【直木賞】受賞作一覧(写真・解説付き)③

1960・70年代に直木三十五賞を受賞した作品と作者の紹介。

直木賞受賞作一覧(1950年代、1960年代、1970年代)
※ このページは、1960年代・70年代の直木賞受賞作を、詳しく紹介しています。1980・90年代2000年代以降の受賞作はこちら。
※ 「直木賞-歴代受賞作- 全作品一覧」はこちら

1970年代以前の作品は、改訂されずに、今では新本(「古書」以外)が買えない受賞作品も少なくありません。そこで、1980年以前の受賞作品は、その初版以後に改訂され、現時点でAmazonで新品または中古で改訂・改版文庫が買える作品のみ紹介します。全ての歴代直木賞受賞作品を知りたい方は、「直木賞-歴代受賞作|全作品一覧」をご覧ください。


 1970年代 直木賞受賞作品

1979年 上半期 第82回

該当作品なし


1979年 上半期 第81回

浪曲師朝日丸の話・ミミのこと

作者: 田中 小実昌

【内容】 東大に入りながら、駐留軍やストリップ小屋で仕事をしたり、テキヤになって北陸を旅するコミさん。その独特の語り口で世の中からはぐれてしまう人びとの生き方を描き出す傑作短篇集。直木賞受賞作『浪曲師朝日丸の話』『ミミのこと』収録。


ナポレオン狂

作者: 阿刀田 高

【内容】 自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは? ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の「来訪者」も収録する。

1978年 下半期 第80回

一絃の琴

作者: 宮尾 登美子

【内容】 土佐藩の上士の娘・苗は、祖母・袖の嗜みであった一絃琴を5歳の時に初めて聴き、その深い音色に魅せられた。運命の師有伯と死別した後、結婚生活で一度は封印したものの、夫の理解を得て市橋塾を始め、隆盛を極めた。その弟子となった蘭子は苗との確執の果て、一絃琴の伝統を昭和に伝える・・・。


大浪花諸人往来

作者: 有明 夏夫

【内容】 文明開化期の大阪の町を舞台とした異色捕物小説。36話からなる浪花の源蔵召捕記事の全編を全5巻に収録。 本巻では第80回(昭和53年下半期)直木賞受賞作品の「大浪花諸人往来」(角川書店)所収の、西郷はんの写真、天神祭の夜、尻無川の黄金騒動、大浪花別嬪番付、鯛を捜せ、人間の皮を?ぐ男の6編を収録。 多くの捕物小説が江戸時代の江戸を舞台とする中で、明治初年の文明開化期、しかも大阪の町を舞台としたという極めてユニークな設定の捕物小説であるとともに、大阪人の心意気や、文明開化に伴う急激な世相の変化に翻弄される庶民の心情がユーモラスに描かれた傑作。

1978年 上半期 第79回

深重の海

作者: 津本 陽

【内容】 紀伊半島は南東部、太地湾辺りは古くから鯨取りで栄えた土地柄である。明治11年12月24日、熊野灘の沖に現われた一頭の巨大鯨。小舟に乗った数百人の男たちが立ち向かう。これが大遭難、世にいう“背美流れ”の発端となり、慶長年間からの伝統的な捕鯨組織が崩壊しはじめる。明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。愛と闘いをドラマチックに描いた感動の長編。


離婚

作者: 色川 武大

【内容】 納得ずくで離婚したのに、ぼくはいつの間にかもと女房のところに住みついているのです─。奇妙な男と女の世界を、独特のほろ苦いユーモアで活写した直木賞受賞作。

1977年 下半期 第78回

該当作品なし

1977年 上半期 第77回

該当作品なし

1976年 下半期 第76回

子育てごっこ

作者: 三好 京三

【内容】 放浪の老画家のつれ歩いている子供を預かった山里の小学校教師が、“異物”の乱入で生活をかき乱されるいきさつを描いた直木賞受賞作に、「親もどき〈小説・きだみのる〉」を収録。

1976年 上半期 第75回

該当作品なし

1975年 下半期 第74回

復讐するは我にあり

作者: 佐木 隆三

【内容】 列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯・榎津巌。捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された榎津は死刑に―。綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔。

1975年 上半期 第73回

該当作品なし

1974年 下半期 第72回

雨やどり

作者: 半村 良

【内容】 舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など8編を収録。


アトラス伝説

作者: 井出 孫六

【内容】 明治十四年一人の洋画家が謎の死をとげた。冬崖・川上万之丞陸軍測地課長の要職にあった。狂を発し死に走ると伝えられた真相は? 直木賞受賞作の他に「非英雄伝」など三篇を収める。

