これまで芥川龍之介賞を受賞した作品の一覧です。
※ 過去に芥川賞にノミネートされた作品の一覧は、【芥川賞】歴代ノミネート作 一覧 のページをご覧ください。
※ 直木賞・本屋大賞の受賞作品一覧のページはこちらへ。
→ 直木賞 ~歴代受賞作一覧~
→ 本屋大賞~歴代受賞作一覧~
「芥川龍之介賞」(通称 芥川賞)は、純文学の新人に与えられる文学賞です。雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、文藝春秋社内の日本文学振興会によって候補作品が絞り込まれ、選考委員の合議によって受賞作が決定されます。大正時代を代表する小説家の一人・芥川龍之介の業績を記念して、友人であった菊池寛が1935年に直木三十五賞(直木賞)ともに創設し、以降年2回発表されるようになりました(上半期は前年12月から5月までに発表された作品、下半期は6月から11月までに発表された作品から選出)。
第174回(2025年下半期)芥川賞・直木賞の選考会が2026年1月14日(水)に都内で開かれ、芥川賞に鳥山まことさんの『時の家』と、畠山丑雄さんの『叫び』の2作が選ばれました。
鳥山まことさんは、兵庫県宝塚市出身の33歳。建築士の仕事をしながら小説の執筆を続け、2023年に『あるもの』で文芸誌の新人賞を受賞してデビューしました。受賞作『時の家』は、取り壊されようとしている空き家を舞台に、建築士ならではの視点で家の壁や柱などの細部を表現しつつ、そこで暮らしてきた3代にわたる住人たちの記憶をたどった物語です。
畠山丑雄さんは大阪府吹田市出身の33歳、現在は茨木で地方公務員として働きながら執筆活動を行っています。京都大学文学部に在籍していた2015年に『地の底の記憶』で文藝賞を受賞してデビューしました。今回の受賞作『叫び』は、大阪に暮らす主人公の男性が郷土史などを学ぶ中で、戦前に満州に渡り、あへんの原材料となるけしの栽培に従事した1人の青年に思いをはせる物語です。戦争のために開催されなかった万博と去年(2025)開催された大阪・関西万博の2つの万博を重ね、主人公と青年が時代を超えてつながっていく様子が描かれています。(NHKニュースより)
芥川賞にノミネートされた小説(4作品)の詳細は、
芥川賞 歴代ノミネート作 一覧 または 【芥川賞2025】候補作・受賞作 紹介のページをご覧ください。
なお、現在の芥川賞の選考委員は、小川洋子氏、奥泉光
氏、川上弘美
氏、川上未映子氏、島田雅彦
氏、平野啓一郎
氏、松浦寿輝
氏、山田詠美
氏、吉田修一
氏の9名です(2024年1月に堀江敏幸
氏が退任、代わって3月に川上未映子氏が就任)。
| 受賞年 | 回 | 受賞者 「受賞作」 |
|---|---|---|
| 2025年 | 鳥山まこと「時の家」、畠山丑雄「叫び」 |
|
| 該当作品なし | ||
| 2024年 | 安堂ホセ「DTOPIA」、鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」 | 朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」、松永K三蔵「バリ山行」 |
| 2023年 | 九段理江「東京都同情塔」 | |
| 市川沙央「ハンチバック」 | ||
| 2022年 | 佐藤厚志「荒地の家族」、井戸川射子「この世の喜びよ」 | |
| 高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」 | ||
| 2021年 | 砂川文次「ブラックボックス」 | |
| 石沢麻依「貝に続く場所にて」、李琴峰「彼岸花が咲く島」 | ||
| 2020年 | 宇佐見りん「推し、燃ゆ |
|
| 高山羽根子「首里の馬」、遠野遥「破局」 | ||
| 2019年 | 古川真人「背高泡立草 |
|
| 今村夏子「むらさきのスカートの女 |
||
| 2018年 | 上田岳弘「ニムロッド |
|
| 高橋弘希「送り火 |
||
| 2017年 | 石井遊佳「百年泥 |
|
| 沼田真佑「影裏(えいり) |
||
| 2016年 | 山下澄人「しんせかい |
|
| 村田沙耶香「コンビニ人間 |
||
| 2015年 | 滝口悠生「死んでいない者 |
|
| 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド |
||
| 2014年 | 小野正嗣「九年前の祈り |
|
| 柴崎友香「春の庭 |
||
| 2013年 | 小山田浩子「穴 |
|
| 藤野可織「爪と目 |
||
| 2012年 | 黒田夏子「abさんご |
|
