく、鶴瓶さんと漫才のような楽しい掛け合いを見せてくれた芳子さんですが、辛い過去と苦労を経験し、さらに年老いて被災し一人避難所暮らしとなり、仮設団地に来たころは、暗く沈んで誰とも付き合わず、周りから怖がられていたんだそうです。芳子さんから、手芸の会で作った紫色のレースをプレゼントされた鶴瓶さん、何をその上に置こうかと考えていると、『頭には被るな』と言われたので、思わず頭に被らずにはいられません(笑)。
宴もたけなわとなった集会所、ギターを持ってきたというフミヤさんは、仮設団地の皆さんに、歌をプレゼントすることに。歌ってくれたのは、『振り返ると いつも君が 笑ってくれた~』と歌い出す、「TRUE LOVE」。続いて皆で一緒に、フミヤさんのギターで、「上を向いて歩こう」を合唱。とてもステキなミニコンサートになりました!。
後日、NHKに届けられた鶴瓶さん宛の芳子さんからの手紙を、スタジオで読んでくれた小野アナウンサー、思わず涙声に・・・。ところで、木山仮設団地を訪ねた当初の目的は、米山さんのご主人に会う事でしたが、すっかりそのことを失念してしまった鶴瓶さん。米山さんご夫婦からは、スタジオにビデオレターが届けられました(笑)。

ここで別れることにした、鶴瓶さんと藤井フミヤさん。一人旅になったフミヤさんは、隣の西原村に向かうことに。まず目についたのは、大きなタコの絵が看板に描かれた”神戸焼”のお店。神戸焼とは何かと不思議に思ったフミヤさんですが、実はタコの絵が間に入っているので、正しくは「神戸(蛸)焼」が本当の店の名前。なんと、”冷やし焼き芋”や、”冷たいからあげ”も、店の名物なんだそうです(汗)。店主おすすめの、冷やし焼き芋を頂くことにしたフミヤさん、『焼き芋も唐揚げも、温かいからうまいんじゃないの?』と不安ですが、一口食べてみると、『アリだね!』と(笑)。もともと甘い西原村のサツマイモですが、100分間かけてゆっくり低温で加熱すると、この甘みが出るそうです。そもそも店名も、神戸には何の縁もゆかりもなく、横浜○○とか、神戸○○という名前にすると人気が出ることを知っていて、付けた名前だと話すご主人は、バブル期入社の元銀行員だそうです(笑)。

ここでスタジオから、西原村の名産品、「サツマイモ」を紹介。地元では「カライモ」と呼ばれ、いま子供たちから熱い支持を集めているそうです。その理由は、震災後に村に活気を取り戻そうと始められ、子供たちに大人気となった、「カライモキャッチャー」。取ったカライモは、その場で焼いて食べられるそうです(笑)。西原村では、土を盛り上げて作った小山の中に、カライモ専用の貯蔵庫が造られ、秋の味覚がこの時期まで熟成され、甘みが増すように保存されているそうです。

一方の鶴瓶さん、益城町に残って新たな出会いを探します。道沿いで見つけたビニールハウス、中を覗くと、収穫まじかのメロン(クインシーメロン)がたわわに実っています。どのお宅のハウスか尋ねようと、近所のお宅を窺うと、出会ったのは89歳になる藤田さん家のお婆ちゃん。玄関で、地震で崩れた建物の下敷きになり、肩や腰を痛めたそうですが、既に治って、今ではグランドゴルフの大会に、県外まで出かけているそうです(笑)。

蛸焼き屋のご主人から、この辺りでオススメの場所と言えば、地産品を販売している「萌の里」か、坂の下にある「オーディオ道場」と教えられたフミヤさん、オーディオ道場に興味を示し、訪ねてみることに。途中で見つけた「山田牧場」で、牛乳を飲みがてら、オーディオ道場の場所を教えて貰おうと、立ち寄ります。そこは、牧場の牛乳を使ったソフトクリームなどを販売しているアンテナショップで、「ミルクの里」。フミヤさんは、東京では食べられないというソフトクリームを頂きながら、牧場のご主人と、二回りも歳が離れ、お母さんがご主人と同級生という若い奥さんに、馴初めや暮らしぶりについて話を聞きました。

メロン農家を教えてもらった鶴瓶さんは、ハウス畑に戻り、ハウス近くのプレハブ小屋を覗くと、そこは隣のハウスでスイカを栽培している上村さんの作業小屋でした。ちょうど奥さんと二人で休憩中だったご主人に話を聞くと、震災当時は気分が沈んでいる時に勝手にカメラを回され辛い思いをしたことから、奥さんは今でも撮影はNGなんだそうです(汗)。とはいえ、鶴瓶さんの来訪を喜んでくれたご主人、最近のご家族の暮らしぶりについて、いろいろ話してくれました。