1974年 上半期 第71回

鬼の詩

作者: 藤本 義一

【内容】 2012年に惜しまれて亡くなった稀才の代表的傑作集。鬼気迫る落語家の魂を描いて直木賞受賞の「鬼の詩」、師に“追随”する漫才師を描く「贋芸人抄」、三味線の天才娘の悲劇「下座地獄」、運命の師、映画監督川島雄三との決定的な体験を描いた「生きいそぎの記」と講演。その後の作家の姿がここにある。

1974年 下半期 第70回

該当作品なし

1973年 上半期 第69回

津軽世去れ節・津軽じょんから節

作者: 長部 日出雄

【内容】 「津軽世去れ節」「津軽じょんから節」で第69回直木賞を受賞した第一創作集。津軽を舞台にした6編を収録。


暗殺の年輪

作者: 藤沢 周平

【内容】 海坂(うなさか)藩士・葛西馨之介(けいのすけ)は成長するにつれ、周囲が向ける愍笑(びんしょう)の眼を感じるようになった。どうやら、18年前の父の横死と関係があるらしい。仲間から孤立する馨之介が、久しぶりに同門の貝沼金吾に誘われて屋敷へ行くと、待っていた藩の重役から、中老暗殺を引き受けろと言われ──武士の非情な掟の世界を、緻密な構成で描いた直木賞受賞作と、「黒い繩」「ただ一撃」「溟(くら)い海」「囮」の全5作品を収録した、初期傑作集。

1972年 下半期 第68回

該当作品なし

1972年 上半期 第67回

(ざん)

作者: 綱淵 謙錠

【内容】 “首斬り浅右衛門(あさえむ)”の異名で天下に鳴り響き、罪人の首を斬り続けた山田家二百五十年の末路は、明治の維新体制に落伍しただけでなく、人の胆をとっては薬として売り、死体を斬り刻んできた閉鎖的な家門内に蠢く、暗い血の噴出であった。もはや斬首が廃止された世の中で、山田家の人間はどう生きればいいというのか。豊富な資料を駆使して時代の流れを迫力ある筆で描き、「歴史小説に新領域を拓いた」と絶讃を博した、第67回直木賞受賞の長篇大作。


手鎖心中

作者: 井上 ひさし

【内容】 材木問屋の若旦那、栄次郎は、絵草紙の人気作家を志すあまり、馬鹿馬鹿しい騒ぎを起こして……。他人を笑わせ他人に笑われ、そのために死ぬほど絵草紙作者になりたいと願っている若旦那のありようを、洒落のめした直木賞受賞作。

1971年 下半期 第66回

該当作品なし

1971年 上半期 第65回

該当作品なし

1970年 下半期 第64回

長良川

作者: 豊田 穣

【内容】 「長良川」第一部では、胃癌にとりつかれ、生に執着して闘い、死を覚悟して闘う妻の終焉の姿が見つめられ、取り残された父と子の男ばかりの家族が平安にたどり着こうと辛さに堪える姿が映し出される。第二部では、母に死なれ、家庭の芯がぬけ、平均を失って精神の暗部に篭もってしまう長男の呼吸が見つめられている。一部、二部を通して、「危機に立ったとき」におとずれる捕虜時代の回想に写し出される「私」(語り手)の、ひたむきに生きようとする姿が描かれている。

1970年 上半期 第63回

軍旗はためく下に

作者: 結城 昌治

【内容】 陸軍刑法の裁きのもと、祖国を遠く離れた戦場に処刑された帝国軍人たちの知られざる真実と非情を追求した力作。


光と影

作者: 渡辺 淳一

【内容】 将来を嘱望された陸軍大尉の小武は右腕負傷の憂き目にあう。偶然にも同じ傷で同期の寺内と病院で一緒になるが、小武は切断、寺内は腕を残した施術となった。廃兵となった小武はしだいに転落の気分を味わうが、いっぽうの寺内は……。カルテの順番という小さな偶然がわけた人生の光と影を、的確なタッチで構築した直木賞受賞作に、人間の皮肉を巧みに描き出した「宣告」「猿の抵抗」、若く美しい女に潜む戦慄をあつかった「薔薇連想」の三篇を加えた卓抜な作品集。