| 鹿島田真希「冥土めぐり |
||
| 2011年 | 円城塔「道化師の蝶 |
|
| 該当作品なし | ||
| 2010年 | 朝吹真理子「きことわ |
|
| 赤染晶子「乙女の密告 |
||
| 2009年 | 該当作品なし | |
| 磯崎憲一郎「終の住処 |
||
| 2008年 | 津村記久子「ポトスライムの舟 |
|
| 楊逸「時が滲む朝 |
||
| 2007年 | 川上未映子「乳と卵 |
|
| 諏訪哲史「アサッテの人 |
||
| 2006年 | 青山七恵「ひとり日和 |
|
| 伊藤たかみ「八月の路上に捨てる |
||
| 2005年 | 絲山秋子「沖で待つ |
|
| 中村文則「土の中の子供 |
||
| 2004年 | 阿部和重「グランド・フィナーレ |
|
| モブ・ノリオ「介護入門 |
||
| 2003年 | 金原ひとみ「蛇にピアス |
|
| 吉村萬壱「ハリガネムシ |
||
| 2002年 | 大道珠貴「しょっぱいドライブ |
|
| 吉田修一「パーク・ライフ |
||
| 2001年 | 長嶋有「猛スピードで母は |
|
| 玄侑宗久「中陰の花 |
||
| 2000年 | 青来有一「聖水 |
|
| 町田康「きれぎれ |
||
| 1999年 | 玄月「蔭の棲みか |
|
| 該当作品なし | ||
| 1998年 | 平野啓一郎「日蝕 |
|
| 花村萬月「ゲルマニウムの夜 |
||
| 1997年 | 該当作品なし | |
| 目取真俊「水滴 |
||
| 1996年 | 辻仁成「海峡の光 |
|
| 川上弘美「蛇を踏む |
||
| 1995年 | 又吉栄喜「豚の報い |
|
| 保坂和志「この人の閾 |
||
| 1994年 | 該当作品なし | |
| 室井光広「おどるでく |
||
| 1993年 | 奥泉光「石の来歴 |
|
| 吉目木晴彦「寂寥郊野 |
||
| 1992年 | 多和田葉子「犬婿入り |
|
| 藤原智美「運転士 |
||
| 1991年 | 松村栄子「至高聖所 |
|
| 辺見庸「自動起床装置 |
||
| 1990年 | 小川洋子「妊娠カレンダー |
|
| 辻原登「村の名前 |
||
| 1989年 | 大岡玲「表層生活 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1988年 | 南木佳士「ダイヤモンドダスト |
|
| 新井満「尋ね人の時間 |
||
| 1987年 | 池澤夏樹「スティル・ライフ |
|
| 村田喜代子「鍋の中 |
||
| 1986年 | 該当作品なし | |
| 該当作品なし | ||
| 1985年 | 米谷ふみ子「過越しの祭 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1984年 | 木崎さと子「青桐 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1983年 | 笠原淳「杢二の世界 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1982年 | 加藤幸子「夢の壁 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1981年 | 該当作品なし | |
| 吉行理恵「小さな貴婦人 |
||
| 1980年 | 尾辻克彦「父が消えた |
|
| 該当作品なし | ||
| 1979年 | 森禮子「モッキングバードのいる町 |
|
| 重兼芳子「やまあいの煙 |
||
| 1978年 | 該当作品なし | |
| 高橋揆一郎「伸予 |
||
| 1977年 | 宮本輝「螢川 |
|
| 三田誠広「僕って何 |
||
| 1976年 | 該当作品なし | |
| 村上龍「限りなく透明に近いブルー |
||
| 1975年 | 中上健次「岬 |
|
| 林京子「祭りの場 |
||
| 1974年 | 日野啓三「あの夕陽 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1973年 | 野呂邦暢「草のつるぎ |
|
| 三木卓「鶸 |
||
| 1972年 | 山本道子 「ベティさんの庭 |
|
| 畑山博「いつか汽笛を鳴らして |
||
| 1971年 | 李恢成「砧をうつ女 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1970年 | 古井由吉「杳子 |
|
| 吉田知子「無明長夜 |
||
| 1969年 | 清岡卓行「アカシヤの大連 |
|