フミヤさんは、山田牧場のご主人の案内で、ようやく「オーディオ道場」に辿り着きます。そこは、誰かに連れて行って貰わないと絶対分からないような森の奥、建物の外壁には”カフェ”の文字が残っていますが、建物も周囲も、廃墟の様な状態。ようやく見つけたご主人の片山さんに話を聞くと、この場所は、片山さんのアトリエ兼、お父さんの剣道場で、5軒の建物があった芸術村だったそうですが、震災でほぼ全壊し、今は熊本市内から通い、片付けている最中だそうです。お父さんが亡くなった後、剣道場を片山さんの趣味のオーディオを展示する、オーディオルーム兼カフェとしてオープンさせたそうですが、地震で中も外もぐちゃぐちゃになり、死ぬまでに片付けられればと・・・(汗)。せっかくだからと、レコードプレーヤーと真空管アンプを使い、巨大なスピーカーから流れる、「ピンク・パンサーのテーマ」を聞かせてもらったフミヤさん、『すごい・・・』(笑)。

鶴瓶さんは、細い道を山の方へと登っていくと、まだ住宅が続き、庭掃除をしていた谷川さんご夫婦と出会います。100年近い古い住宅は全壊したそうですが、家族は全員なんとか無事だったとのこと。2年が経ち、ようやく片付けが終わって更地になり、家を新築するための杭打ちが、ちょうど始まる段階でした。

フミヤさんは、車で西原村内を走っていると、道沿いに「子どもの本の店 竹とんぼ」と書かれた看板を見つけ、訪ねてみることに。山の中の小さな村落にぽつんと、子ども向けの絵本などがたくさん置かれた本屋さんが、本当にありました。そこそこ広い店内で、まるでおとぎの国にでも来たかのよう(驚)。店番をしていたのは、店を継いだ長男のお嫁さん。熊本出身という先代の奥さんが出て来てくれて話を聞くと、以前はご夫婦で東京の出版社に勤めていたそうですが、ご主人が脱サラをして東京を離れ、最初は熊本市内に本屋を開き、そして26年前に西原村にこの店を開業したそうです。まだ現役の先代と息子さんは、外商担当で、熊本市内の保育園から大学まで絵本に限らず本を卸しているそうです。平台の一角に並べてあった何冊かの絵本は、なんと次男で翻訳家の小宮 由(ゆう)さんが翻訳した絵本とのこと。すると、お父さん(由さんの祖父)も、トルストイの翻訳で知られた翻訳家(北御門 二郎氏・故人)だったそうです。西原村の山の中で、まさか”トルストイ”に繋がる出会いをするとは、あまりの思い掛けない出来事にビックリするフミヤさん。『僕はあまり映画とかは観ず、常に本を読む』と話すフミヤさんは、記念に「人は何で生きるか(トルストイの散歩道)」(北御門二郎翻訳)を買って帰ることにしました(笑)。

山を下って大通りに出た鶴瓶さん、買物帰りに鶴瓶さんの姿を見つけ、家に荷物を置いて引き返し、夫の妹と二人で探していたという、山辺さんらに出会います。現在は仮設住まいと聞いた鶴瓶さん、「津森仮設団地」の山辺さんの部屋を訪ね、二人に地震発生当時の様子を教えてもらいました。妹さんは、ちょうどお風呂に入ろうと、パンツ一枚になったところに地震(前震)があり、上にシャツを羽織って、貴重品の入ったバックだけを背負い、パンツ姿で表に飛び出したそうです(汗)。山辺さんのお宅は、本震でモルタルの壁が全部はげ落ちたそうですが、深夜にも係わらず夫は消防団の活動で家にはおらず、どうしたらいいか途方に暮れコタツに入っていたところに夫が帰ってきてくれて、夫から『急いで出ろ』と言われ、表に飛び出したそうです。子供たちは、地震のあとずっと震えていて、喋らなくなってしまったそうですが、今では元気に遊び回っているとのこと、本当によかったです!。

フミヤさんは、本屋の隣にある小宮さんのご自宅に伺うことに。すると、しばらくしてご主人が帰ってきて、皆さんにご家族のことや暮らしぶりについて話を聞くことができました。お父さんが脱サラして、家族で東京から熊本に越してきて店を開いた当時は、常に夫婦喧嘩が絶えず、家族中が荒れに荒れ、店の支払が迫る月末になるのが子供ながらに怖かったと、当時を振り返ってくれたご主人。当時はまだ10歳だったそうですが、そうして店の内情を知って育った長男は、さすがに両親二人でやっていくのは無理だと思い、自分も手伝うことにして、店を継いだそうです。大変な思い出話ですが、今はとても幸せそうなご家族で、今回もステキな出会いが沢山できたフミヤさんでした(笑)。

再放送は、5月25日(金)午前0時55分~午前2時10分(木曜日の深夜)に、NHK総合で放送予定です。

 


二人旅

益城町ゆかりの方が自慢の名産品をご紹介!

西原村の名産品をご紹介!

鶴瓶さん

藤井さん

 


番組内で紹介された 益城町・西原村の名物など

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