 1960年代 受賞作

1969年 下半期 第62回

該当作品なし


1969年 上半期 第61回

戦いすんで日が暮れて

作者: 佐藤 愛子

【内容】 強い男、りりしい男はいないのか!弱気な夫と、巨額の負債をしょいこんだ家庭の中で、休む間もない奮闘を続ける、男まさりの“強い妻”を独自の真情と塩からいペーソスで描く――直木賞受賞作。ほかに「ひとりぽっちの女史」「佐倉夫人の憂愁」「結婚夜曲」などの傑作短編7編を収録。

1968年 下半期 第60回

青玉獅子香炉

作者: 陳 舜臣

【内容】 辛亥革命後の中国で、ある宦官に清朝時代の宝物・青玉獅子香炉の贋作をつくってほしいと依頼された李同源は、名人の弟子というプライドを胸に、本物に勝るとも劣らない見事な品を彫り上げる。真作として紫禁城内に収められた李同源の獅子香炉は、その後、国共内戦が激化したため、安全な場所に移送することに。獅子香炉にただならぬ愛着があった李同源も随行するが、宝物が入っているはずの箱を開けてみると……。


僑人の檻

作者: 早乙女 貢

【内容】 明治時代のマリア・ルス号事件を題材とする。清(中国)の壕鏡(マカオ)から南米西岸のペルーに向かっていたペルー船籍のマリア・ルスが、航海中の悪天候から帆先を破損、横浜港にこの修理のために入港した。同船には清国人231名が乗船していたが、過酷な待遇から逃れるために木麗をはじめとする数人の清国人が監視の目を欺いて海中へ逃亡し、イギリス軍艦に救助を求めた。イギリスはマリア・ルスを「奴隷運搬船」と判断し、イギリス在日公使は日本政府に対し清国人救助を要請した。日本が国際裁判の当事者となった初めての事例である。

1968年 上半期 第59回

該当作品なし

1967年 下半期 第58回

アメリカひじき・火垂るの墓

作者: 野坂 昭如

【内容】 昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。蚤だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ4歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかった――。 浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた『火垂るの墓』、そして『アメリカひじき』の直木賞受賞の2作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。


聖少女

作者: 三好 徹

【内容】 無道徳だが、爽快な奔放さと埋められぬ空しさとをもつ少年少女を生き生きと捉えた直木賞受賞作「聖少女」のほか、「背後の影」「汚れた天使」など四篇を収録。

1967年 上半期 第57回

追いつめる

作者: 生島治郎

【内容】 志田刑事は暴力団浜内組幹部を追跡中、同僚刑事を誤射して引責退官している。妻側からもらった離婚慰謝料を資本(もとで)に、志田前刑事の浜内組追及は続けられた。暴力団の“経営革命”すら行なって尻尾を出さぬ浜内組と孤独な退職刑事との凄まじい闘い! 直木賞を受賞し、ハードボイルドを日本の土壌に開花させた秀作!

1966年 下半期 第56回

蒼ざめた馬を見よ

作者: 五木 寛之

【内容】 ソ連の老作家が書いた痛烈な体制批判の小説。原稿の入手を命じられた外信部記者の鷹野は、新聞社を離れ、身分を偽ってソ連に潜入する。運よく手に入った小説は全世界でベストセラーとなり、ソ連は窮地に立つ。ところが、その裏には驚くべき陰謀があった! 表題作のほか、赤い広場の女、バルカンの星の下に、弔のバラード、天使の墓場を収録して、著者の"初心"を鮮かに示す短篇集。

1966年 上半期 第55回

白い罌粟

作者: 立原正秋

【内容】 金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集。

1965年 下半期 第54回

八百長

作者: 新橋 遊吉

【内容】 


虜愁記

作者: 千葉 治平

【内容】 戦後に捕虜として中国の農村に軟禁された日本兵の姿を描いた、作者自身の青春時代を満州で過ごした経験をもとに書いた作品。

1965年 上半期 第53回

作者: 藤井 重夫

【内容】 1950年敗戦直後の大阪。四国の田舎町から、広島から、名古屋から、丹波から天王寺駅界隈にすみついた戦災孤児たちはたくましく生きる。そのひとり、虹を見るといつも泣き出すカズヒコと交番の巡査との暖かい心の交流を、独特の大阪の匂いにのせて描いた第53回直木賞受賞作。表題作ほか「風土」「善界」「牧歌」「世染-私版・夫婦善哉」を含む珠玉短編集。

1964年 下半期 第52回

炎環

作者: 永井 路子

【内容】 頼朝の挙兵、それはまたたくまに関東の野をおおい、鎌倉幕府が成立した。武士たちの情熱と野望を激しく描く。


張少子の話(花あざ伝奇)

