【本屋大賞】歴代の5位受賞作一覧

これまで本屋大賞で5位に選ばれた作品の内容(あらすじ)を紹介。

=コーナー目次= 

(歴代の1位大賞作と、2位から5位まで)

「本屋大賞」は、全国の書店で働く書店員が、過去一年の間に自分で読んで「面白かった」、「お客様にもお薦めしたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び、その投票で決定される賞です。一次投票で選ばれた上位10作品が、その年の本屋大賞のノミネート(候補)作となり、二次投票で大賞が選ばれます。ここでは、各年の本屋大賞で大賞(1位)に選ばれた作品から、5位までにランクインした作品を、それぞれの順位ごとに一覧で紹介します。

ここでは、過去の本屋大賞で「5位」に選ばれた作品を紹介します。第1回で大賞を受賞した小川洋子氏は、第7回と第9回に2度、5位にランクイン。逆に、第1回と第2回で連続して5位となった伊坂幸太郎氏が、第5回で大賞を受賞しました。

 歴代の本屋大賞で5位に選ばれた作品

2023年 第20回

月の立つ林で

作者: 青山美智子

【内容】 長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。(ポプラ社より)

2022年 第19回

六人の嘘つきな大学生

作者: 浅倉秋成

【内容】 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。(KADOKAWAより)

2021年 第18回

自転しながら公転する

作者: 山本文緒

【内容】 東京のアパレルで働いていた都は母親の看病のため茨城の実家に戻り、地元のアウトレットのショップで店員として働き始めるが、職場ではセクハラなど問題続出、実家では両親共に体調を崩してしまい……。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなこと無理! ぐるぐる思い惑う都の人生の選択から目が離せない、共感度100%小説。(新潮社より)

2020年 第17回

熱源

作者: 川越 宗一

【内容】 樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。(文藝春秋より)

2019年 第16回

ある男

作者: 平野 啓一郎

【内容】 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。
里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。
人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。 「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。 人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。(文藝春秋より)

2018年 第15回

AX アックス

作者: 伊坂 幸太郎

【内容】 最強の殺し屋は……恐妻家。物騒な奴がまた現れた!新たなエンタメの可能性を切り開く、娯楽小説の最高峰! 「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。書き下ろし2篇を加えた計5篇。シリーズ初の連作集!。(KADOKAWAより)

2017年 第14回

桜風堂ものがたり

作者: 村山 早紀

【内容】 百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。(PHP研究所より)

2016年 第13回

朝が来る

作者: 辻村 深月

【内容】 親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口で「子どもを、返してほしいんです」と言い募る女は「片倉ひかり」と名乗った。その名前は、栗原夫妻にとって忘れることのできない名前だった……。やがて明かされる、まったく異なる環境を生きるふたりの女性の人生と葛藤。号泣必至の感動長篇。(文藝春秋より)

2015年 第12回

土漠の花(とばくのはな)

作者: 月村 了衛

【内容】 ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、ついには仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか? なぜ救援が来ないのか? 自衛官は人を殺せるのか? 最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。(幻冬舎より)

2014年 第11回

とっぴんぱらりの風太郎(上・下)

作者: 万城目 学

【内容】 関が原の戦いから12年、天下は豊臣から徳川へ――。伊賀を追い出され、京で自堕落な日々を送る“ニート忍者”風太郎。その行く末は、なぜか育てる羽目になった、ひょうたんのみぞ知る!? マイペース忍者・黒弓、美貌の忍び・常世、かぶき者の頭目・残菊、謎の貴人・ひさご様……さまざまなキャラクターが織りなす驚きに満ちたな物語のクライマックス、その舞台は、難攻不落の大坂城!(文藝春秋より)

2013年 第10回

ふくわらい

作者: 西 加奈子

【内容】 マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。 彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。 その時から彼女は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。 愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語ってくる盲目の男性や、必死に自分を表現するロートル・レスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。(朝日新聞出版より)

2012年 第9回

人質の朗読会

作者: 小川 洋子

【内容】 遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた――慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは……。しみじみと深く胸を打つ小川洋子ならではの小説世界。(中央公論新社より)

2011年 第8回

シューマンの指

作者: 奥泉 光

【内容】 シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたいう「ありえない」噂が伝わる。修人の指にいったいなにが起きたのか――。(講談社より)

2010年 第7回

猫を抱いて象と泳ぐ

作者: 小川 洋子

【内容】 「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。(文藝春秋より)

2009年 第6回

ボックス!

作者: 百田 尚樹

【内容】 高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち......。様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?(太田出版より)

2008年 第5回

映画篇

作者: 金城 一紀

【内容】 人生には、忘れたくても忘れられない、大切な記憶を呼び起こす映画がある。青春を共にし、別々の道を歩んだ友人。謎の死を遂げた夫。守りたいと初めて思った女性……。「太陽がいっぱい」「愛の泉」など名作映画をモチーフに、不器用ゆえ傷ついた人々が悲しみや孤独を分かち合う姿を描く5篇を収録。友情、正義、恋愛、復讐、家族愛と感動――物語の力が彼らを、そしてあなたを救う。(新潮文庫より)

2007年 第4回

図書館戦争

作者: 有川 浩

【内容】 公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ!敵は合法国家機関。相手にとって、不足なし。正義の味方、図書館を駆ける!(メディアワークスより)

2006年 第3回

その日のまえに

作者: 重松 清

【内容】 僕たちは「その日」に向かって生きてきた――。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか……。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。(文藝春秋より)

2005年 第2回

チルドレン

作者: 伊坂 幸太郎

【内容】 「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。(講談社より)

2004年 第1回

重力ピエロ

作者: 伊坂 幸太郎

【内容】 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。(新潮社より)


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