種まきの時期を逸したりしない様に、家庭菜園で日々すべき必要な作業を記した野菜栽培カレンダー(日誌)を作ってみました。
旧暦で10月の和風月名は「神無月(かんなづき)」。この”無”は連体助詞である”の”を意味し、「神の月」を表しています。秋の収穫を祝って収穫物を神に捧げる収穫祭(秋祭り)が各地で執り行われることから、「神祭りの月」とされ、それが転じて「神の月」となりました。なお、全国の八百万(やおよろず)の神様が出雲の国(島根県)に集まって会議をするため諸国が「神無しになる月」とする説は、後に出雲大社から広まった語源俗解です。現在の季節感とは1~2ヶ月ほどズレますが、季節としては 晩秋(ばんしゅう)に当たります(寒露(10/8頃)から立冬(11/7頃)の前日まで)。
長野では、まだ体が慣れていないせいか、10月になると急に寒さを感じる様になります。つい先日までタオルケットだった掛け布団は羽毛布団に代わり、毛布も必要になります。年寄りのいる家では、10月半ばには炬燵を出し、若い人でも10月下旬には朝晩は暖房が欲しくなります。山からは初雪の便りが届き、10月末には早い年では初霜が降ります。そして畑では、来年の収穫に向けて、エンドウやソラマメ、ニンニクなどの種まき(植え付け)をします。
私が住んでいる長野県長野盆地辺りでの、気候や風土に沿った野菜栽培の作業日誌です。お住まいの地域の寒暖によって、前後させてください。ちなみに、長野の「桜の開花日」(平年)は4月13日です。全国の主要都市のさくらの開花日(気象庁)を参考に、ずらす日数をご判断ください。
年によって日が異なる暦(祝祭や行事、二十四節気など)は、最も一般的な平年日に合わせています。
日 | 主な作業 | |
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10 月 上 旬 |
1日 | 衣替え |
2日 | ||
3日 | ||
4日 | エゴマの収穫 | |
5日 | ラッカセイの試し掘り | |
6日 | ニンニクの種球植え付け | |
7日 | 菜花(コマツナ等)の種まき | |
8日 | 【寒露】 | |
9日 | ||
10日 | イチゴ苗の定植 | |
10 月 中 旬 |
11日 | |
12日 | ||
13日 | ||
14日 | ||
15日 | エンドウ(絹さや・スナップ)の種まき | |
16日 | ソラマメの種まき | |
17日 | 神嘗祭 | |
18日 | サツマイモの収穫 | |
19日 | ||
20日 | ||
10 月 下 旬 |
21日 | |
22日 | ||
23日 | 【霜降】 | |
24日 | ||
25日 | ラッカセイの収穫 | |
26日 | ||
27日 | ||
28日 | 霜初日(平年) | |
29日 | ||
30日 | ||
31日 |
ニンニクの種球を植え付ける適期は、9月下旬から10月中旬。中間地では、嘉定種は早めに、ホワイト六片は遅めに植えます。小さい苗の状態で越冬させ、収穫出来るのは翌年の5月下旬から6月頃です。
イチゴの苗を定植する適期は、10月中旬から下旬にかけて。寒さに当ててから、翌春にマルチをし、美味しいイチゴが採れるのは、5月中旬から6月上旬頃です。
春の訪れとともに、食卓を彩ってくれる「菜の花」。おひたしが定番ですが、パスタなどにも合いますね。菜の花は、アブラナ科の植物が抽苔した花芽の総称で、この時期に種を蒔いて苗の状態で冬を越させると、どのアブラナ科の野菜でもトウが立ち、翌春には菜の花が咲きます。菜花専用に、な花(寒咲花菜)といった種も売られていますが、私は主にコマツナの種を蒔いています。茎が適当な太さで柔らかく、脇芽も多く出ます。野沢菜の花も、ボリュームがあって美味しいですよ!。小さかったり余ったりして、冬に収穫しなかった野沢菜の株は、そのまま春まで残しておきましょう。
エンドウの種まきの適期は、10月中旬から11月にかけて、収穫時期は翌年の5月から6月にかけてです。エンドウは、早く種を蒔いて苗が大きく育ってしまうと、冬の寒さに耐えられずに枯れてしまいます。寒さに強い、本葉が数枚出た幼苗の状態で越冬させることで、根が丈夫に張り、翌年の収穫量が各段に増えます。
ソラマメも、エンドウと同じく、10月中旬から11月にかけて豆を植え、幼苗の状態で冬を越します。収穫時期は、翌年の5月中旬から6月にかけてです。エンドウもソラマメも、圃場で越冬できない北海道などの寒冷地では、翌春に保温して育てた苗を植える必要があります。
寒い長野ではムリですが、関東以南の暖地であれば、10月でもまだ、寒さに強い小松菜やほうれん草、春菊、水菜など、冬の鍋物に使える野菜の種まきが間に合います。その代わり、苗の状態で越冬させて翌春に菜花として収穫するためには、種まきの時期をもっと遅らせてください。
寒い時期に収穫する小松菜とほうれん草は、『寒締め』とか『縮み』と呼ばれる品種がおすすめです。葉が縮れ、厚みがあり、冬の寒さに当たると一層甘みが増して美味しくなります。寒さにも強く、冬でも生育がよくて作りやすいです。