| 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて |
||
| 1968年 | 該当作品なし | |
| 丸谷才一「年の残り |
||
| 1967年 | 柏原兵三「徳山道助の帰郷 |
|
| 大城立裕「カクテル・パーティー |
||
| 1966年 | 丸山健二「夏の流れ |
|
| 該当作品なし | ||
| 1965年 | 高井有一「北の河 |
|
| 津村節子「玩具 |
||
| 1964年 | 該当作品なし | |
| 柴田翔「されどわれらが日々── |
||
| 1963年 | 田辺聖子「感傷旅行 センチメンタル・ジャーニィ |
|
| 後藤紀一「少年の橋 |
||
| 1962年 | 該当作品なし | |
| 川村晃「美談の出発 |
||
| 1961年 | 宇能鴻一郎「鯨神 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1960年 | 三浦哲郎「忍ぶ川 |
|
| 北杜夫「夜と霧の隅で |
||
| 1959年 | 該当作品なし | |
| 斯波四郎「山塔 |
||
| 1958年 | 該当作品なし | |
| 大江健三郎「飼育 |
||
| 1957年 | 開高健「裸の王様 |
|
| 菊村到「硫黄島 |
||
| 1956年 | 該当作品なし | |
| 近藤啓太郎「海人舟 |
||
| 1955年 | 石原慎太郎「太陽の季節 |
|
| 遠藤周作「白い人 |
||
| 1954年 | 小島信夫「アメリカン・スクール |
|
| 吉行淳之介「驟雨 |
||
| 1953年 | 該当作品なし | |
| 安岡章太郎「悪い仲間・陰気な愉しみ |
||
| 1952年 | 五味康祐「喪神 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1951年 | 堀田善衛「広場の孤独 |
|
| 安部公房「壁 S・カルマ氏の犯罪 |
||
| 1950年 | 該当作品なし | |
| 辻亮一「異邦人 |
||
| 1949年 | 井上靖「闘牛 |
|
| 由起しげ子「本の話 |
||
| 1945~ 1948年 |
(第二次世界大戦のため中断) | |
| 1944年 | 清水基吉「雁立 |
|
| 八木義徳「劉廣福 |
||
| 1943年 | 東野邊薫「和紙 |
|
| 石塚喜久三「纏足の頃 |
||
| 1942年 | 倉光俊夫「連絡員 |
|
| 該当作品なし | ||
| 1941年 | 芝木好子「青果の市 |
|
| 多田裕計「長江デルタ |
||
| 1940年 | 櫻田常久(桜田常久)「平賀源内 |
|
| 高木卓「 |
||
| 1939年 | 寒川光太郎「密猟者 |
|
| 半田義之「鶏騒動 |
||
| 1938年 | 中里恒子「乗合馬車 |
|
| 中山義秀「厚物咲 |
||
| 1937年 | 火野葦平「糞尿譚 |
|
| 尾崎一雄「暢気眼鏡 |
||
| 1936年 | 石川淳「普賢 |
|
| 小田嶽夫「城外 |
||
| 1935年 | 該当作品なし(二・二六事件のため審査中止) | |
| 石川達三「蒼氓 |
||
ちなみに、「芥川賞と直木賞の違い」についてですが、「芥川賞」(芥川龍之介賞)は純文学の新人に与えられる文学賞で、「直木賞」(直木三十五賞)は大衆文学の無名・新人及び中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞です。
では、「純文学と大衆文学の違い」についてですが、純文学は娯楽性よりも“芸術性”に重きを置いている小説のことで、逆に大衆文学は芸術性よりも“娯楽性”に重きを置いている小説とされています。
ただし、ここでいう「芸術性とは何にか」についての定義は曖昧で、ある読者が低俗な作品だと感じたとしても、著者自身が「これは芸術である」と思って書いていれば純文学に位置付けられます。
過去には、大衆文学が読者の慰安を目的として興味本位に書かれるのに対して、純文学はあくまで作者の芸術的感性に基づいて生み出される作品であり、“純文学は大衆文学より高級である”との前提が広く受け入れられた時代があり、その後の文学論争に発展した経緯があります。
いずれにしても、これらの分類は“日本の近代文学および文壇における独特の用語”であり、自分が好む小説や作家がどっちに当てはまるかなど、まったく気にする必要は無いってことですね。こうした読者の現代的な感性が、古い拘りに未だに縛られ続けている芥川賞や直木賞の受賞作より、本屋大賞の受賞作の方が売れる時代になった背景の一つにあるのではないでしょうか・・・?。