作者: 安西 篤子

【内容】 兄王への謀叛を企んだとされ、追われる身となった季王韶(しょう)。名を秘し、張少子(チャンシャオツ)と呼ばれ、逃亡生活に入った。牛荘(ニュウチャン)で奉公をはじめ、お嬢様の趙小姐(チョウシャオチェ)と打ち解けるが、少子が正体を明かすと……。という直木賞受賞作の「張少子の話」ほか、妲己(だっき)・曹操など歴史上の人物を題材に、謀略・反乱・悲恋……、歴史を題材に虚実を取り混ぜて描く、傑作中国歴史短編7編。

1964年 上半期 第51回

該当作品なし


1963年 下半期 第50回

巷談 本牧亭

作者: 安藤 鶴夫

【内容】 東京・上野の本牧亭は、落語や講談の中心地として、人々に親しまれていた。そこにつどう落語家、講談師、なじみの客たち、そしてあるじ。客席、舞台、そして楽屋うらが一体となっての、ちょっと哀愁をただよわせた人間模様。芸を愛し育てた人々が住むどこか懐かしい別世界の物語。


塵の中

作者: 和田 芳恵

【内容】 ある娼婦のその後の生を描いた作品。

1963年 上半期 第49回

女のいくさ

作者: 佐藤得二

【内容】 髪結いとして成功しながらも、売れない台本作者と結婚し、その夫に裏切られてしまう女性の、明治初期から現代までの歴史を描いた作品。

1962年 下半期 第48回

江分利満氏の優雅な生活

作者: 山口 瞳

【内容】 江分利満氏は昭和の年号と同じ年齢。社宅に住み、遅刻の常習者で、無器用で・・・。都会的センスでサラリーマンの哀歓を謳いあげる。


孤愁の岸

作者: 杉本 苑子

【内容】 財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。

1962年 上半期 第47回

天才と狂人の間

作者: 杉森 久英

【内容】 20歳で長編小説『地上』によってデビユーし、いちやく文壇の流行児となりながら、わずか数年で没落した男、自分を天才と信じこんだ島田清次郎の狂気にも似た生涯を克明に描く直木賞受賞の傑作伝記小説。

1961年 下半期 第46回

螢の河

作者: 伊藤 桂一

【内容】 苛烈な戦場での日々に、死を凝視しつつ、なお友情、青春が息づく、その刻々を淡々と描く。温かく深い感動を伝える戦記文学の傑作短篇。芥川賞の純文学と、直木賞の大衆文学の壁を取り払った記念すべき作品と評価の高い名作。

1961年 上半期 第45回

雁の寺

作者: 水上 勉

【内容】 “軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。

1960年 下半期 第44回

はぐれ念仏

作者: 寺内 大吉

【内容】 念仏宗の内部にてくりひろげられる俗臭ふんぷんたる選挙戦の人間模様をコミカルかつ軽快な筆致で描き、第44回直木賞を受賞した表題作ほか、仏教テーマの哀感を誘う3編を収録。


背徳のメス

作者: 黒岩 重吾

【内容】 産婦人科医・植秀人は、腕は確かだが無頼な男。当直の夜、何者かが巧妙に自分を殺そうとしていたことに気づき戦慄する。病院関係者の仕業か。産婦人科での医療ミスが原因の脅迫事件と関連があるのか。犯人を捜す植を、院内での愛憎入り混じった複雑な人間関係が包囲する。苛酷な医療現場を舞台に人間の生々しいエゴイズムを極限まで描き切り、直木賞に輝いた医療ミステリーの傑作。

1960年 上半期 第43回

錯乱

作者: 池波 正太郎

【内容】 信州松代藩十万石。馬廻りの藩士・平五郎は、温厚な人柄で城下に知られ、誰もが盤を囲みたがる好人物。隠居中の先代藩主・真田信之にも気に入られ将棋の相手をさせられるほどである。ある日、藩主の信政が突如卒倒、三日後に没して城下は騒然となった。その報を聞いた堀平五郎の目に、一瞬、異様な鋭い光が走ったー。ほか、珠玉の五作品を収録。

 1950年代 受賞作

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 これ以前の受賞作品

続きは、

 → 「直木賞-歴代受賞作|全作品一覧」をご覧ください。

【関連ページ掲載】
※ これまで、「本屋大賞・芥川賞・直木賞」の全受賞作を、一覧(リスト)にしていましたが、あまりに数が多くなってしまったので、各賞を切り出した、それぞれのページを作りました。
 → 芥川賞-歴代受賞作|全作品一覧
 → 直木賞-歴代受賞作|全作品一覧
 → 本屋大賞-歴代受賞作|全作品一覧

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